NEWS CIT ニュースシーアイティ

2014.9.15

スマホ搭載 「真田賞」


知能ロボコンで未ロボチーム
真田賞を獲得した「黄色い煉瓦」チームの(左から)菅原君、海老澤君、浅井君
真田賞を獲得した「黄色い煉瓦」チームの(左から)菅原君、海老澤君、浅井君
 第26回知能ロボットコンテスト2014(6月14、15日、スリーエム仙台市科学館=仙台市青葉区)で、浅井諒太郎君、海老澤隆君、菅原廉万君(いずれも未来ロボティクス学科4年=王志東研究室)の「黄色い煉瓦」チームが操ったロボット「一三式自走機あんどろいだー改」が、チャレンジコースで4位に入り「真田賞」を獲得した。
 真田賞は特に“技術屋魂に響く、すごいロボット”に与えられる賛辞(アニメ「宇宙戦艦ヤマト」に登場する架空の工場長「真田志郎」から命名された)。
 チャレンジコースは、自律ロボットが、競技台に散らばった3色のボールを自分で探し、判断し、時間内に同色ゴールに入れていく。関東・東北の大学などから71台が参加した。
 “あんどろいだー改”は長さ350ミリ×幅300ミリ×高さ300ミリ、重さ3キロで、ライントレースに高い能力を発揮。スマートフォンの持つ内蔵カメラやネットワーク機能を利用しようとスマホを搭載し、ボール検出の画像認識などに生かした。1次、2次予選を勝ち抜き、8台で競った決勝で4位に入る健闘を見せた。
 真田賞の快挙に王教授は「技術と創造的な発想に情熱を注ぎ続けた結果」と喜んだ。
 知能ロボットコンテストは本学の中野榮二・未来ロボティクス学科元教授が設立し、現在も実行委員会の名誉会長を務めている。

(22106)Tomokoarai


荒井上席 研究員の業績を称え小惑星に命名
 荒井朋子・本学惑星探査研究センター(PERC)上席研究員=写真=の名前が、小惑星に命名された。6月30日〜7月4日、フィンランドのヘルシンキで開かれた太陽系の小天体に関する国際会議「小惑星・彗星・流星2014(ACM2014)」で、新たに小惑星180個(日本関連は8件)の命名が発表された。このうち、小惑星2000NC12(仮名称)が、荒井上席研究員の名前に由来して「(22106)Tomokoarai」と正式に命名された。
 荒井上席研究員の隕石研究の業績や、本学で進める国際宇宙ステーション搭載流星カメラ開発プロジェクトでの活躍が評価されたという。
 小惑星(22106)Tomokoaraiは、2000年7月に米国アリゾナ州のローウェル天文台チームが発見した。直径約12キロで火星と木星の軌道の間にある小惑星帯軌道を周回。彗星と小惑星との中間的な軌道を持つため、太陽系形成初期の情報を残す彗星と、惑星に成り損ないの小惑星の中間的天体の可能性がある。このような天体は、太陽系の固体天体の進化の過程を理解する手掛かりとなるという。
 荒井上席研究員は東大大学院理学系研究科に在学中、NASAジョンソン宇宙センターとカリフォルニア大ロサンゼルス校に留学。宇宙開発事業団(現JAXA))、国立極地研究所などを経て2009年4月、本学PERC設立時からのメンバー。隕石や月などの地球外試料の分析や月惑星探査で得られたデータの解析により太陽系の成り立ちの解明に取り組んでいる。昨年は米国南極隕石探査(2012年11月〜13年1月)に参加し、南極点付近の氷河で約400個の隕石を回収した。
 幼い頃、父親は金星、母親は火星から来たと聞かされたことが、進路のきっかけに。自身の名前を持った小惑星の誕生に「長年の夢がかなって感無量。ぜひ自分の名前が付いた小惑星を探査したい」と感想を語った。
 小惑星は発見時に仮符号がつけられ、その後、発見関係者が、当該研究分野に貢献した研究者などの名前を冠するよう推薦提案し、国際天文学連合(IAU)が承認する。

