2016(平成28)年度予算及び決算について

2016(平成28)年度予算の編成方法について

基本方針として、前年度予算対比ゼロシーリング編成の目途値とします。
従来の予算をゼロベースで見直し、真に必要な予算であるか、効率化が図れないかを真剣に検討します
(スクラップアンドビルド)。
教育の質の向上及び研究の充実につながる予算編成を目指します。
学生生徒等納付金以外の外部資金獲得(科学研究費補助金、受託事業収入、特別補助等)にさらに注力します。

2016(平成28)年度決算における財務ポイント解説

2016(平成28)年度決算

事業活動収入

事業活動支出

貸借対照表


※ 合計は、各項目を四捨五入して表記しているため一致しないことがあります。

教育活動収支

事業活動収入

事業活動収入は、学生生徒等納付金、手数料、寄付金、付随事業収入等の項目で予算比増となり、160億4,400万円となりました。

事業活動支出

事業活動支出は、予算比2億8,900万円減少し、154億1,900万円となりました。

a. 人件費

人件費は、教員人件費及び職員人件費ともに若干減少し、予算比7,900万円減少の68億4,600万円となっています。

人件費比率は、42.4%で理工系他複数学部を有する私立大学の平均値 (49.5%)に比べ、引き続き良好な水準となっています。

b. 教育研究経費

教育研究経費は、消耗品費、光熱水費、修繕費、委託費等で予算に対して少ない執行額となり、予算比1億5,000万円の減少となりました。

教育研究経費比率は41.6%となり、理工系他複数学部を有する私立大学の平均値(36.2%)に比べ引き続き高い値となっています。今後も同程度の比率が続くと予測しています。

c. 管理経費

管理経費は、予算比6,000万円の減少となりました。消耗品費、広報費、委託費等、全体としては経費圧縮に努めた結果となっています。

管理経費比率は11.5%で、理工系他複数学部を有する私立大学の平均値(6.3%)と比べ若干高くなっていますが、今後は更なる経費圧縮に努めて参ります。


教育活動外収支

事業活動収入は、投資信託の配当金や受取利息により、9,900万円となりました。

事業活動支出はありませんでした。


特別収支

事業活動収入は、現物寄付や施設設備補助金などで8,600万円、資産売却差額とあわせて8,700万円となりました。

事業活動支出は資産処分差額で4,700万円、その他の特別支出と合わせて4,800万円となりました。資産処分差額の内訳は、建物処分差額1,900万円、図書処分差額1,900万円、減価償却引当特定資産処分差額1,000万円等です。


事業活動収入計

事業活動収入計

事業活動収入計は、前年度比で22億円の減少となっています。

主な要因は、特別収入の有価証券売却差額(19億9,500万円減)及び教育活動外収入の受取利息・配当金(2億9,800万円減)が大きく減少したことによるものです。


事業活動支出計

事業活動支出計

事業活動支出計は、前年度比で7億2,500万円の減少となっています。

主な要因は、次のとおりです。


教育研究経費   4億7,200万円減
 主な内訳 修繕費 2億2,800万円減
  消耗品費 1億4,800万円減
  減価償却額 1億2,300万円減
(償却終了分)
管理経費   2億5,300万円増
 主な内訳 消耗品費 1億4,400万円減
  修繕費 1億6,600万円増
  減価償却額 2億7,900万円増
(食堂棟・寮の増加分)
資産処分差額   5億円減
 主な内訳 減価償却引当特定資産評価差額 5億3,300万円減
  建物処分差額 1,700万円増


基本金組入前当年度収支差額

基本金組入前当年度収支差額

この結果、基本金組入前当年度収支差額は7億6,200万円のプラス(事業活動収支差額比率4.7%)となりました。


基本金

基本金組入額、基本金取崩額

主な基本金の組入額及び取崩額は、次のとおりです。

① 第1号基本金 組入額 3億3,500万円

 

事項 組入額 除却額
 1  建物
(各所改修工事、除却)
3,900万円 9億9,400万円
 2  構築物 5億6,700万円 600万円
 3  教育研究用機器備品 4億2,800万円 7億3,600万円
 4  図書 2,400万円 1,900万円
 5  建設仮勘定 10億3,700万円  
 6  その他
(備品、車両等)
1,300万円 1,800万円
21億 900万円 17億7,400万円

② 第2号基本金 組入額 △3,700万円

 ・ 校舎改修準備資金 組入額10億円 

 ・ 第1号基本金への振替 △10億3,700万円 

③ 第4号基本金 取崩額 1,700万円

「学校法人会計基準の一部を改正する省令(平成25年4月22日文部科学省令第15号)」及び文部大臣裁定「学校法人会計基準第30条第1項第4号に規定する恒常的に保持すべき資金の額について(文高法第224号、平成25年9月2日最終改正)」に基づき、平成28会計年度に係る計算額の経過措置を適用しました。


当年度収支差額

これらの結果、当年度収支差額は4億6,400万円の収入超過となりました。

翌年度の繰越額は、前年度繰越収支差額及び基本金取崩額を合わせると、67億9,800万円の支出超過となりました。


今後の課題

今後も引き続き財務基盤の安定をはかるため、次のような課題に取り組んでいきます。

[収入面]

① 学生生徒等納付金の安定的確保
入学者数の確保及び教育力の一層の充実や学生への修学支援強化を進めます。留年・退学者数は減少し、改善の方向に向かっています。引き続き圧縮に努めます。

② 外部資金の獲得
国庫補助金(特別補助)、受託事業収入、科学研究費補助金などの外部資金の収入増加を図るため、体制を強化していきます。

③ 低金利環境下で、より効果的な資産運用を行っていくとともに、リスク管理の徹底を図ります。

④ その他の収入源確保策の検討を行います。


[支出面]

① 人件費、管理経費の効率化
今後益々収支状況は厳しくなると予測しています。具体的な経費削減目標を設定し、業務の改善や効率化に向けて積極的な財務運営を行っていきます。

② 教育研究経費の見直し
サービスの向上と、新学部・学科の特色を活かしたメリハリある教育展開を目指し、従来の方法にとらわれず、新たな視点から業務の改善や効率化に取り組んでいきます。

注1)理工系他複数学部を有する私立大学の平均値は、いずれも平成27年度全国大学部門(145法人)の値から算出
<出典>「今日の私学財政」日本私立学校振興・共済事業団

注2)比率の計算式 
人件費比率 : 人件費÷経常収入    教育研究経費比率 : 教育研究経費÷経常収入
管理経費比率 : 管理経費÷経常収入  事業活動収支差額比率 : 基本金組入前当年度収支差額÷事業活動収入計