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時間符号スパイキングニューラルネットワークの 発火頻度を低減した学習に成功


酒見悠介 (千葉工業大学 数理工学研究センター 上席研究員/東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN) 連携研究者)、山本かけい(マサチューセッツ工科大学)、細見岳生(NEC)、合原一幸 (東京大学 特別教授・名誉教授/東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN) 副機構長/千葉工業大学 数理工学研究センター 主席研究員)は、脳の情報処理機構を模倣するスパイキングニューラルネットワーク (SNN)※1において、予測精度を保ちながらニューロンの発火頻度を低減する手法を開発した。特に、テンポラルコーディングと呼ばれる発火頻度が極めて少ない情報処理機構において、発火頻度を更に半減させることを実証しました。発火頻度の低減は消費エネルギーの低減をもたらすため、本技術は低電力性が求められるエッジAI※2において今後重要なものになると考えられます。この成果は、2023年12月21日に査読付き国際学術雑誌「Scientific Reports」で公開されました。

※1) スパイキングニューラルネットワーク (SNN)
スパイキングニューロンによって構築されるネットワークであり、脳により近い特性を持つ、スパイクとよばれる二値の短パルス信号による情報処理を行うことができます。スパイキングニューロンは、入力スパイクに依存して膜電位が時間変化し、膜電位が発火閾値を超えるとスパイクを発生し、同時に膜電位がリセットされます。発生したスパイクは、接続された他のニューロンへと伝達されます。
※2) エッジAI
車載システムやロボット上でのAI動作は低レイテンシ性が重要であるため、センサーから得られたデータをその場で処理することが求められ、それを実現する技術をエッジAIと呼びます。エッジAIの技術課題の一つとして高い電力効率が挙げられ、人工知能モデルの軽量化や、専用ハードウェア化が取り組まれています。