2005.7.15

3面

佐々木さん、優秀プレゼンテーション賞受賞
 
 
第42回 日本伝熱学会シンポジウムで研究発表
マランゴニ対流の発生メカニズムを解明
 

 機械サイエンス専攻博士前期課程2年の佐々木宏衛さん(茂木研究室)が、6月6日から8日まで仙台市国際センターで開催された日本伝熱学会第42回日本伝熱シンポジウムで、「低プラントル数流体液柱マランゴニ対流の遷移挙動」と題した研究発表により、優秀プレゼンテーション賞を受賞した。
 マランゴニ対流は、半導体の製造で使用されるフローティングゾーン法やチョクラルスキー法のように融体の自由表面に温度差が存在すると、表面張力差により発生する対流である。これが発生すると、半導体結晶に成長縞ができて品質が損なわれる。
 今回の佐々木さんの受賞は、このマランゴニ対流の発生メカニズムを半導体と同様の低プラントル数である溶融錫の液柱を用いて、熱電対により温度場を測定することで解明し、とくに振動流の発現を見出したことと、実験結果が数値解析とも良く一致したことが認められたものである。


▲優秀プレゼン賞を受賞する佐々木宏衛さん(右から3人目)
 
 
戸田教授が功労賞受賞
 
 
先駆的研究や技術発展に貢献
第59回 日本セラミックス協会
 
 生命環境科学科の戸田善朝教授が、5月27日に(社)日本セラミックス協会の第80回通常総会で第59回日本セラミックス協会功労賞を受賞した。
 同協会は、構造用セラミックス、生体用セラミックス、機能性セラミックスとその関連分野の科学・技術発展を目的としており、1891年に創設された機関(会員数約6500人)である。
 今回の受賞は、同教授が行っている機能性有色鉱物の色彩制御などの先駆的研究に加え、近年、生体関連分野で技術発展に大きく貢献したことによるもの。
 また、同教授は同協会でセラミックス教育の充実・活性化で委員長、評議員、理事を歴任し、大学等専門教育プログラム認定機構JABEE審査委員など協会の発展への貢献を認められ、2001年には支部振興功績賞を受賞したほか、木付貴司(本学工業化学専攻博士課程後期修了)の共著で優秀論文賞も受賞した。
 
戸田善朝教授
 
 
 
内海講師、論文奨励賞受賞
 
 
独創性、将来性ある若手研究者として
コンクリート工学協会
 
 建築都市環境学科の内海秀幸講師が、5月24日、コンクリート工学協会(長瀧重義会長)より2005年の論文奨励賞を受賞した。論文題目は「セメント硬化体を対象としたガス吸着と水銀圧入法の統一理論」。
 同賞は、同協会から刊行される「コンクリート工学論文集」「コンクリート工学年次論文集」「Journal of Advanced Concrete Technology(ACT)」 に掲載された論文のうち、40歳以下の若手研究者を対象として、独創性、萌芽性および将来性のある優れた研究を行ったと認められるものに授与される。
 今回の受賞対象となった論文は、2003年ならびに2004年に「コンクリート工学年次論文集」に掲載された論文であるが、着想の一部はすでに2001年、同誌に発表された論文をはじめ2002年度の土木学会の応用力学論文集に掲載されており、足掛け5年の研究成果の集大成に対する受賞といえる。
 同研究は、セメント系材料にとどまらず多孔質材料全般の微細構造評価に用いられているガス吸着法と水銀圧入法の測定結果に適用する新たな計測理論を熱力学理論に基づき構築したものであり、これまで不可能であった各試験法で得られた結果に対する同一観点からの比較検討を可能とした。また、未検討であった微細構造測定の厳密かつ統一的な理論導出を行った点に独創性があり、しかも多孔体の微細構造測定という業界で日常的に行われる測定に合理的な計算理論を提供できる萌芽性、将来性に富む研究であることが認められ今回の受賞となった。
 
内海秀幸講師
 
 
 
千種寮が優良危険物取扱事業所の表彰
 
 
千葉県危険物安全協会連合会
 
 
▲千種寮が千葉県から表彰を受ける
 本学の学生寮「千種寮」が(社)千葉県危険物安全協会連合会(宍倉誠三会長)から、優良危険物取扱事業所として表彰を受けた。表彰式は6月10日(金)に「ホテルグリーンタワー千葉」で開かれた第15回千葉県危険物安全大会の席上で行われた。
 表彰の理由は「千種寮の施設は優秀であり、その上、多年にわたって危険物による事故防止のために尽力され、他の模範である」というもの。
 千種寮は、昭和39年4月11日に千葉市花見川区千種町完成、第1期生150人が入寮した。学生寮として現在は4棟になり、男子学生約370人が寮生活を送っている。
 
 
 
坂本講師のアプタマー研究 英国専門誌の表紙飾る
 
 
 ある病因タンパク質に結合するRNAを試験管内で選択することができ、このようなRNAをアプタマーという。アプタマーは、昨年初めて医薬品として米国で認可され、期待されている。
 本学生命環境科学科の坂本泰一講師の研究では、翻訳開始因子 eIF4Aという、癌と関わりがあるタンパク質に結合するアプタマーの立体構造を明らかにした。
 このアプタマーが標的タンパク質に結合する際に2つの部分が同時に必要であり、それらの構造をともに決定したことが認められ、その構造が英国の専門誌「Nucleic Acids Research2月号」の表紙を飾った。
 同研究は、同研究室の河合剛太教授、東京大学医科学研究所の中村義一教授らとの共同研究で、論文題目は「NMR structures of double loops of an RNA aptamer against mammalian initiation factor 4A」。
 坂本講師は「翻訳開始因子 eIF4A に結合する RNA アプタマーの2つのヘアピンループの立体構造をNMR法によって決定した。このアプタマーの2つのヘアピンループは、eIF4A と結合するために特徴的な立体構造を有していることを明らかにしており、アプタマーの立体構造を原子座標レベルで解明することによって、アプタマーを医薬品として高機能化する際に重要な情報が得られた」と研究成果を語った。

坂本泰一講師
 
河合剛太教授
 
▲英国専門誌の表紙
 
 
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