2007.7.15
2面

団体で2連覇 全日本大会出場へ


自動車部 全関東学生ダートトライアル選手権
2連覇達成を喜ぶ本学のドライバーとスタッフ
2連覇達成を喜ぶ本学のドライバーとスタッフ
 自動車運転の技術やマナーを競う「平成19年度全関東学生ダートトライアル選手権大会」が6月24日、栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須で開催され、本学自動車部は団体で昨年に続き優勝、また個人では2、3、6位を占めた。
 この競技は、未舗装路に設定されたコースを、各チーム3人の選手がそれぞれ2回走り、タイムを競うもの。今年度は全日本学生自動車連盟関東支部加盟の18大学が参加した。
 全日本大会で団体2連覇を成し遂げている本学は他を寄せ付けず、堂々の優勝。
 個人では、大野浩一君(機械サイエンス学科4年)が準優勝、続いて石井良治君(プロジェクトマネジメント学科3年)が3位、高井将士君(機械サイエンス学科3年)が6位に入った。団体の準優勝は早稲田大学、3位は東海大学だった。
 なお今年度から、この大会と「自動車運転競技選手権」「ジムカーナ選手権」の3大会のポイントが「全関東総合杯」の対象となる。8月5日、九州三井オートスポーツランドで開かれる全日本での本学の活躍が期待される。
コーナーでは高度なテクニックを披露   個人戦の表彰を受ける大野君(左端)、石井君(左から3人目)、高井君(右端)
コーナーでは高度なテクニックを披露  

個人戦の表彰を受ける大野君(左端)、
石井君(左から3人目)、高井君(右端)

全関東学生ジムカーナ選手権
本学は総合3位


個人の部で大野君5位
発走直前の点検作業も真剣に・・・
発走直前の点検作業も真剣に・・・
 「平成19年度全関東学生ジムカーナ選手権大会」が5月26日、千葉県の浅間台スポーツランドで行われ、本学自動車部(石井良治君、斉藤亮一君、大野浩一君)は男子団体の部で総合3位の成績を収めた。
 個人の部では「エースだからがんばる」と語っていた大野君が5位に入った。チームは8月25、26日に鈴鹿で開かれる全日本大会に出場する。
 ジムカーナは、舗装された路面を1台ずつ走行し、スラロームなどでタイムを競うモータースポーツ。今回は優勝した中央大学など22校が参加した。

「隅田川再生」の市民団体に日本水大賞「奨励賞」


島准教授らの広範な活動を評価
喜びを語る島准教授
喜びを語る島准教授
 本学の島正之准教授(建築都市環境学科)が会長を務める「隅田川市民交流実行委員会」が、「第9回日本水大賞」(日本水大賞委員会主催)の奨励賞を受賞した。隅田川市民交流実行委員会は、「白魚が棲み、子供たちが水辺で遊び泳げる清流『隅田川』再生」を目的に、現在約280人が参加している市民団体。
 今回の受賞は、20年以上の長期にわたり、隅田川市民サミットの開催、機関紙や情報誌の刊行・出版、地域の歴史・文化の研究や水域の各種環境調査など、幅広い活動内容を継続してきたことが評価された。今後の発展も期待されている。
 授賞式は6月1日に東京渋谷の国際連合大学「ウ・タントホール」で行われ、隅田川市民交流委員会の糸井守幹事長が表彰を受けた。
 今回の受賞について島会長は「1985年以来、隅田川の望ましい姿について啓発提言をしてきたが、この運動が評価されてうれしい」と喜びを語っていた。

招待講師の講義
小野晋也衆議院議員 「人間・ロボット共生社会論」(2)


