千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
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図2.購入パターンの特徴 ネットショッピングにおけるサービス提供の流れでは,エンドユーザがホルダからコンテンツを購入する際に,プロバイダ(この場合は,NSPとPSP)を利用する.一方,料金の流れは,通常は特定のプロバイダ(NSPかPSPのどちらか)が料金回収代行業務を担い,エンドユーザは全てのプレーヤに個々に料金を支払う必要はない状況になっている.従来は,このサービス提供の流れと料金の流れの間には関係をつなぐ管理がなされておらず,何かトラブルが発生するとその解決に膨大な時間を要していた.今後プレーヤが増えるとますますそのような可能性が増大すると危惧する. その解決策として,クレジットカード会社のような第3者機関を設ける事も考えられるが,通貨での購入だけでなく,既に普及しているポイントカードシステムやビットコインに代表される仮想通貨等多様な支払方法が可能となると想定されるため,第3者機関を設ける際にも,以下に示す新たな機能が必要となる. 機能:エンドユーザからどのようなルートでサービスが提供されているのか,料金はどのようなルートで支払われているのかを正確に管理するため,サービス・料金・決済に関する関係を効率的に構築する機能 本研究では,表1で分類したプレーヤを組み合わせることにより,サービスを表現できることを示し,そのサービスに対応した料金,決済モデルを構築し,それらの間にどのような関係があるかを分析した.その結果,決済ルート(請求書のやり取りを誰と誰の間で行うのか)に含まれる各料金要素(誰から誰への料金か)を対応させ,各料金要素がエンドユーザから見て複数存在するのか,一時的な料金支払いなのか長期的な(例えば毎年定期的に支払うのか)支払いなのかといった要因を対応付け,自動的に関係を結ぶ手法を提案した.それにより,図3に示す横断的な管理が可能となった. 図3.横断的なサービス管理 3.今後の課題 今後は,提案した手法の妥当性を検証し,より的確な手法に改良していくことが必要である. 本研究に関する主な発表論文 1. M. Iwashita, S. Tanimoto: A Method for Service and Billing Management using Connection Paths, Proceedings of IEEE/ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing (SNPD2015). 462015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

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