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技術士制度とは
技術士は、技術士法に基づいて行われる国家試験(技術士二次試験)に合格し、登録した人だけに与えられる名称独占の資格です。技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力を備えていることを国によって認められた技術者であり、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格です。
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技術士・技術士補とは
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技術士の定義
「法定の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者」です。 |
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技術士補の定義
「技術士となるのに必要な技能を修習するため、法定の登録を受け、技術士補の名称を用いて、技術士の業務について技術士を補助する者」です。 |
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技術士・技術士補の現況
技術士の技術部門は全技術を網羅し、21部門からなります。現在、日本の技術士の合計は約5万8千名で、そのうち46%が建設、次いで総合技術監理、上下水道、電気電子、機械の順になっています。
業態別では84%が一般企業に勤務し、約7%は技術コンサルタントとして自営、約9%は官公庁・法人に勤務しています。
技術士補は約1万9千名です。
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技術士・技術士補になるには
年一回行われる技術士試験(一次・二次)に合格し、日本技術士会に登録し、初めてその称号が与えられます。
一次試験に合格して、修習技術者となった者が「技術士補」です。二次試験に合格した者が「技術士」です。
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技術士の職域と業務
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独立したコンサルタント |
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企業内技術者 |
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公務員技術者 |
(4) |
教育・研究者 |
(5) |
知的財産評価者 |
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その他の職域で活躍 |
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技術士の特典
国家認定された技術者として他の国家資格で定める業務上の特典があります。
例えば、建設業の一般建設業および特定建設業における営業所の専任者、建設コンサルタントまたは地質調査業者として国士交通省に登録できる資格者等、その他多数あります。また、他の国家資格を取ろうとする場合、その試験の全部または一部が免除されます。
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技術士の義務・責務
・信用失墜行為の禁止
・秘密保持の義務
・公益確保の責務
・名称表示の場合の義務
・資質向上の責務
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技術士の倫理
2000年の技術士法改正では、技術者の倫理が強く意図されました。
「現代社会において、技術は社会の隅々まで浸透し、多くの便益をもたらし、安全で、豊かな生活を可能とすると同時に、今後の経済社会の発展の基盤として不可欠な存在となっている。しかしながら、一方で、技術は安全問題や環境問題を生じさせる場合もあるなど、技術が社会に及ぼす影響の大きさは、正の効果も負の効果も拡大する傾向にある。したがって、技術にたずさわる者は、実務担当能力を有することはもちろんのこと、社会や公益に対する責任を企業などの活動の前提とする旨の高い職業倫理を備えることが必要である」と述べています。
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期待される技術士の役割
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技術士は、科学技術全般の専門家(例えば医師は健康の専門家、弁護士は法律の専門家)として、広い分野と職域で、科学技術立国実現に向け、その中核となって活躍し、国民から高く評価されています。 |
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21世紀における技術士は、従来からの技術系コンサルタントならびにマネジメント系コンサルタントになるための資格に加え、科学技術全般にわたる技術者群のリーダー、または核となる技術者として期待されています。 |
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