チタンの用途を開く


坂本教授の連携研究 ちばぎん助成対象に
ちばぎん助成金交付式で。前列右端は小宮学長、隣がトーテックの坂手代表取締役
ちばぎん助成金交付式で。前列右端は小宮学長、隣がトーテックの坂手代表取締役
 機械サイエンス学科の坂本幸弘教授と、メッキ技術に強い電気・情報通信会社の株式会社トーテック(坂手保弘代表取締役、本社=東京都目黒区)が連携研究している“チタンのポーラス状酸化膜の形成”について、千葉銀行(佐久間英利頭取)は、新規性・独創性に優れ今後の事業化につながる研究と認め、トーテックを「ちばぎん・研究開発助成制度2014」の対象に選定し、表彰した。
 チタンはサビず、軽く(鉄の約60%)、強度が鉄の2倍で、光触媒機能もある素材だが、産業用途はまだ限られている。坂本教授はチタンの用途を開こうと、トーテックと連携、陽極酸化法を用いて表面が多孔質状(ポーラス状)のチタンを作り、表面を機能化させる研究を進めている。
 表面処理技術が進めば今後、千葉県が誇る資源であるヨウ素を触媒として付着させた色素増感太陽電池の開発や、航空・宇宙、バイオメディカル分野への応用など、幅広い成果が期待される。
 助成制度は千葉銀行が、地域産業経済の発展を目指し、千葉工大、千葉大と連携して行っており、助成金は1件当たり上限100万円。
 助成金交付式は8月4日、千葉市中央区の千葉銀行本店で行われ、小宮一仁学長が出席した。

奥さん 秘書実務士優秀者賞


 本学就職課が支援する秘書技能検定で奥奈菜実さん(プロジェクトマネジメント学科3年=鴻巣努研究室)が、秘書サービス接遇教育学会(元吉昭一会長)の2013年度秘書実務士優秀者賞の受賞者に選ばれた。4月1日に決まり、秘書実務士資格証と賞状が届いた=写真
 奥さんは検定2級のほか準1級にも合格して受賞条件をクリア。成績が特に優秀であると講座講師が推薦し、秘書サービス接遇教育学会が認定した。優秀者賞受賞者は全国で年間数人ほど。社会人としての常識・ビジネスマナーを備えた即戦力と評価される。
 奥さんは「受賞できるとは思わず、驚きました。実感できたのは、インターンシップのエントリーシートを記入した際。賞罰欄に記入できる賞で、大きな自信につながりました」と話した。就職活動のセールスポイントにしていきたいという。

「秋色のヴェローナ」


椿寮に関画伯の絵
「秋色のヴェローナ」の前で(左から)瀬戸理事長、関画伯、園田さん、小宮学長
「秋色のヴェローナ」の前で(左から)瀬戸理事長、関画伯、園田さん、小宮学長
 女子寮(椿寮)1階エントランスに、関勝利画伯の風景画「秋色のヴェローナ」(油彩M300号・縦167センチ×横315センチ)が飾られた。7月15日夕、瀬戸熊修理事長、小宮一仁学長の手で除幕式が行われ、女子寮生にお披露目された。
 この風景画は、椿寮の竣工を記念して関係者から寄贈された。関画伯は1945年、千葉県生まれ。水彩画で有名な奥津国道氏に師事。フランスなどをスケッチ旅行し個展を開催。2005年国際現代美術家協会展で奨励賞。飾られた絵は、秋の北イタリアに取材旅行し連作した1枚。
 除幕式に招かれた関画伯は「女子寮ということを意識しました。少しでもこの画が学生の皆さんの癒やしになれば……」と語った。寮生代表の園田花さん(経営情報科学科1年)は「秋の景色がきれい!が第一印象」と、晴れやかに美しく重なる色彩に見とれていた。