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2011.2.15

石原准教授に芦原義信賞


建築と環境 見事に融合
日本建築美術工芸協会
「気持ちを新たに」と、意欲を燃やす石原健也准教授。左は芦原初子夫人
「気持ちを新たに」と、意欲を燃やす石原健也准教授。
左は芦原初子夫人
 日本建築美術工芸協会の平成22年度「芦原義信賞」を石原健也・建築都市環境学科准教授が受賞し、昨年12月7日、東京都港区芝の建築会館ホールで表彰された。
 同賞は会創立者の建築家、芦原義信氏(文化勲章受章者、1919〜2003)の業績を記念して設けられ、優れた創造的環境と景観の形成に寄与した未来ある新人に贈られる。
 石原准教授の対象作品は神奈川県箱根町に建てられた「『DNP(大日本印刷)創発の杜』箱根研修センター第2及び管理棟」。
 内容は、箱根の自然公園内約1ヘクタールの敷地に研修センターと管理棟を設計、ランドスケープデザイナーとの協働で建築創造と自然景観・生態系の再生を同時にめざしたもの。
 選考委員からは「施設の複雑な内容の機能を、敷地の傾斜地に埋め込む作業は、非常に大変だったと思われるが、パズル解きのような計画のもとで行われた完成度の高い建築とランドスケープデザインとの連携は見事である」と講評された。
芦原先生の名書を読んで建築家をめざす
 石原准教授は「学生時代、芦原先生の名書『街並みの美学』を読んで建築から環境を考える視点を学び、本気で建築家をめざそうと思いました。受賞は先生からもう一度背中を押された思いです。気持ちを新たに今後も学生たちと一緒に考え、プロジェクトに取り組んでいきたいと思います」と意欲を燃やしている。
受賞作品「DNP創発の杜」
受賞作品「DNP創発の杜」

大学院の2人にグッドプレゼンテーション賞


日本デザイン学会企画大会
「大変うれしく、光栄に思います」と語る石田さん(左)、鈴木さん
「大変うれしく、光栄に思います」と語る石田さん、鈴木さん
 茨城県つくば市の筑波大学総合交流会館で昨年11月13日に行われた「日本デザイン学会秋季企画大会」で本学大学院工学研究科デザイン科学専攻修士1年の石田貴昭さん(山崎和彦研究室)と鈴木寛之さん(佐藤弘喜研究室)の2人にグッドプレゼンテーション賞が贈られた。
 日本学術会議認定の学術団体である「日本デザイン学会」(青木弘行会長)は1954年の設立以来、会員相互の協力によってデザインに関する学術的研究の進歩発展に寄与することを目的に活動している。
意思疎通にスケッチ活用 石田さん
 石田さんの発表テーマは「デザインプロセスにおけるコミュニケーションのためのスケッチの活用」。
 デザイン制作活動では一緒に作業する仲間との意思疎通を円滑に行うことが大切だが、意識を共有する際にスケッチを活用することで、より素早く、深い理解が可能になると考えた。
グラフィック配置と認知 鈴木さん
 鈴木さんの発表テーマは「グラフィックの配置と認知の関係性についての研究」。
 アイマークレコーダーという視線解析装置を主に使い、多くのグラフィックを一度に見せた時に視線はどのように動くのか、どのグラフィックが印象に残るのか、それは見た順番によるものか、刺激のあるグラフィックなのかといった実験を行い、結果を報告した。
 いずれも「発表のプレゼンテーションが優れている」と認められた。
 石田さんは「研究内容を簡潔に分かりやすく伝えることを心がけたのですが、このような賞を頂くことは初めてで、大変うれしく思います」と話す。
 鈴木さんは「無我夢中でしゃべった結果、自分自身予想もしなかった賞に驚き、同時に光栄に思います」と語った。

菊地さんに「産学連携」埼玉賞


論文と当日プレゼンテーション
高齢者の孤独死防止システム
賞状を手に喜びを語る菊地さん
賞状を手に喜びを語る菊地さん
 さいたま市中央区の新都心ビジネス交流プラザで、昨年10月23日に開かれた第6回懸賞付学生論文(NPO法人さいたま起業家協議会主催)の発表会&表彰式で、大学院電気電子情報工学専攻修士1年、菊地修平さん(関弘和研究室)が産学連携支援センター埼玉賞を受賞した。
 同学生論文は、情報・IT応用、ものづくり、エコ(環境・エネルギー・資源)など7つのテーマに沿って、斬新で独創性豊かなアイデアあふれる論文、ビジネスアイデアを公募、コンテストを行っている。
 応募の中から書面審査で4人(団体)に絞り込み、当日、企業家たちを前にした発表会プレゼンテーションの審査を加味して入賞作を決める。
全方位カメラで非日常行動検出
 菊地さんは健康・長寿のテーマで高齢者の孤独死防止を目的とした論文「全方位カメラを用いた高齢者非日常行動検出システム」を発表した。
 全方位カメラをひとり暮らしの高齢者の部屋に設置し、撮影画像から被写体の人物領域を取り出し、その領域面積を特徴量として得て波形化するもの。
 さらに、コヒーレンス関数を用いて波形自体の比較を行い、動作ごとの類似度を取得することによって、何らかの異常(非日常)があった場合に、素早く検出できるという。
 菊地さんは、「賞以上に、他大学の学生や起業家の前での発表やその後の交流会が、大変よい経験になりました」と感想を話していた。

田口君(情報ネット)に特別賞


精巧な「はんだづけ」評価
電子工作コンテスト
厚生労働大臣賞に続く受賞を喜ぶ田口優希君と作品(右) 厚生労働大臣賞に続く受賞を喜ぶ田口優希君と作品(右)
厚生労働大臣賞に続く受賞を喜ぶ田口優希君と作品
 首都圏各地に電子工作カフェが次々誕生し、電子工作ブーム到来ともいわれた2010年。暮れの12月5日、東京・お台場の東京カルチャーセンターで「電子工作コンテスト2010」(株式会社インフロー主催)の審査が行われ、応募151作品の中から情報ネットワーク学科2年、田口優希君が特別賞に選ばれた。
 受賞作品はタイトル「MINTIA Display」。市販されている清涼菓子ミンティア(MINTIA)の薄型ケース(縦約5cm・横約8cm・厚さ6mm)の中に、外見をできるだけ変えないようにしてグラフィック液晶を納めた。
 ディスプレイはUSBでPCと接続して、スライドショーやTwitterビューア、ニコニコ動画ランキングビューア、Pixivスライドショー、アニメーションを表示できる機能を備えている。
 精巧な“はんだづけ”、つまり細かさや技術そして努力が評価され、コンテストの特別協賛団体の名にちなんだ特別賞「はんだづけカフェ賞」が贈られた。
 田口君は「小さなケースに液晶と電子部品を組み込むため部品の選定や配線に苦労しました」と振り返りながら、第5回若年者ものづくり競技大会(昨年8月)ITPCネットワークサポート職種部門での厚生労働大臣賞に続く受賞を喜んでいた。