千葉工業大学　プロジェクト研究年報　2015年版

24/168

ができる．また，菱形12面体，ケルビン14面体，立方体の3種類の多面体は空間をすき間なく充填できる多面体である．これを手で触りながら組み立てることは，触覚の訓練になると共に，その対称性および並進性の理解に役立つであろう．２D触覚用結晶点群，触覚用家紋（紙），および３種類の空間充填多面体を展示し，実際に触ってもらって対称性の理解を促進する．文献[4][7][12] （３）円柱パッキングの結晶構造の研究と空間群の特定 空間群は，３次元空間内での原子分子の配置，すなわち点配置の周期構造を前提に構築された概念である．これに対して我々は，３次元空間内での直線配置の周期構造を体系的に記述することに取り組んでいる．具体的には，合同な剛体円柱を用いて，パッキング（充填）により周期構造を構成し，その構造を空間充填率および対称性（空間群）で記述しようとしている．文献[3][6][14] （４）その他の規則構造および結晶学全般に関すること 周期性すなわち並進対称性を持たないが，無限遠まで完全な規則性を保つ構造がある．それらの立体模型開発をおこなっている．さらに，結晶学の理解を深める題材について研究をおこなっている．文献[1][2][5][8][10][11][13] 学会発表および文献 [1] 松本崧生，「結晶・対称の魅力」，第77回形の科学シンポジウム，埼玉県立大学，2014/06/14（招待講演） 形の科学会誌，第29巻，第3号 (2014) p.206 [2] 渡辺泰成，箕曲在道，池上祐司，「ペントミノタイルの平面自己相似性非周期タイリング」，第77回形の科学シンポジウム，埼玉県立大学，2014/06/14（口頭発表） 形の科学会誌，第29巻，第1号 (2014) p.54-55 [3] 手嶋吉法，松本崧生，渡辺慶規，小川泰，「円柱充填による結晶構造」，第77回形の科学シンポジウム，埼玉県立大学，2014/06/15（口頭発表） 形の科学会誌，第29巻，第1号 (2014) p.62-63 [4] 手嶋吉法，渡辺泰成，池上祐司，山澤建二，西尾晋作，松本崧生，「結晶学教材の開発―空間を隙間無く埋め尽くす形」，第77回形の科学シンポジウム，埼玉県立大学，2014/06/15（ポスターおよび展示発表） 形の科学会誌，第29巻，第1号 (2014) p.75 [5] 渡辺泰成，池上祐司，「理化学研究所における回折結晶学の歴史」，第77回形の科学シンポジウム，埼玉県立大学，2014/06/15 （ポスター発表） 形の科学会誌，第29巻，第1号 (2014) p.69 [6] Teshima, Y, Matsumoto, T. & Moore, M., “Periodic cubic <110> six-way cylinder packing structures”, 23rd Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography (IUCr 2014), Montreal, Canada, 2014/08/11（口頭発表） Acta Cryst. A70 (2014), C1423 [7] Teshima, Y., Watanabe, Y., Ikegami, Y., Yamazawa, K., Nishio, S. & Matsumoto, T., “Development of teaching materials to learn crystallographic symmetry”, 23rd Congress of the International Union of Crystallography, Montreal, Canada, 2014/08/11（ポスターおよび展示発表） Acta Cryst. A70 (2014), C1280 [8] Watanabe, Y., “Aperiodic 3D tiling by self-similar substitution method using solid unit”, 23rd Congress of the International Union of Crystallography, Montreal, Canada, 2014/08/11（ポスターおよび展示発表） Acta Cryst. A70 (2014), C1431 [9] 渡辺 泰成，池上 祐司，手嶋 吉法，山澤 建二，「２次元結晶学を理解する為の触覚用結晶点群の開発」，第78回形の科学シンポジウム，佐賀大学，2014/11/22（口頭発表） 形の科学会誌，第29巻，第2号 (2014) p.148-149 [10] 伊藤 圭汰，手嶋 吉法，「正多面体の面連結から生成される螺旋構造について」，第78回形の科学シンポジウム，佐賀大学，2014/11/22（口頭発表） 形の科学会誌，第29巻，第2号 (2014) p.164-165 [11] 松本 崧生「江戸鍋島焼（皿）の対称模様―数個の例」，第78回形の科学シンポジウム，佐賀大学，2014/11/22（口頭発表） 形の科学会誌，第29巻，第2号 (2014) p.168-169 [12] 渡辺 泰成，池上 祐司，手嶋 吉法，山澤 建二，「３次元結晶学を理解する為の触覚用立体模型の開発」，第78回形の科学シンポジウム，佐賀大学，2014/11/22（展示発表） 形の科学会誌，第29巻，第2号 (2014) p.178 [13] 伊藤圭汰，手嶋吉法，「Boerdijk-Coxeter helixの投影図は如何に円に漸近するか」，第79回 形の科学シンポジウム，2015年6月12日，千葉工業大学 形の科学会誌 第30巻第1号 (2015) p.16-17 [14] Teshima, Y, Matsumoto, T. & Moore, M.,"Space group of periodic cubic <110>six-way cylinder packing structures", European Crystallographic Meeting, Rovinj Croatia, 2015/08/25（口頭発表） Acta Cryst. A71 (2015), (in press) 122015　千葉工業大学附属研究所　プロジェクト研究年報　　　　　　　　　　Project Report of Research Institute of C.I.T 2015　　　　

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です