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2011.9.15

筑波夏の8耐


OMクラスに準優勝
サイクリング部チーム
ゴール下で記念撮影するサイクリング部
ゴール下で記念撮影するサイクリング部
 本学サイクリング部のA、Bの2チームが第25回筑波夏の8時間耐久レース(7月16日午前11時スタート、茨城県下妻市・筑波サーキット)にOMクラス(男子ロードバイク、マウンテンバイク混成)で出場、Aチームが準優勝した。
 Aチームは主将の高橋滉太郎君(社会システム科学部経営情報科学科3年)ら5人。スタート後、16回以上のライダーチェンジが義務付けられており、高橋主将を先頭に工学部の遠藤光君(生命環境科学科4年)、佐々木哲君(機械サイエンス学科3年)、櫻井元君(同)、廣勢翔太君(生命環境科学科4年)の順に乗り継いでいった。気候的に最も厳しい夏の8耐。年々人気は増し、出場は大混雑の305チーム。当日は快晴、気温は34度まで上がったが、5人は熱暑を耐えしのいでコースを時速約38キロで147周(約300キロメートル)し総合22位で午後7時ゴール。OMクラスでは出場47チーム中、見事、準グランプリの成績だった。
 高橋主将は「初めて表彰台に立てた(昨年は4位)ことが何よりうれしい」とコメント。
 一方、副将の持永俊彦君(工学部機械サイエンス学科3年)が率いたBチーム=同学部の冨塚真義君(生命環境科学科4年)、古山晃太君(未来ロボティクス学科3年)、鈴木潤樹君(デザイン科学科2年)に情報科学部の齋藤孝一郎君(情報工学科2年)、工学部の森田祐介君(生命環境科学科2年)・以上出走順=の6人は総合では108位だったが、同クラス7位入賞を果たした。

小型ロボに大喜び


千葉サイエンススクールフェス
津田沼で
小型ロボットを動かしてみせる古田所長
小型ロボットを動かしてみせる古田所長
 本学津田沼キャンパス新1号棟で8月6日(土)、高校生が小中学生の指導役になり、科学を楽しむ「千葉サイエンススクールフェスティバル」が開かれた。
 今年度、千葉県内の科学教育の中核校に指定された県立船橋高校などが企画し、県内14高校・6大学が参加、県教育委員会と本学が後援した。
 「科学教室」では、スライムや室内花火、空気砲を作る▽ブロッコリーからDNAを取り出す▽LEDの光で学ぶ――など出展が約65件。保護者や一般市民も交え約1000人が来場、高校生と大学生が各ブースで小中学生らに科学の面白さを伝えた。
 未来ロボット技術研究センターの古田貴之所長も「未来社会とロボット」と題して講演、ステージ上でさまざまな小型ロボットを動かしてみせると、子どもたちはステージに詰めかけ大喜びだった。

全員が救命講習修了証


金融・経営リスク 越山研の8人
 いざというときに――金融・経営リスク科学科・越山研究室の越山健彦教授と7人のゼミ生が7月29日、習志野消防本部で普通救命講習を受け、全員が修了証を手にした。
 越山研究室は、遊ぶ幼児や運動選手の安全について研究している。だが、机上でリスク回避や安全確保を理解できても、実際行動として、心肺蘇生などの応急手当てができなかった。そこで研究室でそろって救命講習修了証のゲットをめざしたという。
 別の思いもあった。地元・岩手県が東日本大震災に遭った同学科・千葉翔太君(県立盛岡南高校出身)は語る。「地元ではまだ、被災し苦労されている方が多い。自分にできることは限られているが、何か人の役に立つことができれば、と思って受講しました」
 講習を担当した習志野消防本部警防課の宮崎消防司令は「もっともっと千葉工大生が受講してくれるよう、期待しています」と話している。
普通救命講習修了証を手に越山研究室の8人 真剣な表情で人工呼吸を習う
普通救命講習修了証を手に越山研究室の8人 真剣な表情で人工呼吸を習う

