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2010.11.15

「イノベーション・ジャパン2010・大学見本市」


水と油を“仲良し”に
ナノテク分野で出展 矢沢准教授
多くの入場者が訪れた展示会場
多くの入場者が訪れた展示会場
 国内大学の最先端技術と産業界とのマッチングイベントとして今年7回目を迎えた「イノベーション・ジャパン2010―大学見本市」が9月29日から3日間、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれ、環境、新エネルギーなど8分野の中で、本学から「ナノテクノロジー」分野に生命環境科学科の矢沢勇樹准教授が「水と油を安定混合させるナノテクノロジー」を出展した。
 独立行政法人・科学技術振興機構と同・新エネルギー・産業技術総合開発機構の主催。「大学ゾーン」と「企業・大学発ベンチャー企業ゾーン」「イベント・説明会ゾーン」に分かれ、410を超える研究成果が一堂に会した。展示会場には期間中、1万7853人の入場者が訪れた。
 矢沢准教授の研究は、株式会社オーラテック(江口俊彦社長)との共同開発により水を媒体として現在、常識とされている混合技術や製品の製造技術手法を革新。独自の流体ナノテクノロジーを応用することで工業的実用化を可能にした。
 10月1日に行われたショート・プレゼンテーションで矢沢准教授は「水と油は本当は仲が良い」と説明。来場者の注目を浴びた。期間中の展示会場への来場者は139人(120社)にのぼり、企業や研究機関からの高い評価と支持を得た。
 今回の研究について矢沢准教授は「常識とされる概念や技術も、丁寧に組み立て直すことで全く異なる発見につながる。今回の水と油の安定混合がその一例。単に応用面先行ではなく、そのメカニズムを解明することが私たち大学の使命と考えている」と話している。

「夢ナビライブ」に矢沢准教授


砂漠化対策の決め手を披露
全国の大学教員がミニ講義
 全国の国公私立大学が参加し、100人の教員がミニ講義を行う「夢ナビライブ」(株式会社フロムページ主催)が7月15日、東京国際フォーラムで初めて開かれ、本学から生命環境科学科の矢沢勇樹准教授が「地球の砂漠化対策の決め手はこれだ!」のテーマで講義した。高校生約40人が熱心に聴講した=写真。
 矢沢准教授の専門は「砂漠緑化」と「未利用資源・地球環境」。地球温暖化の鍵はズバリ、地球上で一番炭素の含有量の多い「土」で、土にいかに炭素を閉じ込められるかが温暖化防止につながるという。
 日ごろから「環境問題を憂鬱に考えるのではなく、面白いという観点から豊かな発想力でとらえることが大事」と力説している矢沢准教授。
 今回のミニ講義でもスライドを利用しながら「身近でありながら、あまり必要性を感じさせない土が、実は地球環境にとって重要な役割を担っている。土の荒廃(砂漠化→沙漠化)は地球温暖化だけでなく、水環境の汚染や食糧問題、さらに伝染病蔓延にも直結する。私たちの沙漠化対策の取り組みは、月や火星の沙漠での宇宙農業に夢膨らんでいます」と解説した。
 なお、夢ナビに関する情報はURL(http://yumenavi.info/index_pc.aspx)に掲載されている。

アクセス一日2万件も


まちかど情報も大評判
千葉国体の水泳競技公式サイト
手前が鶴田君
手前が鶴田君
 「ゆめ半島千葉国体」の会期前競技として習志野市の千葉県国際総合水泳場で開かれた水泳競技(9月8日〜17日)。この公式サイトの制作から管理・運営まで本学の学生が担当、一日当たりアクセス数が2万件に達し大評判を呼んだ。
 制作の依頼を習志野市から受けた本学では、2年前から情報ネットワーク学科・中村直人研究室が準備。水泳競技の開催日程・観戦ガイドからニュース&トピックス、谷津バラ園など習志野まちかど情報まで、きめ細かいサイトに仕上げた。
 競技期間中は県国際総合水泳場近くの研修施設に待機した研究室の学生7人がプリントアウトされた公式記録を大会本部まで走って取りに行く。別の学生が手際よくスキャナーでパソコンに取り込み、速報した。シンクロナイズドスイミングでは採点からサイトアップまで10分という早業。
 中村研の鶴田修平君は「速報に合った仕掛けを導入、取材、動画撮影など全てやったので夜遅くなることもあった。でもアクセスがみるみる上昇し、気合が入った」。また、中村教授は「学生がリレーを続け、今年担当の学生たちはアンカーとしてラストを飾ってくれた。感激しています」と話している。
 この公式ページは現在も更新されており、鶴田君たちの千葉国体はまだまだ続いている。

