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ホーム > Topics/お知らせ > 彬子女王殿下に名誉博士の称号を贈呈

彬子女王殿下に名誉博士の称号を贈呈


 千葉工業大学(学長:伊藤穰一)は、去る10月29日、三笠宮家の彬子女王殿下に対し千葉工業大学名誉博士(※)の称号を贈呈しました。
彬子女王殿下は、英国・オックスフォード大学マートン・コレッジで日本美術を専攻され、2010年に女性皇族で初となる博士号・哲学博士(オックスフォード大学)を取得。その後、日本の伝統文化に触れる機会を若い世代に提供することを目的とした一般社団法人「心游舎」を自ら設立されるとともに、中近東文化センター総裁、日本・トルコ協会総裁、日本プロスキー教師協会総裁、三笠宮記念財団総裁など数々の要職に就かれ、スポーツの振興や文化・芸術の分野で広くご活躍されています。
 本学におかれましては、女王殿下が総裁を務めておられる中近東文化センターの附属アナトリア考古学研究所と、本学地球学研究センターがアナトリア地域を中心とした共同研究を開始したことをきっかけに、2020年4月、同センター主席研究員並びに特別教授にご就任され、これまで、本学の学生に幅広い知識と教養をご教授いただいております。
 今後の本学における教育・研究活動に対し、女王殿下のご寄与は多大であり、名誉博士の称号を贈呈することとなりました。なお、本学における名誉博士の称号贈呈は、彬子女王殿下が初めてとなります。
※)千葉工業大学は令和6年2月に名誉博士の称号を授与する制度を制定しました。これは、学術文化や社会への功績が特に顕著であると認められ、今後、本学の教育研究への寄与が期待される方、また、今まで本学の教育研究に寄与した功績が顕著であると認められる方に贈られるものです。
 名誉博士称号贈呈式は10月29日、津田沼キャンパス1号館20階で挙行され、瀬戸熊修理事長、伊藤穰一学長をはじめ本学役員・役職者など14人が列席し、厳かに執り行われました。開式の時刻に合わせ、千葉工業大学の式服を着用された彬子女王殿下が瀬戸熊理事長の先導で入場されると、列席者全員が拍手で出迎えました。
贈呈式では、伊藤学長が名誉博士記を贈呈し、彬子女王殿下のご研究と功績をたたえました。続いて、名誉博士のフードを贈呈、瀬戸熊理事長から記念品の贈呈が行われました。
 次いで、彬子女王殿下が「私は研究が好きだという思いのみでここまで歩んでまいりました。社会に還元できる研究でもありませんし、評価していただけるような功績もありません。自分の研究はなんと小さなことかと打ちのめされそうになったことも何度もございます。この度名誉博士号を授与頂き、その歩みが決して間違ってはいなかったのだと認めていただけたようで、本当にありがたく、励まされる思いがいたします。(一部抜粋)」とおことば(全文別掲)を述べられました。
 閉式後は、会場を2号館3階大教室に移し、彬子女王殿下名誉博士称号贈呈を記念して講演会を開催しました。同講演会は、本学の教養特別科目である「新文化論」の一コマでもあり、当日は受講生に加え、聴講希望の学生、役員、教職員ら約330名が会場に集まりました。
 『大英博物館の「日本」コレクション』という題目で、約1時間講演いただき、大英博物館の日本美術に関する展示品や、その展示に至るまでの歴史について説明されました。特に、彬子女王殿下の留学生時代の体験については、ユーモアを交えたお話に来場者から笑顔がこぼれるなど、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。


伊藤穰一学長よりコメント
文化交流の推進に尽力され、世界の文化に多大なる影響を与えられている彬子女王殿下には、本学における建学の精神である「世界文化に技術で貢献する」の実現に、これまでと同様に今後もお力添えをしていただけるものと確信しております。この度の栄誉により、女王殿下と本学との関係が一層強化されることを、誠に名誉かつ嬉しく思います。

1号館20階で行われた贈呈式の様子

おことばを述べられる彬子女王殿下

学位を受け取る彬子女王殿下

左から伊藤学長、彬子女王殿下、瀬戸熊理事長

彬子女王殿下 千葉工業大学名誉博士称号贈呈式での「おことば」全文

 このたび、千葉工業大学から初の名誉博士号を授与していただきましたことに、心よりの感謝を申し上げます。千葉工業大学とのご縁は、古代オリエント学者でいらした三笠宮殿下の関わっておられたトルコの遺跡カマンカレホユックが繋いでくれたものです。出土した鉄の分析を千葉工業大学に依頼されたことがきっかけであったかと記憶しております。トルコで瀬戸熊修理事長と松井孝典前学長とお目にかかり、宇宙の話をされたときには、考古学と宇宙?と大変面食らいましたが、何千年も前に宇宙から飛んできた鉄隕石を使って刀を作っていたとは、壮大なスケールのロマンを感じるお話で、とてもわくわくいたしました。カマンで出土した鉄球は人工物であることがわかり、こういった研究が進むことで、今まで分からなかった鉄器文明の起源が判明するかも知れません。三笠宮殿下が鍬入れ式、父が資金集め、私がテープカットと親子3代中近東文化センター総裁として関わらせていただいているカマンを通じて千葉工業大学とご縁を頂きましたことは、殿下方のお導きのように感じております。
 また、習志野は三笠宮殿下が義兵としてお過ごしになった地でもあり、この縁(ゆかり)ある土地で学位を授与いただけますことを大変ありがたく思います。
 私が研究者として、また一社会人として認めていただいたのは、オックスフォード大学で博士号を取得したことであったと思います。とても険しい道でありましたが、それが私にとっては一つの大きなことをやり遂げることができたという自信となり、また原動力となっているように感じております。現在、いくつかの大学での教職、団体の総裁職の任にあたらせていただいておりますが、私の原点は研究であり、この度の名誉博士号授与はそのことに改めて立ち返らせてくれる道しるべとなります。
 私は研究が好きだという思いのみでここまで歩んでまいりました。社会に還元できる研究でもありませんし、評価していただけるような功績もありません。理系の研究者の方たちが、キラキラした目でご自身の研究が社会に及ぼす影響について語られるのを聞きながら、自分の研究はなんと小さなことかと打ちのめされそうになったことも何度もございます。でも、資料調査をしているときのワクワクする気持ち、それを話したときの友人知人の「面白いですね」の一言を大切に研究を続けてまいりました。この度、名誉博士号を授与いただき、その歩みが決して間違っていなかったのだと認めていただけたようで、本当にありがたく、励まされる思いがいたします。
 これまで本当にたくさんの方たちに支えられ、ここまでまいりました。その御恩を忘れることなく、頂いた栄誉に恥じぬよう、これからも一歩ずつ歩んでいきたいと思っております。
 本日はありがとうございました。

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