千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
49/168

研究項目: 科研費申請準備支援助成金 研究期間: 2014/4/1 ~ 2015/3/31 研究課題名(和文): 高速LRF測域センサを用いた群ロボットの群逃避反射ビヘービアの高速伝播の特性に関する研究 研究課題名(英文): The Study of State Transition Performance of Grouping Escaping Behavior in Swarm Robot System with High Speed Laser Range Finder Sensors 研究者: ○王 志東 千葉工業大学 WANG Zhidong 工学部 未来ロボティクス学科 教授 玉田 和也 千葉工業大学 TAMADA Kazuya 工学研究科 未来ロボティクス専攻 修士課程 近年、複数台のロボットが群れを成すことで得られる数や振る舞いの効果などの利点から,物体の搬送などを目的とした複数ロボットの群行動に関する研究が行われている.本研究室ではこれまで逃避行動を模倣する分散制御アルゴリズムの構築が行われた[1].また提案したアルゴリズムを実装したロボットと大規模群を用いることが可能な複数ロボットによる群行動「Schooling」,群逃避行動「Group Escaping」が可能なシミュレーションが構築された. 本研究では周囲の運動の変化をより速く観測し、素早い群行動を実現するために従来のセンサより走査時間が速いセンサを用いて従来のセンサとの比較を行う. 1.群行動を実現するためのアルゴリズム (1)平常時の相互作用力 ロボットiとj間の距離の相互作用力ijKFは,図1(a)のようにロボット間の距離idL,個体間相対位置ベクトルjiL,バネ係数dKとダンパ係数dDを用いて式(1)のように表す.このijKFは進行方向と進行方向の垂直方向の成分に分解できる(式(2)).また垂直方向成分ijKFはロボットの特性から直接発生できないため,式(3)を用いてロボットの回転モーメントijdM_に換算し,ロボットの制御入力に加える. 進行方向の角度差に関する相互作用力は,回転モーメントとしてロボットの制御系に導入する.式(4)のようにロボット間の進行方向の角度差にバネ・ダンパモデルを用いることで,各ロボットの進行方向を揃えるようにロボットの姿勢を制御する(図1(b)). (2)逃避時の相互作用力 群逃避行動の実現には,一部の個体による逃避動作をお互いに局所的な相互作用を群全体に速く伝える必要がある.そ (a)Distance (b)Angle 図1 Distributed Control for Schooling between Two Robots dtLdDLLKFjidjiiddijK)(_ (1) ijKijKHijKFFF (2) ijKMFiiijdFkSGNM)(_ (3) dtdCKMjitjitijC_ (4) のためSchooling時の進行方向の角度差による相互作用ijCMでは群れ全体が素早く逃避行動を行うことは不可能である.そこで緊急時の強い相互作用ijecpMを用いる.進行方向の角度の相互作用力ijecpMは,式(5)に示すように角度差に仮想的な非線形バネ・ダンパモデルを用いている. dtdCKMjiejieijecp_ (5) (3)モード遷移における制御方式 本研究では,緊急時におけるロボットの制御方式は,ロボットの制御状態によって決定している.平常時の群行動「N-MODE」が存在し,初期状態のロボットの制御状態として用いられる.そして緊急時の群逃避行動には,相手のロボットの逃避行動によって逃避し始める状態「P-MODE」,すでに逃避を始めている状態「A-MODE」の2つ制御状態が存在する(図2).これらの3つの制御状態を認識した他のロボットと自機との角速度の関係を遷移条件として,遷移させることでSchoolingとGroup Escapingの異なる2つの特性を持つ群行動を実現している(図3). 372015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です