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2008.6.15

小原常任理事 日本建築学会名誉会員に


久我元教授も同時に“木の文化”普及に貢献
名誉会員に推挙され喜びを語る小原常任理事
名誉会員に推挙され
喜びを語る小原常任理事
 本学の小原二郎常任理事が日本建築学会(斎藤公男会長)の名誉会員に推挙された。同時に久我新一本学元教授も推挙された。推挙式は5月30日の同学会通常総会の席上で行われた。
 日本建築学会は1886(明治19)年に創立され、会員は現在3万7千人。名誉会員は、「会の目的達成に多大の貢献をした者、または建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達に功績顕著な者」に贈られる称号で、今回で71人となる。
 小原常任理事は、千葉大学工学部長を経て、1982年から本学工業経営学科教授を務めてきた。“木の文化”の研究と普及活動ではわが国の第一人者で、2006年には農林水産省や国土緑化推進機構などが主催する「みどりの文化賞」を受賞した。また同年、「建築人間工学・インテリア計画の確立と発展および『木の文化』の普及に関する一連の功績」で「日本建築学会大賞」も受賞している。
 久我元教授は、1991年から本学建築学科教授を務めた。1962年に「騒音の伝播性状とその建築的処理方法に関する研究」で建築学会賞を受賞している。
 推挙式では今回名誉会員に推挙された11人を代表して小原常任理事があいさつ、「学会に入会した時は富士の裾野に立ったようで、正面に富士山がそびえ、頂上の雲の上に名誉会員の方々の姿が光り輝いていました・・・」と切り出し、今回の推挙に感謝の言葉を述べた。

本学チームが準優勝 個人でも4、7、10位に


全関東学生ダートトライアル
エンジン不調を巧みなコーナリングでカバー 団体準優勝。壇上の石井君(右から3人目)
エンジン不調を巧みなコーナリングでカバー 団体準優勝。壇上の石井君(右から3人目)
 自動車運転の技術やマナーを競う「平成20年度全関東学生ダートトライアル選手権」が5月25日、栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須で開かれ、本学自動車部(窪井健人主将・機械サイエンス学科2年)は団体で準優勝、個人でも4位、7位、10位の成績を収めた。
 この競技は、未舗装路に設定されたコースを各大学3人の選手がそれぞれ2回走り、タイムを競う。今回は全日本学生自動車連盟関東支部加盟の15大学が参加した。
 本学チームは石井良治君(プロジェクトマネジメント学科4年)、高井将士君(機械サイエンス学科3年)、窪井君の3人。
 午前のレースは前日からの雨で路面がぬかるみ、各大学とも走行に苦しんだが、本学チームは早稲田大学にわずかに遅れ2位。路面が乾き出した午後は各大学とも善戦。本学チームはエンジン不調の中、巧みなコーナリングで、個人では4位(高井)、7位(石井)、10位(窪井)と上位に食い込んだが、団体成績では早稲田に及ばず2位だった。
 レース後、本学チームの選手たちは「優勝できず悔しい結果になったが、荒れた路面状況や、エンジン不調でも他大学にひけをとらない走りができた。全日本戦では優勝を目指したい」と意気込みを見せた。
 全日本大会は8月上旬に行われる。
 本学自動車部は昨年、一昨年と2年連続、全関東学生ダートトライアル選手権で団体優勝。また一昨年には全日本総合杯・男子団体、全日本学生ダートトライアル選手権団体・個人で優勝している。

大田准教授が博士(工学)号取得


「創造とは何か」 独自手法で解明
大田准教授
大田准教授
 創造性豊かな人材の育成、創造性教育プログラム開発のため「創造とは何か」という問題に独自の手法で挑戦した、本学経営情報科学科の大田勉准教授が論文「創造性に関する研究」で博士(工学)号を取得した。
 ビジネス社会が採用にあたり学生に求める能力の一つに創造力がある。また、多くの教育機関の教育目標の一つに創造力のある人材育成がある。
 大田准教授は、創造に関する諸説を比較検討、創造とは「新しい情報の生産」と定義し、「新しい情報の生産は、二つの既知の情報の結合から生まれる」と仮定した。この考えを独自の「創造の方程式」で検証、多くの創造事例を解析した結果、対象としたすべての分野で、この方程式が成立することを確認した。対象事例は、従来の研究では創造とはいえないような、日常の仕事上の小さな創意工夫にも焦点をあて研究した。
 大田准教授はまた、創造事例解析の結果、「創造のきっかけ」の重要さを確認、きっかけKと他の情報との関係による分類を「K分類」とした。「K分類」と、二つの既知情報との関係をさまざまに解析して個人の創造プロセスの解明と体系化を試みた。その結果、「創造の出発点は、きっかけを思いつくこと」という結論に達した。
 本論文は、「創造とは何か」という教育の最も本質的な課題を「創造の方程式」という独創的な手法で解明、また、創造プロセスの「K分類」などきわめてユニークな体系化に成功している。これらは、創造力育成プログラム開発にも有益な知見であり、価値がある集積として評価された。

本岡学長が基調講演


「コラボ産学官」初の通常総会
講演する本岡学長
講演する本岡学長
 産学官連携を進める活動組織「コラボ産学官」千葉支部の第1回通常総会が5月14日、千葉市のホテルで開かれ、本岡誠一本学学長が基調講演を行った。
 コラボ産学官は、産業界、教育研究機関、行政などの連携を強化して中小企業の育成と地域経済の活性化を図る目的で組織され、千葉支部は2007年に設立された。
 本岡学長の講演テーマは「大学としての中小企業に関する地域連携及び地域貢献について」。
 学長はまず、本学が工業大学の特色を生かして産官学連携を積極的に進めてきたと前置き。さらに05年10月1日、産官学連携の窓口や知的財産管理業務などを集約して「産官学融合センター」を発足させたことを説明した。
 このセンターは、本学の戦略的学術研究を主に手がけている付属総合研究所、産学連携促進を図る技術・情報センター、公開講座などの生涯学習支援委員会という既存3組織を統括し、知的財産管理、技術移転事務を視野に入れた対外活動の窓口を一元化したもの。千葉工大の社会的貢献の取り組み全般を調整主導する狙いもある。
 最近は、本学の研究成果(技術シーズ)を地域に還元するため、OBで組織する千葉工業大学技術士会がコーディネート役となったベンチャービジネスの創成も期待されるようになってきた。
 学長はまた、地域活性化のための「クラスター構築」を呼びかけた。地域クラスターは、地理的に近い企業群、大学、産業支援機関、行政などが地域の魅力を誘因として集まるもので、技術や知識が水平ネットワークを通じて迅速に流通し、活発なイノベーションが引き起こされるという。
 経済産業省の産業クラスター計画では、第一段階としてネットワークの形成支援、次にネットワーク高度化支援を掲げており、学長は「各機関の水平ネットワークは地域クラスターの絶対必要条件」と述べた。
 学長はさらに「大学は地域クラスターの新たな核となる“拠点組織”の役割を果たすべきだ」と強調した。
 千葉工大はすでに数多くの受託開発、受託研究や事業を行っており、さらに在学生の研究や卒業研究を機に行われた地域貢献もある。学長はこれらの実例を紹介、「今後とも地域経済の向上に貢献したい」と締めくくった。