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2014.12.15

西村君が敢闘賞


JASMA 毛利ポスターセッションで
 機械サイエンス学科4年の西村大君(小澤俊平研究室=写真中央)が、日本マイクログラビティ応用学会(JASMA)第28回学術講演会(11月26〜28日、兵庫県姫路市・イーグレひめじで開催)の毛利ポスターセッションで、敢闘賞を受賞し、宇宙飛行士・毛利衛さん(日本科学未来館館長=同左)から賞状を手渡された。
 発表論文は「雰囲気酸素分圧依存性を考慮した銅および銀融体の無容器表面張力測定」。
 高温金属融体の表面張力を、電磁力で空中に浮遊させた状態で、より正確に測定する方法について、重力の影響を検証しようと、国際宇宙ステーションでの日欧米共同実験が計画されている。それには表面張力を低下させる雰囲気酸素分圧の影響を明らかにしておく必要がある。
 西村君は、温度と雰囲気酸素分圧を同時に制御し、それが銅および銀融体の表面張力に及ぼす影響を考察。その結果、酸素分圧が比較的高い場合には、温度上昇に伴い表面張力が一旦上昇し、その後低下していくブーメラン型の温度依存性を、高融点材料で初めて実測し、表面張力を温度と酸素活量の関数として記述した。
 西村君は「受賞できてとてもうれしい。予備的な地上実験だったため、微小重力実験に結び付くストーリー構成を考えるのに苦労しました」と語った。
 JASMAは1983年設立。宇宙などの微小重力環境を利用した実験科学について研究交流している。

滝口さんに特別賞


お菓子を包む「華〜hana〜」
 デザイン科学科2年の滝口亜美さん=写真=が富山デザインフェア2014「パッケージデザインコンペティション〈お菓子を包む〉」(10月3〜5日、富山市・富山市民プラザで)に応募した作品「華〜hana〜」が、特別賞の一つ・株式会社斉藤製作所賞に選ばれた。
 作品=同下=は、和紙を花のように丸く折り、中に色とりどりの金平糖が入っている。赤や紫のゴムひもで結び、竹のピンセット付き。金平糖はピンセットで取り出して食べ、空になったパッケージは小物入れなどに使える。
 滝口さんは以前からコンペに出品したいと思っていたが、納得いくアイデアが浮ばなかった。ある時、店にあった照明を見て、「このかたちを生かせるかもしれない」と思い、一から考案した。
 今回の受賞で「日頃から、さまざまなモノたちに目を向けながら過ごしていきたい」と改めて思ったという。「コンペでの受賞は初めてなので、とてもうれしかった。これを自信に、デザイン活動へつなげていきたい。上野義雪教授のご指導のおかげです。とても感謝しています」と語った。
 富山デザインフェアは今年18回目。次世代を担う全国のデザイン系学生から、感性あふれるパッケージデザインを公募するとともに、有名デザイナーによるセミナーなどを開いている。
 今年は応募140点の中から各賞計14作品が決まり、期間中、富山市民プラザのアートギャラリーで展示された。

池田さん長谷川さん優秀講演賞


沿岸域学会で研究発表
受賞した長谷川さん(左)と池田さん
受賞した長谷川さん(左)と池田さん
 日本沿岸域学会の「研究討論会2014」(7月25、26日、静岡市の東海大海洋学部で開催)で、生命環境科学科・五明美智男研究室の池田真啓さん(生命環境科学専攻修士2年)と長谷川満加さん(同1年)が研究発表し、2人とも優秀講演賞に決まった。11月7日に公表された。

池田さん

 「ビオトープの構造要素を用いた沿岸域環境教育の試み」を発表。
 自然環境復元の目標とされてきたビオトープは、最近では身近な生物の生息場作りとしても親しまれている。
 池田さんは、学科の3年次カリキュラム実験で展開されている、ビオトープの構造要素を用いた環境観察プログラムを、沿岸域の環境観察に応用した結果を報告した。
 内容は、2012、13年度学生実験データの分析▽人工物と自然が混在する場所での観察指標の提案▽沿岸域環境の重要性を学ぶための学外環境学習への適用――などで、手法の応用で工夫。津田沼キャンパスと葛西海浜、葛西臨海両公園の観察を経験し比較することで、生物生息場の構造要素の多様性、分布面積の重要性を学べるように改善できたという。
 池田さんは、短い発表時間で、どう説明するかに悩んだといい「初めて賞をいただき、とてもうれしい」と語った。

長谷川さん

 「内海離島のネットワーク指標と社会環境との関連性分析」を発表。
 瀬戸内など、本土に挟まれた内海には多くの島が密集。各島を結ぶネットワークは航路や架橋、経済情勢などの影響で、さまざまに変容する。
 長谷川さんは尾道―今治間の、しまなみ海道地域と瀬戸内国際芸術祭地域を対象に、架橋などによるネットワークの変化と、各島の社会環境や地域資源の関連性について報告した。
 離島各港と航路、就航頻度▽架橋(全面、部分、架橋なし)と航路数との関係▽芸術祭開催前後の観光客の増減――など、データ収集に苦労。ネットワーク指標の有効性や、架橋・芸術祭開催によるネットワークの変化と社会環境との関連性が確認できたという。
 長谷川さんは「初めての学会発表で賞をいただき大変うれしい。より研究に励みたい」と感想を語った。
 日本沿岸域学会は、沿岸域に関心を抱く産官学と人文・理工系の研究者らが集まり、望ましい沿岸域を創出するための研究、討論を行う場となっている。

日本サッカー協会会長ら「CIT Brains」視察


 日本サッカー協会の大仁邦彌会長と、川淵三郎最高顧問(首都大学東京理事長)が10月30日、ロボカップ世界大会ヒューマノイドリーグKid size(部門)で世界一になった本学チーム「CIT Brains」を視察するため、新習志野校舎を訪れた。小宮一仁学長らが出迎えた。
 大仁会長らは、未来ロボティクス学科の南方英明准教授から説明を受けた後、実際にロボットがシュートやキーパーをする姿を見物。「僕が生きている間は(人間が)まだ勝てる。ただ、ロボットが自分で判断して動けるのはすごい」と感心していた。
 その後、11号館の原子炉建屋階段を模した原発対応ロボット開発現場を訪れ、未来ロボット技術研究センターの西村健志研究員から説明を受け、操縦も体験した。
 日本サッカー協会からは、日本代表選手全員(10月招集)がサインしたユニホーム=写真左下=を贈られ、チームの学生たちは歓声を挙げていた。サイン入りユニホームは津田沼校舎1号館1階入試広報課前で公開中。