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2008.12.15

生命環境の院生らベストイメージ賞


可視化した見えない分子の解析に成功
―日本バイオイメージング学会―
(前列左から)斎藤さん、櫻本さん、小林君(後列左から)山本さん、橋本准教授
(前列左から)斎藤さん、櫻本さん、小林君
(後列左から)山本さん、橋本准教授
 人間の体内に異物が取り込まれて分解される現象を顕微鏡画像をデータ化し、それを解析した本学生命環境科学専攻の院生らの功績が認められ、日本バイオイメージング学会から「ベストイメージ・カールツアイス賞」を授与された。11月1日、千葉大学で授与式が行われたが、この研究成果はヒトの免疫システムが崩壊する仕組みを理解するカギになるものと期待されている。
 受賞したのは、櫻本昌輝さん(生命環境科学専攻修士1年)、山本紘士さん(同修士2年)、斎藤諒さん(同修士2年)、小林尚樹君(生命環境科学科4年)、橋本香保子准教授(生命環境科学科)の5人。発表題目は「抗原提示細胞における分泌輸送分子と抗原および細胞小器官の局在」。
 グループは共焦点レーザー顕微鏡を使って、異物が体内に侵入した時に生体防御の手段として最初の免疫反応を引き起こす細胞の中に異物が取り込まれる現象(貪食作用)を解析。その結果、食物アレルギーの原因の一つである卵の白身の成分(卵白アルブミン)が、細胞内を移動するメカニズムなどを示す画像を捉え、解析結果を櫻本さんが口頭発表した。顕微鏡画像やポスターの質についても高い支持を受けた。
 斎藤さんらは「肉眼では見えない分子を可視化するといった、最先端の技術を用いて結果を出せたことに大変満足しています」と受賞を喜ぶ。
 橋本准教授は「レーザー顕微鏡を使いこなし、学生が自発的に創意工夫が出来るようになり、生体防御の仕組みを可視的に解析できるようになったのは学生たちにも研究室にも大きな進歩です」と話している。

<電動車椅子の操作向上に関する研究>


村上さん、産学連携埼玉賞
開発した電動車椅子に乗って操作を説明する村上さん
開発した電動車椅子に乗って操作を説明する村上さん
 お年寄りや体の不自由な人が、電動車椅子を動かす方向を楽に操作出来る方法を研究した村上博紀さん(電気電子情報工学専攻修士1年・関弘和研究室)に「産学連携支援センター埼玉賞」が授与された。
 研究論文は「ファジイ制御を用いた電動パワーアシスト車椅子の操作向上に関する研究」。村上さんは高齢者や身体障害者の移動をバックアップする電動パワーアシスト車椅子の操作に関し、方向転換など操作性の向上にファジイ制御を用いた。
 ファジィ制御は、従来の制御技術にない新しい制御「知的制御」の一つ。知的制御は、機械がより人間に使いやすいものとして、より高度化された制御技術を目指しているが、ファジイ制御によって左右の車輪を漕いだ力から操作者の行きたい方向を推定。その方向に行くようにアシスト車椅子が補助することでどんな道でも思い通りに行けるようにした。村上さんは「企業家のみなさんの前で発表でき、良い経験になりました」と話している。

初代王者に木村君


早大ロボット大会などで好成績
木村君
木村君
 未来ロボティクス学科3年の木村俊彦君(総合工学研究会部長)が今秋、各地のロボット大会で好成績を挙げた。
 11月3日、早稲田大学大久保キャンパスで開かれた「第1回ロボット大会in早稲田」は、3s以下の2足歩行ロボットによる格闘競技会。大学、社会人など15チームが熱戦を繰り広げた結果、木村君のロボットが見事優勝し、初代王者となった。木村君は「プログラム制御、攻撃モーションをうまく作り込めたのが勝因です」と話している。
 11月1日に法政大学小金井キャンパスで行われた「ロボット大会 法政大学小金井祭」には16人が参加。木村君は準優勝だった。
 10月11、12の両日、パシフィコ横浜展示ホールで開かれたロボット格闘競技大会「第14回ROBO ONE」には114チームが参加。木村君は惜しくも敗退したが、新設の特別賞「デジタルリンク賞」を獲得した。同君は「他チームのロボットが参考になった。話も聞くことが出来たので、とても勉強になった」という。
千種寮に感謝状

消防行政に功績
千種寮が受賞した感謝状
千種寮が受賞した感謝状
 本学学生寮「千種寮」が、消防行政に功績があったとして千葉市消防局から感謝状が贈られた。
 千葉市消防60周年、千葉市防火管理者協議会40周年記念大会の11月19日、千種寮を含む個人4、団体142とともに表彰された。
 千種寮は昭和39年4月11日、第1棟に150人が入寮、現在は4棟となり、男子学生290人が寮生活中だ。

園児120人が大歓声


ロボット操縦などに学生支援
ロボット操縦を体験する園児たち
ロボット操縦を体験する園児たち
 「ワー、動いた。かっわいい!」。船橋市田喜野井の「たきのい幼稚園」の園児約120人を11月19日、津田沼キャンパスに招き、二足歩行ロボットの操縦体験などを楽しんでもらった。
 たきのい幼稚園では、本学デザイン科学科齋藤共永教授の研究室が制作した絵本を園児に見てもらい、感想などを聞いてデータ集めに協力してもらっている。そのお礼を兼ねて、ロボットのデモンストレーションと操縦体験を企画した。
 園児らは幼稚園バス3台に分乗して来校。さっそく新1号棟大教室で二足歩行ロボットのパフォーマンスを見学。じゃんけんで決めた6人が一人30秒ずつ2台のロボットを歓声を上げながら初体験したほか、相撲ロボットなども実際に動かしてみんな興奮気味だった。
 操縦体験には吉山仁晃君、富山和孝君、白田竜二君、羽根田友希君、桐林星河君の学生5人が説明や操縦の手伝いにあたった。