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2014.11.15

坂本教授が特別講演


「産官学連携」を千葉科学大で
 本学産官学連携センター運営委員会の委員長を務める坂本幸弘・機械サイエンス学科教授が10月18日、銚子商工会議所で開かれた千葉科学大(略称・CIS)のフォーラムに招かれ、本学の産官学連携活動について特別講演した=写真
 同大学の赤木靖春学長に「千葉県内で我々の大先輩である千葉工大が取り組んでいる地域との交流についてお教えいただきたい」と促されて登壇した坂本教授は、まず本学の産官学連携活動は、主に産業界や公的機関と本学とで構成する「千葉工大産官学連携協議会」を中心として行われていること、同協議会の運営は本学の教員と職員で構成する学内組織「産官学連携センター」と「産官学融合課」が担当していることを紹介した。
 続いて坂本研究室が取り組んでいる「天然ガスからのダイヤモンド気相合成」や「千葉県産ヨウ素を用いた機能性表面の創製」などの研究を具体例として挙げ、研究費の助成を受けたり、企業と共同で事業化を検討したりしていること。
 特に今年8月には、坂本研究室と(株)トーテックが連携して行っている「チタンのポーラス状酸化膜の形成」についての研究が、千葉銀行の「ちばぎん・研究開発助成制度2014」の対象に選定されたほか、13年には本学と民間企業との共同研究3件が同助成制度の対象として助成金を交付されたことなど、本学の産官学連携活動の現況を報告した。
 千葉科学大は銚子市の積極的な誘致活動で2004年に開設された。薬学部、危機管理学部、看護学部の3学部8学科がある。岡山理科大、倉敷芸術科学大は姉妹校。10月18日のフォーラムには同大関係者のほか、越川信一・銚子市長や宮内智・銚子商工会議所会頭をはじめ地元関係者も大勢出席していた。

3学科生が融合演習介護支援ロボづくり


SI‐LAB中間発表会
 未来ロボティクス学科とデザイン科学科、プロジェクトマネジメント学科所属の学生の混成チームが、今年度の新学期始めから挑戦してきた高齢者介護のためのロボット作りの中間発表会が10月2日、津田沼キャンパス6号館で開かれた=写真
 発表したのは、いずれも3学科から2人ずつ参加した計6人で構成する1チームPDR(リーダー=PM/佐藤峻規君)2チームHEY!SNS(PM/芝崎和君)3チームOKR48(PM/松本果歩さん)の3チーム。
 それぞれのチームが発表したロボットは――。
【チームPDR】
介護施設で暮らす高齢者に、小学生との会話(コミュニケーション)と音楽(ミュージック)で団欒を提供する「COMMURO」(コメロ)。小学校の理科の時間に組み立てる工作キットとし、総合学習の時間に児童が持って施設を訪問する
【チームHEY!SNS】
介護施設を利用するお年寄り同士のありのままの会話を自然に録音・活字化して、プログラムで分析し、個々のお年寄りに最適な理想の介護法づくりに役立てる、可愛い小鳥の形をした「聞きトリくん」
【チームOKR48】
介護施設利用者の最大の楽しみである入浴を安全に行い、かつ職員の負担も軽減できるよう、体温・脈拍・血圧測定を簡単に行い、湯温・入浴時間の管理もできる、河童の形をした入浴支援ロボット「KP(けぇぴぃ)」
 3チームは来年1月15日予定の最終発表会へ、さらにアイデアを練り上げ、自分たちのロボットの完成度を高めていく。
 会場に当てられた613教室には、未来ロボティクス学科などの学生や大学院生のほか、現役の介護士や介護施設運営者、介護機器メーカーの社員なども来場し、介護問題についての大学の取り組みに対する社会の関心の高さを表していた。
★こんな学生欲しい
 「SI‐LAB(サイラブ)」(Social Implementation of robotics=ロボティクス技術の社会実装)と名付けられたこの演習の目的は、未来ロボティクス、デザイン科学、プロジェクトマネジメントの3学科が融合し、それぞれの専門を生かすことで、さまざまな専門技術や知識が必要な実社会での問題解決力を、学生諸君に身につけてもらうことだ。
 参加学生には、まず「現場の声を徹底して聞く」ことが求められる。その中から現場が求めているものを発見して「アイデア」を出し、それに基づいて「製品を企画」し、「モック(模型)の開発とブラッシュアップ」、さらに「ビジネスモデルの作成」までを視野に入れている。
 本学の学部・学科構成の特色と強みを最大限に生かした千葉工大ならではのPBL(Project‐Based Learning)であり、参加学生にはそれぞれの学科の履修単位が与えられる。
 未来ロボティクス学科の太田祐介教授をプロジェクト筆頭責任者とし、デザイン科学科から佐藤弘喜教授、安藤昌也准教授、プロジェクトマネジメント学科から久保裕史教授、五百井俊宏教授、さらに未来ロボット技術研究センター(fuRo)の平井成興副所長と富山健研究員、未来ロボティクス学科の卒業生でベンチャー企業経営者の宇井吉美さんが指導陣に加わっている。本学総合研究所の教育研究助成金の受給プロジェクトだ。
 中間発表の会場で配布されたアンケートの中には「こんな教育を受けた学生なら、ぜひほしい」という回答もあった。

