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2013.12.15

“窓に住む家”提案 大塚さん最優秀賞


全日本学生建築コンソーシアム’13
大塚さん(左)とその展示作品 大塚さん(左)とその展示作品
大塚さん(左)とその展示作品
 全国の建築系学生が年1回、住宅設計を競うJACS全日本学生建築コンソーシアム2013年住宅設計コンペ(同コンソーシアム主催、朝日新聞社など後援、約40社協賛)で、建築都市環境学専攻の大塚竜也さん(修士1年=遠藤政樹研究室)の作品が見事、最優秀賞3点の1つに選ばれ、10月23日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた表彰式で表彰状と賞金20万円を授与された。
 今年のテーマは「郊外住宅の新定義」――郊外でマイホームの夢をかなえたものの家族形態が崩れつつある現代に、どんな住宅を提案するか。世帯主の職業がSOHO形態という設定。
 都市の住まいでは、書斎、寝室、子供部屋といったように部屋は機能的に配置されるのが普通。しかし大塚さんは、SOHOのように家に長くとどまる人には窮屈。もっと自由に、と“窓に住む家”を提案した。
 住まいに個室がなく、代わりに窓に奥行きを与える。ドアを開けると土間が広がり、共用のクローゼットから好きな本を持ち、布団を抱えて階段を上り、無数にある窓の中から自分の好きな窓を選んで入っていく。湾曲した外壁に自然を取り込み、窓に時間や季節による変化を与える。
 個室所有をやめれば、住まいは自由になる。窓の景色や街の雰囲気、自分の気持ちで居場所を決める。明日は違うマドで仕事をするのかも知れない――。
 8月に応募が締め切られ、9月の一次審査を経て10月23日、二次審査と表彰式を兼ねた会場で、空間構成に定評のある吉田研介氏、赤松佳珠子氏、建築集団「みかんぐみ」のマニュエル・タルディッツ氏ら審査員が大塚さんの作品を推し、応募約400点の頂点に決まった。
 大塚さんは「昨年は一次審査で落選してしまいましたが、その後、卒業設計、ゼミ活動、インターンシップを通して成長できたと実感でき、大変うれしく思います」と喜びを語った。

西山さんアカシア賞


断熱型熱量計 開発を発表
 本学津田沼キャンパスを会場に開かれた第49回熱測定討論会(10月31日〜11月2日、日本熱測定学会主催、日本化学会・日本薬学会・日本農芸化学会共催)で、生命環境科学専攻の西山枝里さん(修士2年=筑紫格研究室)が、研究成果「トップローディング方式による冷凍機付断熱型熱量計の開発」をポスター発表。優秀と評価され、日本熱測定学会から「アカシア賞(ポスター賞)」を授与された=写真。
 熱量計(カロリーメーター)は物質の微細な温度変化を測定するもので物理・工学系から生化学系まで、あらゆる場面で使われる。従来型の断熱型熱量計は冷却剤に液体ヘリウム、液体窒素を使用。しかし、ヘリウムは世界的に価格が高騰している。
 西山さんらはヘリウムの代わりに、冷凍機を使って試料を冷却する、トップローディング(頂部から試料抜き差し)方式の冷凍機付断熱型熱量計を開発した。
 1カ所ができると、別のところがダメと、なかなか思い通りにいかず、装置が働くまでに長い時間がかかったという。
 西山さんは「受賞は工学部教育センターの筑紫教授(物性化学物理)や研究室の先輩・後輩のおかげ。学会で有名な先生、他大学の研究者とお会いして話すことができ、参加して良かったと思います。大変なことはたくさんありましたが、研究は楽しい」と喜んでいた。
 熱測定討論会は津田沼キャンパス2号館、4号館で、シンポジウム「生体・医薬」「エネルギー・環境」やポスター発表、熱測定関連機器の展示・デモンストレーションなどが行われた。ポスターセッションでは大学や理化学研究所から59件が発表された。

緒方教授に論文賞


火力発電所の配管溶接部
寿命を予測し延ばす研究
 機械サイエンス学科の緒方隆志教授=写真下=が前勤務先・電力中央研究所の同僚2人と共同で発表した論文が、火力原子力発電技術協会(岩谷全啓会長)の論文賞に決定。10月16日、火力原子力発電大会(広島市の広島国際会議場で開催)で表彰された。
 論文は「高クロム鋼長手溶接部のクリープ寿命評価法の開発と検証」と題し、火力発電所の配管の溶接部などの信頼性を高める研究。昨年度の同大会論文集に掲載された。
 石炭火力発電ではCO2排出量を減らすよう、高い発電効率が求められる。国内では、蒸気温度・蒸気圧が極めて高く世界最高水準といわれる超々臨界圧石炭火力発電所を実現しているが、高クロム鋼製ボイラー配管の長手溶接部でクリープ損傷(変形や割れ)が起きやすい。
 緒方教授らは、損傷が蓄積して、き裂が発生するまでの時間(寿命)を予測する新手法を、実験や解析に基づいて提案。実物大の配管長手溶接試験体の内圧クリープ試験を実施し、提案した方法が、き裂発生寿命を精度よく予測することを示した。
 緒方教授は「数年にわたる実験・解析で得られた成果が評価され、光栄です。関係者に感謝したい。国内の原発が停止状態の現在、火力発電所を安定運転する必要性は極めて大きい。提案した寿命評価法の適用を通して、火力発電所の運用の信頼性確保に寄与していきたい」とコメントした。
 火力原子力発電技術協会は1950(昭和25)年に「火力発電研究会」として発足。火力原子力の発電技術について設備改良や保全、材料開発、検査、環境・省エネ対策、規格づくりなどに取り組んでいる。また、協会誌や技術基準書の発刊、火力原子力発電大会の開催などを通して発電技術の普及に取り組んでいる。

師走を彩る


両キャンパスにイルミネーション
 津田沼キャンパスに昨年に続き、巨大なクリスマスツリーが姿を現した。今年はグランドイルミネーションとして、1号館前のグリーンにもミルキーウェーや惑星などが施され、キャンパス内を一層明るく照らしている=写真・左と上。
 キャンパス外周の生垣もクリスマス色に彩られた。在学生が「CITものづくり」の一環として製作・装飾に携わったもの。これらイルミネーションは毎日午後4時30分から午前0時まで点灯する。
 新習志野キャンパスでも、12号館前ロータリーにクリスマスイルミネーションが飾り付けられた=上写真の右下。学生支援イベントの一つとして、集まった在学生たちがミーティングを重ね、全体の完成イメージを話し合い、モチーフなどを針金で作成して完成させた力作。こちらの点灯時間は午後4時30分から夜8時まで。
iPadでクリスマスデコも
  iPad miniのカメラやアプリ機能を利用し、クリスマスにちなんだ物(イルミネーションや教務課前の置物など)を撮影後、写真をデコレーションしてプロジェクター投映するイベントを行っている。
 こちらも公募した学生によるもので、写真撮影&デコレーションしたものを12号館1階のエレベータホールの壁面に投映している=写真。12月24日まで。