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2013.9.15

椎名君に「富士章」


ベンチャースカウト最高位
 ボーイスカウト日本連盟がベンチャースカウト(高校生年代から20歳未満)の最高位に与える「富士章」を、本学の椎名宏太君(生命環境科学科2年)が受章=写真。7月21日、胸に縫い付ける略章を伝達された。
 富士章は米国「イーグルスカウト」、英国「クイーンズスカウト」と並ぶ栄誉ある資格章。
 富士章をとるには▽自覚ある生活設計▽移動キャンプや国際交流など高度な活動をする“アワード”を3つ以上達成▽野営章や救急章を含む技能章を5個以上取得――などが課せられ、ぶ厚い報告書を提出しなければならない。
 椎名君は、第15回日本ジャンボリー(平成22年8月2〜8日、静岡県富士宮市の朝霧高原で開催)などでの国際交流や野外活動、東日本大震災でのボランティア活動――などをこなし、技能賞は炊事、野営、野営管理、救急、釣りの各章を取得した。
 ボーイスカウトは、兄や親戚の影響で幼稚園年長組から始めたといい、所属団でイベントや団本部の手伝いなどのボランティア活動と、毎年のキャンプでの技術訓練やハイキングをしてきた。
 スカウト経験でよかったのは「東日本大震災でのボランティア活動を通じ、被災者の心情に触れる機会があったこと」。また、「日本ジャンボリーで国内や世界各国のスカウトに出会え、友好を図れたこと」という。
 今後も、スカウト人口や富士章受章者を増やす助力をしたいという。
 ボーイスカウトは1907年、イギリスで発祥。野外活動を通じ、社会で活躍する人を育てることを目的とする世界最大の青少年運動で、現在、世界161カ国・地域の約3千万人が加盟している。

田中さん若手奨励賞


窒化炭素の潤滑性を発表
実験装置の前で受賞を喜ぶ田中さん
実験装置の前で受賞を喜ぶ田中さん
 新奇材料合成などを研究する田中一平さん(工学専攻博士後期課程1年=坂本幸弘研究室)が日本材料科学会の平成25年度学術講演大会(6月8日、工学院大学新宿キャンパスで開催)ポスター発表部門で「若手奨励賞」を受賞した。
 発表テーマは「炭窒化物系材料に対する窒化炭素のトライボロジー特性」について。
 窒化炭素は、緊密な窒素―炭素結合から理論計算上、ダイヤモンド以上に硬くなると期待される未来材料。無機材料でありながら弾性変形するので、摩耗量がゼロに近い“ゼロ摩耗材”としての可能性も持ち、研究競争が繰り広げられている。
 田中さんは坂本教授の研究室で、薄膜を形成する気相法のひとつ・マイクロ波プラズマCVD(化学気相成長法)によって窒化炭素を合成。相手材に炭化チタンを用い、窒化炭素の優れたトライボロジー特性(潤滑性)を明らかにした。
 ポスターは分かりやすいように図や文字を調整し、講演では簡潔な説明を心掛けたという。
 田中さんは「このような賞を頂けて光栄です。坂本教授をはじめ同期、後輩の皆さんの助言と協力のおかげです」と語った。
 日本材料学会は機械、金属、化学、電気、建設、土木、農学など多岐にわたる分野を包括した材料学に関する学会で、若手奨励賞は今回、学会発足50周年を記念して設けられた。

JSEEアウォード


山口教授らの団体、表彰
「工学教育の充実に貢献」
 経営情報科学科の山口佳和教授らが活動している関東工学教育協会産学協議会(前部会長=小口幸成・元神奈川工科大学長)が6月14日、芝浦工業大豊洲キャンパスで開かれた公益社団法人日本工学教育協会(JSEE=会長・松本洋一郎東京大副学長)の定時総会で、同協会が今年から設けた会員表彰制度「JSEEアウォード」の第1回受賞団体として表彰された。
 日本工学教育協会は、工学教育を研究し技術者の育成を図っている。山口教授の専門分野は産学連携や科学技術政策で、関東産学協議会設立時(2008年)から委員を務め現在、副部会長。企業、大学、高専と連携して技術者教育の在り方を検討し、教育の充実に努めてきた。
 その活動ぶりと、日本工学教育協会の発展に尽くした功績が大きいと認められた。
 山口教授=写真=は「協議会の活動が認められ、大変喜ばしい。日本の国際競争力を高め、地球規模の問題の解決に貢献できる技術者を育て上げる教育に、引き続き携わっていきたい」と語った。
 JSEEアウォードは今年、個人・団体16件が選ばれた。今後も貢献した人々を年1回選定することにしている。

今年も全員資格を取得


金融・越山研
 子どもやスポーツマンの事故を「用具の安全性」から研究している金融・経営リスク科学科・越山健彦教授の研究室は、今年も7月29日、習志野市消防本部(同市鷺沼)で、新ゼミ生7人が普通救命講習(II種)を受講し、全員が合格、資格を取得した=写真。
 ゼミ長の長尾侑樹君(3年)は「用具は安全でも、装着の仕方などで危ない場合があり、用具に頼り切るべきではない。予防の意識が大切で、また、危険が及んだ時には、まず周りの人による救命が必要」――そのために研究室は毎年、受講を心掛けている。
 今夏は猛暑と大雨被害で、心肺停止者の救急搬送が続出。初動の救命の大切さが印象付けられた。一方、子どもは、安全と思われる用具を使っても、心因性ショックで危険に陥る事例があるといい、同研究室の林拓弥君(4年)や大住勇人君(3年)たちは、遊具で遊ぶ幼児たちの行動について幼稚園などでフィールド調査を始めた。

救命


建都・不動さんが指導役
救命方法を指導する不動さん(円内も)
救命方法を指導する不動さん(円内も)    
 消防本部認定「応急手当普及員」の資格を持つ不動愛さん(建築都市環境学科1年)は学業の一方、ボランティアとして習志野市消防本部主催の救命講習会に協力。企業社員や学生、未就学児を持つ父母を相手に救命方法の指導に励んでいる。
 不動さんは、人や社会のために出来ることは――と考え、千葉経済大学附属高校在学中に市消防本部の普通救命講習1〜3と上級救命講習を計18時間受けた。さらに普及員を目指して▽成人・小児・乳児の心肺蘇生法▽AED▽気道異物除去▽救命講習指導要領――など実技と指導法を計24時間学び、実技・筆記試験を経て、日本赤十字社の救急法指導員に相当する公的資格「応急手当普及員」の認定証を取得した。
 本学に入学後、市民ボランティア「ならしの救命普及市民の会」の一員として、毎月のように開かれる普通救命講習に協力。市消防本部が最も信頼する普及員の1人となっている。
 不動さんは7月13日(土)、新習志野キャンパス4号館大アリーナで本学体育会1、2年生300人を対象に開かれた普通救命講習にも普及員として参加。習志野市消防本部警防課の宮崎消防司令や“本学初代普及員”の越山健彦教授(金融・経営リスク科学科)、頑強な消防隊員たちとともに、心肺蘇生法やAEDの操作を人形を使ってやさしく、しっかり指導した。
 不動さんは「短い講習時間内に、どう話せば正確に伝わるか、工夫するのが楽しい。受講してよかった、と喜んで下さると、やりがいを感じます」と話し「無料なので、1人でも多くの方に受講してほしい」と呼び掛けている。