千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
88/168

図2.iPad-miniで表示したディジタル教材 図3.分布定数回路の説明画面 さらに,分布定数回路の説明について開発した教材が図3であり,本図は,同図(a)に示した回路図に0で,直流電圧20Vが印可された場合,同図(b)にアニメーション機能を使用し,反射を繰り返した電圧波が最終的に20Vの定常電圧になるまでを示したものである。これにより,学習者は,分布定数回路の物理現象的なイメージを視覚的に確認することができ,理解が深まるのではないかと推察できる。 これらの結果から,iPad-miniでどこでも学習できる教材が開発できたのではないかと考えられる。 図4にiPad-miniの使用内容について,学生に対するアンケート結果を示す。ホームページの閲覧や教務支援システムの閲覧などの回答が多かった。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 図5. 学習支援システムの効果 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 図6. 学外からも教材が見たいか 図5に本教材を実際に使用した学生に対するアンケート結果を示す。アンケートでは電子教材の使用者の68%が大いに役に立ったと回答し,学生の役に立つ教材の開発ができたと考えられる。また,本電子教材は,学内からしか閲覧できないように設定した。そこで,図6に電子教材を学外からも閲覧したいかという問いに対する結果を示す。77%もの受講生が学外からも閲覧したいという結果となり,学習教材への要求が高いことが分かる。 3. まとめ 以上,iPad-miniを活用して学生の電気回路学習を支援する電子教材を開発した。電気回路にて学習する代表的な回路の電圧,電流,電力波形を動画として表示することができた。さらに,分布定数回路に関して,反射波形の時間的変化を動画で説明する教材も開発した。 電気回路及び演習2の受講学生に対して,電子教材を使用してもらい,アンケートを実施した結果,良好な結果を得た。 しかし,アンケートの自由記述欄には,電気回路の説明を追加した方が良いなどの意見があった。 今後の課題としては,アンケート結果を踏まえ,学生の学習意欲を向上するための改善が考えられる。 参考文献 (1) Steve Fulton,Jeff Fulton,安藤 慶一 (翻訳):「HTML5 Canvas」,オライリージャパン(2012年) 図4 iPad-miniの使用内容 人数(人) 742015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です