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学長メッセージ


伊藤穰一 学長

千葉工業大学から日本の未来に変革を起こします

過小評価されているIT技術者の育成が急務

欧米先進国に負けない工業教育を行い、日本だけでなくアジア全体の工業力を高めようという使命を持って1942年に創立された千葉工業大学。日本最古の私立工業大学として、中堅技術者の育成という役割を担ってまいりました。千葉工業大学においては、日々の課題へ適応し続けてきましたが、技術革新の加速や緊急性の高まりにより、当校の使命の重要性は一段と増しています。ご存じの通り、人工知能、仮想通貨、web3といったIT技術が飛躍的な進歩を遂げる中で、日本のIT人材は圧倒的に不足しています。これが日本の技術革新・社会変革を進める上で大きな足かせとなっており、社会のニーズに合わせたIT人材の育成は急務といえます。
また、日本におけるIT技術者の地位向上も大きな課題です。米国の大企業の多くはトップにIT技術者をすえています。ところが、日本の企業の経営者や国の政策を意志決定する政治家には、技術系はまだまだ少数派。これが日本の技術革新を著しく妨げる要因となっています。日本におけるIT技術者の地位向上・待遇改善を働きかけていくとともに、新しい技術を理解し、企業や国の方針をけん引できるリーダーを輩出していくことも千葉工業大学の果たすべき役割と考えています。

学んだ知識・技術を実社会に応用することの重要性

千葉工業大学で学ぶ皆さんには、社会を真に変革できる技術を学んでほしいと思います。私の前職であるマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボには、「Demo or Die」というスローガンがありました。これは「デモができなかったら、大抵の場合プロジェクトやアイデアはそこで終わってしまう」「自分が考えていることを形にして、他の人に見せられなければ影響は限られる」ということです。その後、このスローガンは「Deploy or Die」へとさらに進化しました。これは「形にするだけではだめ。世の中の役に立たなければならない」ということです。どんな分野でも基礎を学び積み重ねていくことが大切ですが、学んでいることが社会にどう役立つのか、どう応用すればプラスの変化をもたらすことができるのかという視点を持って知識・技術を磨いていってもらいたいと思います。

プロジェクト型の学びで社会と深くつながる

私が所長を務める変革センターでも「Deploy or Die」を実践しています。web3のクラスを立ち上げ、そこには学部生、大学院生をはじめ、一般社会人、民間企業も参加して、さまざまなプロジェクトを進めています。産学連携でプロジェクトを進めていくことにより、社会にどんなニーズがあり、新しい技術がどこでどんな風に役立つのかを身をもって学ぶことができます。
また、2022年、NFTで千葉工業大学の学位証明書の発行を開始しました。これはグローバル・コミュニティが共有するオープンスタンダードを使用して発行した、改ざん不能なオンライン証明書です。学生の個人情報を保護すると同時に、学歴やIDを証明できるように設計されています。NFTによる学位証明書の発行は日本の大学では初の試みです。これこそ実験や想像力を刺激する、新技術を誰の目にもわかりやすく応用したひとつの事例といえるでしょう。

自分の中に芽生えた内在的動機を大きく育てて

千葉工業大学が、学生の皆さんにとって単なる学ぶだけの場所とならないために、世界や地域のプロジェクト、企業とのプロジェクト、国とのプロジェクトをこれからもっと増やしていきたいと考えています。学外の人たちや組織と密に関わることは、新しいアイデアやより深い学びに加えて、研究していることについて実社会の視点を得ることができる、素晴らしい機会になるに違いありません。このような視点は、他の人たちの計画を実行するだけでなく、自身を高めるためにも必要不可欠です。学生の皆さんには、これらのプロジェクトを通して、自分の中に芽生えた「こんな分野に興味がある」「こんなことをやってみたい」という動機を大きく育てていってほしいと願っています。千葉工業大学には、そうした学生一人ひとりのワクワクを育てる環境があります。私たちと一緒に、日本の未来に変革を起こしましょう。

千葉工業大学 学長 伊藤 穰一

伊藤穰一プロフィール

デジタルアーキテクト、ベンチャーキャピタリスト、起業家、作家、学者として、主に社会とテクノロジーの変革に取り組む。教育、民主主義とガバナンス、学問と科学のシステムの再設計などさまざまな課題解決に向けて活動中。2011年から2019年までは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの所長に奉職。非営利団体クリエイティブコモンズの取締役会長兼最高経営責任者のほか、ニューヨーク・タイムズ、ソニー、Mozilla財団、OSI、ICANN、電子プライバシー情報センター(EPIC)などの取締役を歴任した。デジタルガレージ 共同創業者 取締役 Chief Architect、デジタル庁「デジタル社会構想会議」および「web3研究会」構成員、経済同友会「企業のDX推進委員会」委員長。2021年11月に千葉工業大学変革センターのセンター長に就任。2022年1月に千葉工業大学評議員となり、2023年7月より千葉工業大学学長(第14代)。

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