経年で捉える財務の概要

経年で捉える財務の概要

事業活動収支の推移(5年間)

事業活動収支の状況

令和2年度の事業活動収入計は前年度比7.8億円増の179.8億円となりました。
この主な要因は、教育活動収入の学生生徒等納付金、寄付金及び経常費等補助金、特別収入のその他の特別収入などが増加したことによるものです。

学生納付金は143.8億円で、前年度より2.6億円増額となっています。経常収入に対する比率は81.3%です。手数料は、主にコロナ禍による共通テスト利用入試の入学検定料免除により減額となりました。寄付金は、本学PPA、学生共済会、同窓会から新型コロナウイルス対策費として多額の寄付をいただいた結果、特別寄付が大幅に増加しています。経常費等補助金は、主に国庫補助金です。今年度から国の修学支援制度による授業料等減免費交付金が交付されたことにより、前年度比で3.1億円の増額となりました。付随事業収入は、主に学生寮の補助活動収入と受託研究の受託事業収入による収入です。補助活動収入はコロナ禍の影響で大幅に減少し、受託事業収入も減少した結果、全体で2.6億円の減額となりました。雑収入は、私立大学退職金財団交付金やその他の雑収入が増加しています。
教育活動外収入では、受取利息・配当金が減少しています。
特別収入は、現物寄付の増加や施設設備補助金の獲得により、2.3億円の増額となっています。

一方、事業活動支出計は156.9億円で前年度比5.2億円の減少となりました。

人件費は、退職金が増加したものの、教職員人件費の減少により、前年度比で若干減額となっています。教育研究経費は、コロナ対策や国の修学支援制度により奨学厚生費や委託費が増加したものの、受託研究費や消耗品費、旅費交通費などが減少したため、前年度とほぼ同額となりました。管理経費は、広報費をはじめほとんどの科目で減少した結果、1.2億円の減額となりました。
特別支出では、図書処分差額が減少しています。

事業活動収支の推移

消費収支の推移(5年間)

貸借対照表の推移(5年間)

資産と負債の状況

令和2年度の資産総額は1,244億円、負債総額は101億円で、純資産(基本金+繰越収支差額)は、1,142億円となっています。純資産は平成28年度比で54億円増加しています。

固定資産のうち、有形固定資産は平成28年度比で71億円減少しています。これは、主に建物の減価償却によるものです。特定資産は、前年度比で20億円の増加となっています。将来計画のために組入と入替を行いました。第2号基本金引当特定資産は、今後の校舎等の改修や教育環境整備を行っていくための資金です。令和2年度は、既設建物の各所改修工事及び教育環境整備資金(津田沼)への組入を行っています。第3号基本金引当特定資産の内容は、教育研究基金60億円、学術研究振興基金20億円、奨学助成基金20億円です。PCB処理引当特定資産は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の処分費用に備えるための資金です。使用のための取崩と不足額の組入を行いました。その他の固定資産のソフトウェアは、事務用ソフトウェアを全面的に更新したため、資産計上を行いました。

一方、負債については、借入金の残高がゼロとなっています。退職給与引当金は、退職金の支給に備えるため、私立大学退職金財団に対する掛金の累積額と交付金の累積額との繰入調整額を加減した金額を計上しています。
流動負債の前受金は、主に次年度の学生納付金になるものです。
本学の純資産構成比率は90%以上となっており、健全な財務状況を維持しています。

貸借対照表の推移

貸借対照表の推移(5年間)