飯田教授が特許出願技術出展


両耳の信号で音響方向推定
パテントソリューションフェア
本学の展示の様子
本学の展示の様子
 さまざまな特許技術の展示とプレゼンテーションを通じて、企業の新たな事業展開に結びつけることを狙いとした「パテントソリューションフェア2010」が10月13日から3日間、東京・有明の東京国際展示場で開かれ、本学からは電気電子情報工学科の飯田一博教授が「両耳入力信号による音響方向の自動推定方法」という特許出願技術を先端分野に出展した。
 特許庁、関東経済産業局、広域関東圏知的財産戦略本部の主催。広域関東圏知的財産戦略本部は特許などの知的財産の創造・保護・活用を促進することによって茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、長野、山梨、静岡の1都10県にある中小企業の“元気”を増進させることを目的に、2005年5月に設置された。
 「ここから始まる日本経済復活作戦」と銘打った今年のフェアでは「環境・エネルギー」「安全・安心社会」「先端分野」の3つのテーマを設定した。
 飯田教授によると、3次元方向の音源方向を推定するためには従来、4つ以上のマイクロホンが必要だった。しかし、今回の特許出願技術では,ヒトの音像定位メカニズムを利用することによって、ヒト型ロボットの両耳の入り口に設置した2つのマイクロホンによって推定することが可能となった。

「エコメッセinちば」に出展


他団体から交流申し入れも
村上研とくるくる研
「くるくる研究会」の活動紹介
「くるくる研究会」の活動紹介
村上研のメンバー
村上研のメンバー
 市民・企業・行政の連携で「持続可能な社会の実現」を目指す「エコメッセ2010inちば」が9月5日、千葉市の幕張メッセ国際展示場で開かれ、100を超す団体・組織が参加して1万1000人を上回る入場者を記録した。
 昨年度から、千葉県内の大学・高校の、環境に関する団体や研究室も出展できるようになり、本学からは生命環境科学科生物圏環境研究室(村上和仁准教授)と、リサイクル自転車のレンタルサービスで地球温暖化防止活動を行っている「くるくる研究会」(代表・西泰経営情報科学科教授)が出展した。
 15回目となる今年のテーマは「エコメッセで暮らしを変えよう〜地球温暖化と生物多様性〜」。村上研究室は環境教育部門に日本大学理工学部の2つの研究室と合同で環境保全技術研究に関するブースを出展した。村上研究室ではバイオ・エコエンジニアリングを活用した環境保全、特に微生物生態学の立場から水環境の保全研究に取り組んでおり、県内各地の具体的な環境評価やマイクロコズムを用いた環境影響評価の研究などを発表した。
 一方、循環型社会部門に参加した「くるくる研究会」は自転車の分解整備の過程が分かるように実物の修理工具、活動の紹介パネルなどを展示。環境問題に興味・関心のある地域の中学生、高校生の中からは「大学生になったら、ぜひ、この活動に参加してみたい」といった声も寄せられた。
 県内の環境活動団体との交流も深まり、複数の団体から交流の申し入れもあった。

柔道世界一・・・・無敗
OB鬼柳さんが便り


今後も経営と「二足の草鞋」
活躍が期待される鬼柳氏(左)
活躍が期待される鬼柳氏
 昭和37年に電気工学科を卒業、アイオー精密を経営する一方、柔道家としても活躍している鬼柳一宇氏(70歳)から本学に「便り」が届いた。同氏は5月にハンガリーで行われた国際柔道連盟主催グランドマスターズ選手権大会のM9(60キロ級)で優勝。「4月高段者大会、5月ハンガリー大会、8月カナダ大会、9月新潟大会および東北高段者大会の全てに参加し無敗」だという。
 便りは「リーマンショック後の新興国台頭で、製造業の主戦場は中国、インド、タイ、マレーシアなどに移り激戦中。命の続く限り柔道家と二足のを履き続けます」と意欲を語っている。