千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
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図2 Control Method with States 図3 Condition of Mode Transition (4)入力数の増加による群効果 逃避行動の伝播の様子を図4に示す.本研究で用いるシステムは認識した個体から作用される回転モーメントを足し合わせていくというシステムになっている.そのため複数の入力があると単入力のときよりも強い回転モーメントが発生することになり、逃避時の角速度がより速いものになる(図5).これが群全体で行われるため,逃避行動の伝播速度も速くなる. 図4 Propagation of Escape Behavior in Robot Swarm 図5 Swarm Effect Model on Group Escaping Motion 2.高速LRFセンサを用いた逃避行動特性の検証実験 (1)実験で使用するロボットの概要 今回用いるロボットは自律分散型の独立対向2輪型ロボットである. 使用する高速LRFのスペックを表1に,搭載した移動ロボットの外観を図6に示す. (2)逃避行動実験 Robot1の後方にRobot2を配置し,Robot1をコマンド操作で逃避させる.Robot2には2種類のLRFを用いる.逃避を行ったと判断する角速度の閾値を0.3[rad/sec]とする. 表1 LRF Spec(UTM-30LX-F) 図6 A Mobile Robot with High Speed LRF Sensor Power DC12V Range 170~30,000[mm] Range 270[deg] Step Angle 0.65[deg] Scan Time 10[ms/scan] Size 60×60×85[mm] (3)実験結果 逃避行動の様子を図7に各Robotの角速度を図8に、LRFの計測データ取得とロボットの推定時間を表2に示す.どちらのLRFでも逃避行動が確認できた.高速LRFではロボットの推定に時間はかかっているものの計測データの取得時間が約2.04倍速くなっている(表2). 図7 Experiment for Escaping Behavior Observation (a) UBG-04LX-F01 (b) UTM-30LX-F 図8 Angular Velocity of Robots in Escaping Motion 表2 Processing Time with Two Type LRF Sensors[sec] UBG-04LX-F01 UTM-30LX-F Scanning 0.02 0.01 Mode Estimation 0.0007 0.003 Total 0.03 0.03 現在はロボットの推定と並列で行われているモータデータの取得時間に変化がないため処理全体の時間も変わらないが,その部分の再実装することによってより速い群逃避モードの伝搬行動が可能になると考える. 3.まとめ 本研究では高速センサを用いて従来のセンサと比べて観測時間が短縮したことを確認した.今後は並列作業の処理時間の短縮を行い,より速い群行動の実現を目指す. 複数台での逃避行動を高速LRFで行うことで群効果にどのような影響を及ぼすのかの検証および大規模群の伝搬特性の推測モデルの確立は今後の課題となる. 参考文献 (1) Hongkyu Min, Zhidong Wang,Design and Analysis of Group Escape Behavior for Distributed Autonomous Mobile Robots, ICRA 2011,pp.6128-6135, 2011 382015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

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