千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
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研究項目: 教育研究助成金 研究期間: 2014/4/1 ~ 2015/3/31 研究課題名(和文): iPad ユーザを対象とした電気回路学習のためのディジタル教材の開発 研究課題名(英文): Development of Digital Teaching Material of Electric Circuit for iPad User 研究者: ○相知 政司 千葉工業大学 OHCHI Masashi 工学部 電気電子情報工学科 教授 富山 和義 千葉工業大学大学院 TOMIYAMA Kazuyoshi 工学系研究科 電気電子情報工学専攻 1. はじめに 現在,本学の学部3年生以下の学生には,iPad miniが貸与されている。しかし,iPadを用いたディジタル教材は,電気電子情報工学科について言えば,皆無に等しい。一方,電気電子情報工学科2年次生を対象とした授業である電気回路及び演習1,電気回路及び演習2は,交流の電圧・電流を取り扱い,数式で理解することが要求されている。 ところが,近年の学生の学力低下により,電気回路理論を物理現象として理解できる学生は,年々減少している。そこで,Webのアニメーション機能(1)を用いて,電気回路を物理現象として理解させるようなiPad mini用ディジタル教材を開発することにした。 毎年,電気回路及び演習1では,直流の回路に関しては理解ができるが,交流理論になり正弦波が出てくると,理解できない学生が多くなる。この原因は,まず,正弦波を理解していない,電圧・電流が正弦波関数として表され,その加減算や正弦波の微積分が理解できないことには,電気回路を現象論として理解したとは言えない。本研究では,Webのアニメーション機能を用いて,電圧と電流の正弦波を表示して,現象論として理解可能なディジタル教材を開発し,さらに過渡現象を動画で説明することで,学生が電気回路の電圧・電流の振る舞いを物理現象としての理解が深まると考えられる。 2. ディジタル学習支援教材の開発 図1. 開発したHTMLプログラミングの一部 学生に交流理論における電圧と電流の位相を理解させるための方法として,電圧と電流の波形をHTML(Hyper Text Markup Language) のプログラムでアニメーションとして提供することを考えた。HTMLで作成したプログラムを図1に示す。実際の電圧と電流波形が,どのように変化するのか一目見て分かるような電子教材を開発した。学生には作成したものをホームページにまとめて提供し,それぞれの見たい回路をクリックして閲覧してもらう。 図2は,RLC直列回路の電圧波形,電流波形,それぞれのフェーザ表示,そして,電力波形を,iPad mini にて表示している画面である。他にも同様に,並列回路などを作成し,波形とフェーザ表示ができるようにした。 732015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

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