活躍する校友


廃タイヤ商品、エコ押し付けず
かっこよく、社会のために
モンドデザイン社長
堀池 洋平氏(ほりいけ ようへい)氏(31歳)
(平成15年、工業デザイン学科卒)
堀池 洋平氏
「努力3割、運7割」と堀池さん
 大型トラックの廃タイヤチューブがリュックやボディバッグに変身・・・・・・こんなリサイクルを思いつく人はいるかもしれない。しかし、イザやろうとすれば厄介で、多くは二の足を踏むだろう。「でも、成せば成るものです」。座右の銘でもあるこの言葉通り、弱冠31歳の若き社長はベンチャー街道をばく進中だ。
 企業家にはとかくギラギラしたイメージがつきまとう。この人には、しかし、不思議にそれがない。長身から発せられる声はどちらかといえば穏やかで、大学院の研究室で院生と話しているようなムードなのである。
 東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県・浜通りの生まれ。さいわい実家は海岸線から離れ、被災は免れた。県立高校のころ「英語と数学が得意だった」のと、工業デザインをやりたくて本学へ。サークル活動には加わらず、講義とバイト、そして図書館に足しげく通う日々。神社・仏閣の建物、茶道、「線は線か、それとも点のつながりか」といった頭の体操になる思想系の本をたくさん手に取ったという。
 その合間に学生生活も楽しんだ。バイク(250t)で国内各地を回り、3年生のときは友人と欧州を1カ月の2人旅。イタリア、スイス、ドイツなどを巡った。「年配の女性がショッピングしながら、『この柄いいわね』なんて会話している。デザインを楽しんでいるのに感心しました」。目の向けどころが違う。
 「単位数ぎりぎりで卒業し」、在学中からバイトで縁のあった都内の広告・企画会社へ身を落ち着けた。チラシのデザインなど細かい仕事もこなした。その傍ら、起業に思いをめぐらせていく。
 エコが叫ばれる時代だ。キーワードは、かっこよく、かつ社会のためになること。考えたすえ未開の廃タイヤへたどりついた。素材はゴム。利用法はいろいろあるだろう。でも、10年は走りこんだタイヤチューブをなにに?
 (財)タイヤリサイクル協会、ハウスクリーニング会社、食品トレー洗浄工場、町の縫製工場などを訪ね歩く。廃タイヤの裁断・洗浄・加工の工程が見え、リュックへたどりつくまで2年かかったという。チューブはまだボコボコし、それでいてテカテカ光り、独特の質感をかもし出す。防水機能もある。
 「おしゃれ志向の女性はやはり皮製品を好むでしょう。しかし、アウトドア派の男性は引きつけられる」。30代男性にターゲットをしぼって2006年秋にモンドデザインを設立。翌春、満を持して「SEALブランド」(SEALは「印」の意味)の販売をスタートした。都内であった展示会へも出品した。国内初の廃タイヤ商品という意外性は評判を呼んだ。
 ただし、エコは前面に出さない。「押し付けがましくなるから」。その一方で、売り上げの1%を世界自然保護基金(WWF)に寄付。またSEALブランドをひとつ買ってもらうごとに、樟子松(別名モンゴリマツ)の苗木1本を「緑の地球ネットワーク」に贈っている(砂漠化する中国の植林協力にあてる)。スタッフ5人の会社は、なかなか周到である。
 広告デザインなどの仕事を請け負いながらのビジネスとはいえ、1期目からずっと黒字基調だというから、すごい。今年はこの素材をもとに静岡県のげたの老舗とコラボし、雪駄をモチーフに下駄を売り出した。雑誌にも紹介された。
 長い不況に大震災が重なって、いま就職の大氷河期。学生から選べる状況にはない。「だが、どんな会社であれ職種であれ、採用されたということは、その人は見込まれたわけです。となれば、好きでない仕事でも、好きなことができるようになるまでとどまってがんばるべきでしょうね。成功は努力3割、運7割です」。先輩の片鱗をチラリとのぞかせた。
 現在、会社のアイテム数は約70点。全国約80店舗で扱ってくれている。ジェトロを通し中国の見本市などへ出展したほか、最近になってスイス、アメリカ、シンガポールなどでも販売を開始しており、これからは子ども、主婦層を対象にしたベルトやくつなど身の回り品へ広げる構想を練っている。「内容を充実させ、販路を世界へ拡大していきたい」と意気込む。将来の夢は大きい。