千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
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図2 Para-Gliderのフレームと車輪配置 2.2 制御方法 各アームを駆動するアクチュエータにはロボット向けに市販されている近藤科学製ラジコンサーボKRS-4033HVを用いた.各ラジコンサーボの制御は搭載した秋月電子製SH-7125マイコンボードによって行う.角度指令はあらかじめPCで生成しておき,マイコンへのプログラム書き込み時に配列として保存する.マイコンは10msec周期で配列から読み取り各サーボへ指令角度を送っている. 3. 動作実験 動作実験はアクリル板の上を滑走させその様子を下から撮影した.下側フレームの振幅を20[mm],車輪の姿勢変化の角度を20[deg],運動軌道の一周期の時間を4[sec]とした.移動実験の結果を図3に示す.また図4は下側フレームの移動軌跡を表したもので,図中の青い点は動画の各フレーム画像からLEDの部分を切り出したものであり,Para-Gliderが推進している際の車輪間中心点の軌跡を表している.この移動実験により,Para-Gliderは,若干の滑りを生じながら推進していることが確認できる. 図3 移動実験の様子 図4 下部脚フレームの移動軌跡(円弧軌道による推進) 4. おわりに 本論文ではグライド推進を凹凸面へ適用するモデルとしてのTwin-Frame型移動システムについて述べた.平面における車輪の推進特性を検討するモデルとして,平面3自由度パラレルリンク機構を有する移動体Para-Gliderを開発した.そして動作実験により開発した実機がグライド推進可能であることを確認した. 今後はTwin-Frame型移動システムとしての適切な推進軌道の検討や,推進軌道の適応的な変更推移手法の検討を行っていく. 本研究に関する主な発表論文 (1) 井下田 吉男, 太田 祐介:”グライド推進を行う移動体Para-Gliderにおける推進軌道の検討”, 第30回日本ロボット学会学術講演会予稿集, pp.RSJ2012AC4F2-8, 2012. (2) Yusuke OTA and Yoshio IGETA:”Research on the Gliding Locomotion Robot, Para-Glider”, Proc. of the 2012 IEEE/SICE International Symposium on System Integration, pp.206-211, 2012. (3) 井下田 吉男, 太田 祐介:”グライド推進を行う移動体Para-Gliderの開発”, ロボティクス・メカトロニクス講演会2012講演論文集, pp.1A2-I08, 2012. 参考文献 (1) 太田,米田,玉木,広瀬:”Twin-Frame型移動システムにおける脚/車輪ハイブリッド移動“,第7回ロボティクスシンポジア予稿集,pp.95-100, 2002. (2) 太田,稲垣,米田,広瀬:”出力均質性の高いパラレルメカニズムを利用した少自由度歩行ロボットの研究”,日本ロボット学会誌,Vol. 18, No. 1, pp.66-74, 2000. (3) 松本,梶田,谷,西郷:”静的歩容を規範とした2足歩行型脚車輪ロボットの階段昇降制御”,日本ロボット学会誌,Vol. 16, No. 6, pp.868-875, 1998. (4) 遠藤,広瀬:”ローラーウォーカーに関する研究―システムの構成と基本的動作実験”,日本ロボット学会誌,Vol. 18, No. 2, pp.270-277, 2000. (5) 遠藤,広瀬,外川,”グライド推進の提案”,第16回日本ロボット学会学術講演会予稿集,pp.209-210, 1998. (6) 日向野,氏田,田口:”スケーティングロボットの研究 第二報:試作機の滑走実験”,ロボティクス・メカトロニクス講演会'06, 1A1-D32, 2006. 402015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

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