良きロボットを作り 良き社会を作ろう
 工学部未来ロボティクス学科「ロボティクス概論I」の小野晋也衆議院議員による講義「人間・ロボット共生社会論」2回目は、5月21日に1、2年生を対象に行われた。
 この日は、共生社会の政策課題や思想について具体論が展開された。
望まれるロボット介護
小野議員の講義を熱心に聴く学生たち
小野議員の講義を熱心に聴く学生たち
 スクリーンにイラスト紙芝居「介護ロボット誕生物語」が映し出される。日本は昨年、65歳以上の高齢者が20%を超えた。介護を必要とする高齢者も2025年には520万人と予測される。画面には、面倒を見る側が倒れている様子が映される。一方、介護を受ける側も、家族に負担をかけていることが心苦しく、ホームヘルパーを頼むにも時間や仕事内容が限られていて、不自由はまぬがれない。
 そこで、気兼ねせずに自由に頼める人がいつもそばにいてくれたらと願う。介護者も被介護者も、ロボット介護を望んでいるというわけだ。
 ロボット参入には反対の声もあった。「機械に人を介護させるような非人間的なことはできない」と。新しい技術や製品が開発されたときは常に心配や警戒の声が出る。しかし、ロボットが安心して活用できるようになれば、本人も家族も人間らしく暮らせるはずである。大きな問題は費用で、ロボット1台数億円では問題外。作る側は、1万台を超える需要があれば1台500万円で実用化できるという。使う家庭側には、月に1万円ぐらいなら使ってみたいという声が多い。
 スクリーンにはマジシャンが登場。箱に1万円を入れると500万円のロボットが飛び出す仕掛け。マジックの種明かしは「介護保険制度」だという。家庭が月1万円を払えば10倍のサービスが受けられるから、ロボットの耐用年数を5年とすれば500万円を超すお金が生まれる。
 こんな方法で導入すれば、次第にロボットが普及し、2015年には10兆円産業になる(ロボット政策推進議員連盟の目標)と予想される。小野氏は、介護ロボットのように「日常生活の中で人を助け、人と共に歩むロボット」を「Social Robot」と呼び「Industrial Robot」と対比させており、21世紀にはこの「社会的ロボット」が大きく発展すると期待している。
「ロボット法」必要に
“10億兆円産業”を説く小野議員

“10兆円産業”を説く小野議員

 人間の良きパートナーとして活躍するロボットの行動規範を、小野氏は「Social Robot 3原則」として提案する。それは
 (1)ロボットは人間を見捨てることがあってはならない。
 (2)人間同士の触れ合いを妨げてはならない。
 (3)人間の希望を汲み取り最も良い行動をせねばならない――である。
 これはSF作家アイザック・アシモフの「ロボット3原則」((1)人間に危害を加えてはならない(2)人間の命令に従わなくてはならない(3)ロボットは自らの存在を守らなくてはならない)を補足するもの。社会秩序を乱さないために、さらに細かなルールを定める必要があり、いずれ「ロボット法」が準備されることになるだろうという。
 「ロボットは人間と同様に空間を移動する。悪用する者にどう対処するのか」という学生の質問に小野氏は「技術の進歩を促すと同時に、人間の心、思想の問題(ロボット・リテラシー)として解決していく必要がある」と述べた。
 最後に、人間・ロボット共生社会で最も重要と思われる「思想的アプローチ」について史上の人物の言葉を引用して語った。
 <1>孫子「彼を知り己を知らば百戦殆(あや)うからず」
 <2>易経「君子は豹変す」
 <3>荻生徂徠『太平策』「人ヲ用ユル道ハ其ノ長所ヲ取リテ短所ヲ構ハヌ事也」
 <4>ゲーテ『親和力』「愚者と賢者はともに害がない。半分の愚者と半分の賢者がいちばん危惧である」
 <5>ショーペンハウアー『幸福のための禁句』「われわれ各個人は、他人のうちに己れを写す鏡を持っている」
 以上の話を通じ小野氏は、ロボットを研究し、作ることは究極的に「人間を知ること」「人間どう生きるか」に行き着くと述べた。「良きロボットを作ってほしい、そして良き社会を作ってほしい」――小野氏の結論である。
*参考図書(小野氏の著書)
『夢出せ!知恵出せ!元気出せ!』(ヒューマンフォレスト)
『ロボット発想オモチャ箱』(オーム社)(終わり)


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