助成研究57件 報告会


学生と質疑、展示方式で
 本学の研究助成に採択された研究課題や、外部からの獲得資金による研究成果を一堂に集めて、ポスターセッション方式で公開する附属総合研究所主催の研究活動報告会が10月9日、津田沼校舎2号館低層棟3階の大教室で開かれた=写真
 参加したのは、文部科学省の科学研究費補助金などの公的資金や、学内の教育研究助成金など各種の助成を受けて行われた57件の研究成果。それぞれの分野で最先端をいく研究ばかりで、文字通り「千葉工大の活力」を象徴するイベント。
 昨年までは学内の研究シーズを企業関係者や公的機関に公開する産官学連携に主眼が置かれていたが、今回は学部の学生の来場を積極的に呼びかけた。このため、従来は研究費目別に並べていた展示を、学生がより親しみを感じられるよう学科別展示に変更。ポスターの前で教員と学生が熱いディスカッションを繰り広げていた。
 学科別展示数は、生命環境科学科12件▽電気電子情報工学科10件▽教育センター(工)10件▽機械サイエンス学科6件▽プロジェクトマネジメント学科5件▽経営情報科学科4件など。
 今年9月に本学と産学官連携活動の活性化と高度専門技術者を育成するための業務連携協定を締結した東京都立産業技術研究センターも特別ブースを設けて、来場者に事業内容などをPRしていた。
河合剛太・附属総合研究所長の話
学生にとってこの報告会は、千葉工大の多岐にわたる研究活動に触れる絶好の機会であり、教員にとっては、他学科の発表を見ることで共同研究のきっかけをつかんだり、予期しない学生の質問から新たな気づきを得たりすることもあると思う。会場でのディスカッションの輪が日常の教育・研究の場に広がることを期待しています。

発見!未来人


(株)内山アドバンス 総務人事部
五十立 由美さん(いがだて ゆみ)さん
(2013年、生命環境科学科卒)
五十立 由美さん
野球部のみなさんと。後列右から5人目が五十立さん
 在学中の研究は「動的光散乱装置を用いた美容液の粒径評価」。卒業研究中、研究がうまくいかなくて落ち込んだときがありましたが、教授や先輩方、そして研究仲間に支えられました。所属していた研究室はさまざまなイベントがあり、毎日がとても楽しく笑顔が絶えなかったことを思い出します。
 現在は総務人事部に所属しています。1年を通して、会社の各種の行事も担当し、忙しいけれど充実した日々を送っています。これから担当業務が拡大するため、ますます忙しくなっていきますが、一生懸命頑張りたいと思います。入社して2年目を迎え、失敗もたくさんしましたが、くじけずに新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいと思います。
 働いていて感じるのは、社員ひとりひとりがプロ意識をもっていること。会社をさらに良くしていこうという思いがすごく伝わってきます。加えて周りの皆さんから、時に優しく時に厳しく接していただき、私自身の成長のためを思ってくださっていることを実感しています。社員全員がとても温かく、家族のような会社だと思います。
事業内容 生コンクリートの製造・販売。東京湾沿岸を中心に直営8工場、関連会社7工場をもつ。生コン業界初の「ISO9001」、その後「ISO14001」の認証を取得。2020年東京五輪に向けて一層の成長・発展が期待されている。

所在地

〒272−0144 千葉県市川市新井3−6−10