増え続けている訪日外国人観光客を成田空港からもっと房総半島に呼び込もうと町を挙げて取り組んでいる夷隅郡御宿町に、デザイン科学科・長尾徹教授の研究室が協力して成果を挙げている。
　長尾研は昨年度、御宿町側の要請で日本語のほか英語・中国語・韓国語・スペイン語をそれぞれ使った５種類の観光案内パンフレットと、町内６カ所の観光看板、町入り口を飾る大型看板をデザイン・制作した。
　観光案内パンフレットは御宿の海と山、歴史、お寺と神社、四季のイベント、芸術・文化などを紹介したもので裏面は分かりやすいタウンマップになっている。大きさは新聞２ページよりひと回り大きいＡ２版。日本語版と外国語版のデザインは皆同じで、町民と外国人観光客が日本語版とそれぞれの外国語版を照らし合わせながら意思疎通を図れるよう工夫が凝らされている。
　町中心部の６カ所には特殊なアプリをインストールしたスマートフォンをかざすと、観光パンフに使われている４つの外国語による案内情報が見られる看板が設置されている。長尾研はこの看板の地図もデザインした。
　また国道１２８号線沿いには「WELCOM TO ONJUKU ようこそ、おんじゅくへ！」と、同町のゆるキャラ「エビアミーゴ」が迎える大きな観光誘導看板が設置されている。これらはいずれも長尾研の修士２年の５人（全員女子）がデザイン・制作した。
　同町ではこのほか新たな特産品として売り出しを図っているパッションフルーツや魚の粕漬け、ふるさと納税者に贈る米のラベルにも長尾研の学部生や大学院生のデザイン作品を活用している。
　本学と御宿町は一昨年６月、包括的連携協定を締結している。

　5月23日に開催された関東工学教育協会理事会において、小宮学長が会長に選任され就任した。関東工学教育協会は、戦後の復興には工業の再建・発展が不可欠との認識から、昭和27年連合軍総司令部（GHQ）の指導により米国工学教育協会（ASEE）に倣い設立され、日本の工学教育の振興と産業の発展に寄与している。小宮学長は、会長就任後に同協会の定時総会で挨拶し、これからの工学教育には従来以上に密な産官学の連携が不可欠、高大接続やグローバル化をも見据えて教育機関と産業界は勿論、文部科学省や経済産業省等とも連携し、欧米に負けない工学教育システムの構築を目指したい、と述べた。

　第21回文化の祭典（実行委員長・足立恭介さん＝情報ネットワーク学科４年）が５月29日（日）、津田沼キャンパスでにぎやかに開催された。
　今年度のキャッチコピーは「文化団欒」。
　建学の精神「世界文化に技術で貢献する」でうたうように、文化と技術は人の営みの象徴――この祭典が家族・知人の団欒で話題を呼び、文化や技術に親しみを持ってほしいと願った。
　工学分野、文芸、音楽、アニメなど各サークルが、展示や演奏を展開、特設ステージで各種イベントを盛り上げ、訪れた市民約２５００人とともに祭典を楽しんだ。
　人気が集まったのはスポーツスタッキングやキネクト（体感型ゲームシステム）など親子で楽しめる「体験」型のイベントや、恒例のマンガ研究会による似顔絵サービス、鉄道倶楽部のミニ電車乗車体験、陶芸研究会の作品販売などで、来場者たちの行列ができた。