千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
92/168
の傾斜を積層する場合はサポート材という支えを同時に3Dプリントしていく. (3) 生体分子模型を用いた講義と模型の評価 生命環境科学科の1年生の生物学2および生化学,2年生の構造生物学(4S)などにおいて,作成した分子模型を使ってDNAとRNAの違いについて説明した.さらに,実際に教室内で回して手に持ってもらった後,アンケートを行った.講義に使った分子模型の一部を図3に示す.また,抗体分子とRNAの相互作用についても分子模型(図4,PDB ID 3AGV)を使って説明した. アンケートの結果を図5に示す.分子模型を手に取った印象は,「理解しやすい・わかった」という意見が多く,そのほかにも,「ザラザラしていた」,「硬かった」,「軽かった」などの回答もあった.分子模型を使った講義は,非常に効果的であることがわかった.一方で,分子模型が一つしかないため,学生が手にとっているときに説明することができないという課題も残った.今後,模型の数を増やすことを検討したい. (4) 今後の展望 「ザラザラしていた」,「硬かった」,「軽かった」という回答もあったので,分子模型の素材についても検討を行っている.図6は,ゴムライク樹脂(左)およびアクリル樹脂(右)で作成した抗体分子とRNAの分子模型である.今年度の構造生物学の講義においてアンケートを行い,素材についても評価する予定である. 謝辞 たくさんの分子模型を作製してくれた岩村昌宣氏(機械サイエンス学科 平成26年度卒業)に感謝します. 学会発表 「生体高分子模型の開発と評価」 根本直樹,岩村昌宣,坂本泰一,菊池耕生,河合剛太, 手嶋吉法 第79回 形の科学シンポジウム,2015年6月13日,千葉工業大学津田沼キャンパス 形の科学会誌 第30巻第1号 (2015) p.62 参考文献 1) Pettersen EF, et al. .J Comput Chem. 13, 1605-1612 (2004). 図2 Replicator Z18 図3 DNA(左)とRNA(右)の二重らせん構造 図4 抗体とRNAの構造 図5 アンケートの結果 図6 抗体とRNAの構造. ゴムライク樹脂(左)とアクリル樹脂(右) 782015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報 Project Report of Research Institute of C.I.T 2015
元のページ