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2010.4.15

豊田 耕作理事長 祝辞
(瀬戸熊 修 常務理事代読)


「建学の精神」を噛み締めよう
式に華を添えた吹奏楽部による演奏
式に華を添えた吹奏楽部による演奏
 緑輝く季節を目前にした4月、この良き日に入学式を迎えられた新入生の皆さん、おめでとうございます。ご父母、ご家族の皆様にも心からお慶びを申し上げます。
 初めに私は、諸君が入学された千葉工業大学とはどのような大学であるのか、お話ししたいと思います。本学は、現存する私立の工業大学としては、我が国で一番古い伝統ある大学です。1942年・昭和17年に創立されました。まさに第二次世界大戦の最中に誕生したわけであります。創立時の名称は「興亜工業大学」でした。
 アジアを興すと書く「興亜」という名称は、当時、政府機関、あるいは国の政策に沿って作られた団体、行事などに使われました。文部省から「興亜」という校名の使用を許されたということは、本学が単なる私立の工業大学ではなく、官立と並び立つ国の期待を担った重要な工業大学であったことを意味しております。
 設立の趣旨に、「志操堅固、学理及び技術に、優秀なる工業人材の育成」と掲げられ、これは建学の精神である「師弟同行」「自学自律」に受け継がれております。「師弟同行」は、教員と学生が一体となって学問に携わるという、きめ細かい指導体制のことであります。もう一つは「自学自律」です。自ら学び・思索し・創造し・解決する力を養うという創造性豊かな人材の育成を目指すものであります。諸君は、この建学の精神をよく噛み締め、本学で学ぶ誇りを忘れずに、勉学に励んでいただきたいと思います。
先輩たちが築いた世界
 さて、10日ほど前、約2千人の先輩方が元気よく社会へ旅立っていきました。本学の卒業生は約7万人で、多くの先輩方が社会の第一線で活躍しております。その先輩方の技術力、独創的なアイデア、モノ作りへの熱意が、日本の経済発展を支えてまいりました。そして、「メイド・イン・ジャパン」を信頼のブランドに仕立て上げました。資源のないわが国は、引き続き諸外国にまねのできない、独自の世界を築いていかなければなりません。
  かつての日本の姿を見るかのように、今日では中国・韓国はじめアジアの国々の飛躍がみられます。これには、国策として科学技術振興の取組が重要な役割を果たしております。世界的な科学技術競争の中で高いレベルを有する日本が今、求められています。諸君が、日本の科学技術の継承者となることを大いに期待しております。
  諸君に大きな期待を寄せる一方、本学は、諸君の勉学の環境をきちんと整えるべく、キャンパスの再開発を進行させています。平成20年3月、芝園キャンパスに12号館、同年8月には津田沼キャンパスに20階建ての新1号棟がそれぞれ竣工しました。この3月には、諸君を待っていたかのように津田沼キャンパスの新学生ホール棟が完成しております。
  さらに新1号棟と同じ規模の建物がもう1棟、来年3月の竣工を目指しております。これが完成しますと津田沼に20階建てのツインタワーがそびえ立つことになります。
「若者に夢」本学の研究
 次に、本学の研究プロジェクトについて紹介させていただきます。本学では「若者に科学技術で夢を」のかけ声と共に、いくつかの研究プロジェクトを立ち上げてきました。まず平成7年に「鯨生態観測衛星プロジェクト」を立ち上げ、小型衛星、通称「観太くん」が、平成14年に日本の大学で初めてHIIAロケットにより打ち上げられ、軌道に乗せることに成功しました。
 次いで平成15年、国の研究機関であります科学技術振興機構のロボット開発チーム7人全員を本学が招き、最先端のロボット開発を行う「未来ロボット技術研究センター」を設立しました。
 そして昨年4月、宇宙に存在するであろう生命を求めて、壮大な研究・実践に挑戦する、国内の大学では初の「惑星探査研究センター」を創設しました。諸君もこれらの研究プロジェクトの成果を、楽しみに見守ってください。
追求すべき人間の幸福
 ところで、先月のチリ大地震や近年の大規模自然災害、社会生活の安全を脅かす重大事故の発生に伴い、安心・安全な社会を作る技術への関心が高まっております。環境問題、食料問題、エネルギー問題、資源問題などは地球規模での課題であり、自然科学から人文・社会科学にわたる広範な科学技術の役割は欠かせません。
 私は、経済や教育、文化を含め、すべての学問とその応用は人間の幸福のためにあると思っております。
 とりわけ私たちが関わる技術は、地球上のすべての人間が平和で安全に日々を送るために存在するのではないでしょうか。
 諸君は大学でいろいろなことを学びますが、常に「それは人間にとって、人間の幸福にとってどうなのか」と自らに質問してほしいと思います。
 諸君は本学で多くの友達と出会うことでありましょう。互いに切磋琢磨し、強い知的好奇心を持って積極的にものごとにチャレンジしてください。このような経験を通して、実践力、コミュニケーション能力、持続力、適応力などの人間力をぜひとも養っていただきたいと思います。
 最後になりますが、諸君が千葉工業大学に入学して「よかった」といえるような大学生活を送られることを願って、私の祝辞といたします。

新入生インタビュー(50音順)


伊藤 大輔君 どの道にも進めるよう

伊藤 大輔君

(情報ネットワーク学科)
小熊 真澄君 電気関係の資格取得も

小熊 真澄君

(電気電子情報工学科)
 情報ネットワークに関する知識を学び、卒業後はセキュリティー関係の仕事に就きたいと思います。授業以外にも多くのことに挑戦します。コンピュータ関係や教員資格取得にも力を入れ、どんな道にも進めるように備えておきたい。
 学長先生の講話で、大学の様子がよく分かりました。
 高校が工業系だったこともあって、この学科に興味がありました。大学では機械関係を中心に学びたい。電気工事士など電気関係の資格取得にも挑戦したいと考えています。楽しいキャンパスライフになるようがんばりたい。
 将来はこの学科の特性を生かした就職をしたいと考えています。
       
齋木 真実さん まず大いに友達つくる

齋木 真実さん

(未来ロボティクス学科)
佐藤 洵君 歴史のある大学で夢を

佐藤 洵君

(建築都市環境学科)
 いくつかの大学から資料を取り寄せ、ロボットに興味が湧きました。ロボットについて幅広く学び、卒業後はそれを生かせる職業に就きたいと思います。知っている人が誰もいないので、まずはいろいろな人と仲良くなりたい。
 初めてのひとり暮らしの不安もありますが、がんばります。
 高校の担任の先生に何校か薦められましたが、自宅から通え、かつ歴史のある大学であることを知り、入学しました。中学の時から建築に興味はありましたが、ここならやりたいことができそうです。
 将来はインテリアデザイナーなどの仕事に就きたいという夢を持っています。
       
藤巻 果織さん いろいろと挑戦したい

藤巻 果織さん

(機械サイエンス学科)
李 h琳さん 中国に帰り教育の道へ

李 琳さん

(プロジェクトマネジメント学科)
 機械に興味があったので、この学科を選びました。勉強でがんばるのはもちろんですが、サークル活動や海外留学など、4年間いろいろなことにチャレンジし、ほんとうにやりたいことを見つけようと思います。
 不安もありますが、高校の先輩がこの大学に在学しているので心強いです。
 協定校の吉林大学(中国)から来ました。今まで学んできたマスコミ関係の知識を生かして、新たなプロジェクトを成功させたい。卒業後は母国に帰り、教育者として学生の勉強方法の向上に努めたいと思っています。
 幸い同じ学部で同じ寮に先輩がいますので、心強い限りです。