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2010.7.15

マグネシウムデザインコンテストで複数受賞


 6月10日、社団法人日本マグネシウム協会主催「第19回学生マグネシウムデザインコンテスト」の表彰式が東京銀座で行われ、本学からデザイン科学科3年の中神多栄子さんら5人の作品が2席に、同学科3年の青木祐香里さんがデザイン賞に輝いた。両作品ともに2年後期の授業にて考案されたもの。
中神さんら5人が2席に
成長に合わせて“変身” 幼児の歩行器
受賞した中神多栄子さん(前列左)ら5人と青木祐香里さん(同右) 2席に輝いた歩行器「テクテク3」
受賞した中神多栄子さん(前列左)ら5人と青木祐香里さん(同右) 2席に輝いた歩行器「テクテク3」
 このコンテストは、ジャンルを特定せず、「軽量」や「高い剛性」などの特性を持つマグネシウム材料を使ってデザインや機能を競うもの。
 グループは中神さんのほかに多田有里加さん、中川美沙さん、長沼紗代さん、三村斐香さんの4人。表彰式では、協会の相良達一郎会長から賞状が授与された。
 グループが製作したのは「テクテク3」と名付けられた、子どもの成長に合わせて長期間使用できる歩行器。つかまり立ちができないつかまり歩き一人歩きができる―の3段階に対応してパーツを組み替える。では机・椅子・おもちゃ箱を載せる台車に変身する。
 マグネシウム材料を使うのが初めてだった中神さんらは、まずその特性を理解することから始めた。軽くて運びやすい、強度が高く衝撃に強い、プラスチックよりリサイクルしやすく環境にやさしい、振動吸収性があり幼児にやさしい・・・など。
 その上で、酸化防止用の塗布、木材のはめ込み、安全面の工夫に加えパイプの中にものを入れて透き通った金属音が出るようにした。そうすることで幼児の居場所が常に把握できる。さらに歩行器は通常短期間しか使われないことに注目、幼児が歩きだしても使えるようにした。この点が審査員に高く評価された。また、企業から製品化の引き合いもあった。
 中神さんは「受賞は、上原勝教授と城戸太司先生(助手)のご指導の賜物です。これをきっかけに、さらに製作に励みます」と話している。
青木さんにデザイン賞
温かみのある金属しおり、飾りやブローチにも使える
 デザイン賞の青木さんが製作したのは「光沢と曲線のある、しおり」=写真。マグネシウム合金を利用した「本に挟むしおり」で、こちらも材料の軽さと強度に注目、金属光沢の硬いイメージにやわらな曲線を配して、温かみを作りだした。
 発想の原点は、「紙のしおりはペラペラして持ちづらい、破損しやすいし、飛ばされる。これらをマグネシウム合金で改善したい」ということ。金属の硬いイメージに対し、植物のつると女性の髪のしなやかに流れるイメージを組み合わせた曲線をデザインにした。
 苦労したのは、合金のパイプを1枚の板に切り開く作業と、叩きすぎるとひびが入ること。また、研磨すると光沢が出る一方で細かいキズが目立ってしまうので、確認しながら研磨を行った。このしおりは、そのまま置いて飾れ、ブローチとしても使えるという。
 青木さんは「今回は、しおりだったが、ほかにどんな加工ができるか考えていきたい」と語っている。

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