2007.7.15
1面

2007ロボカップ世界大会(米国・アトランタ)


本学レスキューロボが準優勝
フィールド内を探索するレスキューロボット「ケナフ」
フィールド内を探索するレスキューロボット「ケナフ」
 2007ロボカップ世界大会は、米国アトランタで7月1日〜8日に開催され、本学は災害時の救助を行うレスキューロボット・リーグで準優勝した。また、過酷な環境下で行われるモビリティチャレンジ部門では2位以下に大差をつけ優勝した。ヒューマノイドリーグでは、サッカーで決勝進出を逃したものの、キッズ・テクニカルチャレンジ部門で準優勝した。
モビリティチャレンジ部門は大差で優勝

競技後、大健闘をたたえ合う小柳副所長(後列右端)とチームメンバー
競技後、大健闘をたたえ合う
(後列右端)とチームメンバー
 レスキュー・リーグには各国から予選を通過した18チームが参加、日本からは未来ロボット技術研究センター(fuRo)副所長率いる本学はじめ、電気通信大など4チームが出場した。
 競技は被災地を模したフィールドで行われた。体温を持ち、声を上げて泣く子供の姿をした人形や、瓦礫の隙間から振られる手(腕だけ見える)が配置されており、ロボット「ケナフ(Kenaf)」はこれら「被災者」を発見するとともに、その位置を正確に地図上に示すことが求められる。
 予選リーグの上位10チームが決勝リーグへ。決勝はフィールドも大きく25分のミッションを3回行って合計点を競う。本学は世界大会2連覇を経験する強豪だが、今回はタイが優勝した。
 モビリティチャレンジは急坂、階段、瓦礫など通常走行できないような環境を10分間でどれだけ走れるかを競う。本学チームは2回目に7分で完走という記録を出し、圧勝した。今回は35カ国、300チームが参加したといわれる。

ヒューマノイドリーグ


テクニカルチャレンジで準優勝
奮戦中のサッカー試合会場・本学の「CIT Brains and Hajime Robot」
 自律歩行する人型ロボット、ヒューマノイドが活躍する部門には、林原靖男未来ロボティクス学科准教授率いる本学チーム「CIT Brains and Hajime Robot」がサッカー競技に出場、予選リーグで前年1、3位のチームと対戦、2勝1敗1分と善戦したが決勝進出は逃した。
 続くキッズ・テクニカルチャレンジ(80p以下のサイズ)は、障害物回避、8の字ドリブルなど高度な技術を競う競技。本学チームは不利なトップ走行を割り当てられたが、障害物回避で世界最高レベルの15秒を出し、ドリブルでも得点を重ね準優勝を勝ち取った。
 また、ティーンズ・テクニカルチャレンジ(80p以上)では、本学がサポートする「はじめチーム」が3位入賞した。

本学シミュレータコンテンツ
バーレーン王国に完全移植


ユネスコ・ミッションとして今後も世界各国へ
三井田教授らの開発教材を紹介する教育関係者 バーレーンのスタッフに講義する三井田教授
三井田教授らの開発教材を紹介する教育関係者 バーレーンのスタッフに講義する三井田教授
 6月中旬にバーレーン王国のTEV(Training Educational and Vocational Center of Excellence)高度技術センターで、千葉工業大学の保有する「シミュレータを用いたマルチメディア教育教材」の研修と移植のためのワークショップが開催され、大学や工業高校など、バーレーンの理工学教育スタッフ30人に対して約50時間の教育が行われた。 
 これらのシミュレータは、本学情報科学部情報ネットワーク学科三井田惇郎教授・須田宇宙准教授研究室が、長年にわたって開発を続けてきたインタラクティブ対応のマルチメディア教材で、理工学の諸現象を時間伸縮して可視化したり、3D−グラフィクスを用いて精密な表現を可能にすることのできるプログラム約50種類であり、その分野も電子工学、振動解析、情報工学、音響工学と多岐に及んでいる。
 研修を受けた教員スタッフからは「過去のワークショップの中で最も優れている」「すぐに教育の中で使用したい」等の評価が報告され、これを受けたユネスコからは、本学に対する感謝状と引き続きユネスコ・ミッションを引き受けてほしい旨の依頼があった。なお、これらのコンテンツを核にしたeラーニングは、すでに特色GPに認定され、また文部科学大臣賞を受賞している。


全国地域情報産業団体連合会
堂本知事やIT関連経営者300人参加
段差も軽快に上るレスキューロボ
段差も軽快に上るレスキューロボ
 
吉田研究員   小柳副所長   先川原室長
吉田研究員     先川原室長
 6月7日、千葉市内の京成ホテル・ミラマーレで「第29回全国地域情報産業団体連合会(ANIA)総会」が開かれ、本学から未来ロボット技術研究センター(fuRo)の、吉田智章研究員、先川原正浩室長の3人が招かれ、講演とデモンストレーションを行った。総会には全国のIT関連企業経営者約300人が参加、また堂本暁子千葉県知事をはじめ、経済産業省などから来賓50人が出席した。 
 はじめに先川原室長が「次世代ロボット概論」と題してロボット全般について講演。次いでが「レスキューロボットの実用化に向けての取り組み」について、開発の現状、運用面の難しさや問題点などを多くの動画を使って説明した。さらに、人命を全力で守るため、研究・開発者らは「国境無きロボットレスキュー部隊」の創設に向け国際的な協力を行っていることを紹介した。最後に吉田研究員が加わってレスキューロボットのデモンストレーションが行われ、会場からは称賛の拍手が沸き起こった。


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