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挨拶集


平成26年度入学式式辞


4月1日
新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。今年度千葉工業大学は、創立以来最多の43,964人の志願者を集めました。平均競争倍率約4倍という大変な難関を突破し、晴れて千葉工業大学の一員になられ、今日の入学式を迎えられた感慨はひとしおだと思います。また御列席の御父母、御家族、御友人の皆様に対し、心からお祝い申し上げます。桜満開のこのよき日に、才気あふれ前途洋々たる皆さんをお迎え出来たことは、千葉工業大学にとりましても大きな慶びであります。

千葉工業大学は、昭和17年に旧制大学として創立された歴史ある大学です。戦前は官立以外の大学において工学教育を行うことがなかなか認められなかったこともあり、工学部を設置できた私立大学はごく僅かでした。その中でも大学予科3年・本科3年の教育課程を認められたのは、早稲田大学、慶應義塾大学、そして本学、千葉工業大学の3校だけでした。昭和17年6月8日、航空工学科・冶金学科・機械学科の3学科に160名の第1期生が入学して以来、時と共に着実に成長を続け、現在では、3学部11学科及び3研究科修士課程8専攻・博士後期課程3専攻に在校生数約1万人を有する、我が国は勿論、世界的に見ても非常に大きな規模の大学になっています。

本学の建学の精神「世界文化に技術で貢献する」と、教育目標の「広く世界に知識を求める好学心を持つ人材の育成」は、70年以上前に書かれた本学の設立趣意書に基づいて定められています。これらには、共に「世界」という語が使われています。実は、千葉工業大学は世界を目指して創立され、常に世界を意識して発展してきた大学です。

昭和初期、日本の工業技術力は、欧米先進国のそれと比べ大きな遅れをとっていました。当時世界を知り、我が国を代表する先進的なエリート・オピニオンリーダーであった、東久邇宮稔彦王、教育学者の小原國芳、財閥森コンツェルンの森曉、金属工学者の本多光太郎、京都帝国大学総長の小西重直、哲学者の西田幾多郎、作家の武者小路実篤らが、欧米に負けないよう工業技術を発展させるために創立したのが本学です。彼らの理想は、高度な科学技術者を養成し、日本をはじめアジアの諸国を豊かにするというものでした。この理想は、創立時から綿々と受け継がれ、今も千葉工業大学に生き続けています。その結果、グローバル化した現代社会において、本学の重要性は益々高まっています。人々が未来への確かな指針を待ち望んでいる現代社会において、本学は人類の未来を切り拓くための創造性を生み出す源になるものと考えます。今まさに、本学の建学の精神である「世界文化に技術で貢献する」人材が、全世界で求められています。

本日、この場には、学部生の皆さんと大学院生の皆さんがいらっしゃいますが、どちらも、いつも「世界に通用する社会人になる」ということを意識してこれからの大学生活を送って頂きたいと思います。特に、専門性を高め学問と研究を極めるために集まった大学院生の皆さんは、まさに英知の集団と言えます。専門的な知識や語学力そして研究能力をさらに高めることは勿論のこと、弛まず取り組む実行力やリーダーシップを身につけてください。

学部生の皆さんには、これからの4年間で、問題を発見する能力、論理的に考え解決する能力、他人と協力するためのコミュニケーション能力や語学力といった、学力と人間力の徹底した習得を目指して頂きたいと思います。4年間はあっという間に過ぎてしまいます。不要な誘惑に負けず、将来のために主体的に自分を鍛えてください。同時に、かけがえのない友人を作ってください。そして4年後には、グローバル社会を生き抜くための、より強靱な知力と人間力を身につけるために、是非多くの人に大学院に進学して頂きたいと思います。

さて、今日(こんにち)、皆さんは文明が繁栄を謳歌している時代を生きています。現代社会のような、資本主義文明が繁栄する時代が到来した一番の要因は、科学技術の進歩に外なりません。我々人類は、極めて短期間に科学技術を発展させ社会をつくりかえてきました。現代社会では日常生活や社会の隅々に科学技術が浸透しており、我々は好むと好まざるとに関わらず科学技術からの恩恵を受けています。近年では、最先端の科学技術によって大量の情報や人や物そしてお金が世界中をダイナミックに移動し、もはや国境が取り除かれた全地球的な社会、すなわちグローバル社会が到来しています。

科学技術の進歩が人類に恩恵や利便性を与えているのは確かですが、負の問題を生んでいることも事実です。例えば、我々が直ちに解決しなければならない深刻な問題にエネルギーと環境の問題があります。科学技術の進歩は加速度的で、我々は地球の有限な資源を急速に消費しています。地球は約46億年前に誕生したと考えられていますが、人類が工場制機械工業の導入による産業の変革と、それに伴う社会構造の変革すなわち産業革命を開始したのは僅か250年前に過ぎません。地球の歴史の長さを1年に例えると、産業革命以降、時間は1.7秒しか経っていないことになります。我々はこの極めて短い期間に有限な化石燃料を大量に消費し、環境破壊や地球温暖化等の問題をつくり出しました。さらに、感染症、食糧、格差問題などの全地球的な課題が顕在化しています。

これからは、資源の再利用や省エネルギー、新エネルギー技術の開発を進め、地球を持続可能にすることに全人類が協調・連携して取り組まなければなりません。私達も、国家や地域の問題と共に、地球全体に関わる問題の解決のための仕事に既に長年取り組んでいますが、とても私達の世代だけで解決できる問題ではありません。時代は常に新しい知性を必要としています。これらの課題を乗り越え新たな未来を切り開いていけるかどうかは、若い皆さんの力にかかっています。皆さんは、今はそのために力をつけなければなりません。千葉工業大学は、全力で力を身につける手助けをします。
千葉工業大学の卒業生、即ち皆さんの先輩に、本間禎一先生がいらっしゃいます。本間先生は、昭和33年に本学金属工学科を卒業し、研究の道に進まれ、金属表面科学の権威者として昭和62年には東京大学の教授になられました。本間先生は、次のような言葉を残されています。

「我々は既に科学技術文明の行末に対して、責任を負わねばならない立場にある。走りながら考えねばならないのも正しいことだと思える。しかし、未知の影響を止まって考えることが必要になるかもしれない。科学技術の再点検が、今必要であると思われる。」

本間先生がこの言葉を残されたのは、四半世紀も前のことです。私は、本間先生のこの言葉に、我々がグローバル社会を正しく生き抜くための、そして我々が直面している多くの課題を解決するためのヒントがあるように思います。是非、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

本日、千葉工業大学に入学された皆さんが、充実した大学生活を送られることを願っています。是非これからの学生生活において、自己の可能性を最大限に引き出し、新しい課題に果敢にチャレンジされることを心から期待して私の式辞と致します。

千葉工業大学御入学、おめでとうございます。
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