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挨拶集


平成24年度千葉工業大学学位記授与式式辞


03月22日
本日、ここに平成24年度学部・大学院学位記授与式を挙行するに当たり、大学を代表致しまして、卒業生諸君ならびにご列席のご家族・ご友人の皆様に対し、心よりお祝いを申し上げます。この春、晴れてこの千葉工業大学を巣立って行かれるのは、学部卒業者1,870名、大学院修士課程修了者264名、博士学位受領者5名、合計2,139名に及びます。

千葉工業大学は、昭和22年の旧制千葉工業大学第1回卒業式で初めて卒業生76名を送り出しました。以来、65年余、今年も多数の俊英を世に送り出すことができるのは、この上ない慶びであります。とりわけ、世界中で経済危機や自然災害が頻発し、人々がそれらを解決するための新たなビジョンを模索し苦しんでいる状況の中で、時代を変革し新しい社会を生み出す可能性を秘めた、多彩で個性溢れる人材が千葉工業大学から飛翔することは、大学で教育を司る者として大きな慶びであります。特に本学が創立70周年を迎えた平成24年度に卒業する皆さんは、輝かしい記念すべき年代になるでしょう。

70年前、時代の要請を受け、欧米に負けない科学技術教育・研究の場を目指して誕生した本学の設立趣意書を起草したのは、哲学者の西田幾多郎博士です。西田先生は若い頃多くの苦難・困難に遭遇しました。肉親の死、父の事業失敗による困窮、旧制第四高等学校退学といった状況に置かれながらも、学問を諦めず、東京帝国大学の科目聴講生にあたる選科生として哲学を学びました。その後、故郷の中学校の教師となるも学内の紛争に巻き込まれ失職するなどして職場を点々とする生活が続きました。しかし西田先生はこのような逆境に負けることなく思索を続け、ついに京都帝国大学の教授となり、今も西田哲学と呼ばれる我が国を代表する哲学大系を完成させました。

西田先生は、その著「物質と記憶」において、「とかく我が日本人は新旧によって物の価値を定める癖がある。これは実に悪い癖である。人はただ自分の権威に従うのみであり、人を動かすのは自分において新しいものである。」と言っています。この考えは、本学設立趣意書においても「自ら学び自ら体験し自ら思索し創造する人間の養成」という教育目標として示されています。私なりに解釈しますと、「困ることはいくらでもある。しかし、自分で切り開いていけば必ず道は通じる」と西田先生は言いたかったのではないかと思います。

さて、現在、私たちは地球規模で解決しなければならない様々な問題に直面しています。また、国際社会における日本の地位の低下が懸念されています。このような、世界や日本の大きな変化は、個人の力で直ちに解決できるというものではないでしょう。しかし、皆さんには千葉工業大学創立時の精神にある「世界文化に学理と技術で貢献する人間である」ということを常に忘れずに進んで行ってもらいたいと思います。自分には何ができるのか、我々は何を為すべきなのかということを常に考え続け、課題の解決のために努力すること。そして我々に課された責務である人類への貢献を目指して具体的に行動する。このような気概を胸に、新たな第一歩を踏み出して頂きたいと思います。創立時から変わらない、自ら考え、自ら行動して世界文化に貢献する千葉工業大学のスピリッツを忘れないでください。

西田先生は晩年、「世界はそれぞれの時代にそれぞれの課題を有し、その解決を求めて、時代から時代へと動いて行く。強大なる国家と国家とが対立する時、世界は激烈なる闘争に陥らざるを得ない。之を解決する途は、各自が世界的使命を自覚する外にない。」と言っています。西田先生の思想は、そのまま全てが現代社会の諸問題の解決に役立つものではないかも知れません。しかし、西田先生が生きた時代から70年を経た今、我々が直面しているグローバル社会を正しく生き抜くためのヒントを我々に残してくれていると思います。

千葉工業大学が築いてきた、多様な人間が集まり自ら学び創造し発信する校風は、現代社会の問題解決に対して適したものであるはずです。困難な課題を抱えたグローバル世界に旅立つ卒業生の皆さんは、千葉工業大学で得た経験を活かして、物事を自分で考え、解決して行く能力、またはコミュニケーション能力、リーダーシップを更に磨き、社会で挑戦し続けてもらいたいと思います。そして、それぞれの立場で社会に貢献して頂きたいと思います。本学を巣立って行く皆さんが、創立時から受け継がれた本学のスピリッツをしっかりと胸に抱き、グローバルリーダーとして、失敗を恐れずに人類の幸福と世界の平和のために思う存分力を発揮してくださることを、大いに期待しています。

千葉工業大学は、伝統と実績に基づき築かれた、社会との強力なネットワークを持っています。今日以降は、様々なところで、また様々な場面で、皆さんはこのネットワークを実感することになるでしょう。皆さんも同窓生として是非このネットワークに積極的に参加して欲しいと思います。日本各地から世界中まで、7万人以上の同窓生が皆さんを心から歓迎しています。そして時々は千葉工業大学に帰って元気な顔を見せて下さい。大学はいつも皆さんを歓迎します。

どうか志高く生きてください。諸君の未来が豊かで実り多いものであることをお祈りし式辞と致します。
卒業生・修了生諸君、本日は本当におめでとうございます。
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