千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2015年版
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研究項目: 科学研究費(基盤研究(C)) 研究期間: 2014/4/1 ~ 2015/3/31 研究課題名(和文): 窒素準安定励起分子の各種大気汚染物質における衝突脱励起反応速度係数の測定 研究課題名(英文): Measurements of Collisional Quenching Rate Coefficient of Nitrogen Metastable Molecule by Air Pollutions 研究者: ○鈴木 進 千葉工業大学 SUZUKI Susumu 工学部 教育センター 教授 1. はじめに 放電プラズマ中で生成された窒素の準安定励起分子)A(Nu32が大気汚染物質によりどの程度の衝突脱励起反応速度係数(失活レート)をもっているか調べている(1)。これまで,汚染物質のうちCF系ガスは特に)A(Nu32の失活レートが小さくなる傾向があることを見出した(2)。そこで,今回は二酸化炭素CO₂の7000~9200倍の温室効果をもつガスである六フッ化エタン(C2F6)及び八フッ化プロパン(C3F8)による)A(Nu32の失活レートを決定し,その傾向について検討した。 2.実験装置及び方法 実験装置および方法は従来の手法(3)と同じである。図1に示す装置により,陰極表面に紫外光を照射し,十分な電離増倍が生じるような電圧を印加した状態で紫外光をしゃ断すると,図2に示すような過渡電流波形が観測される。電離電流Iが流れている状態から,紫外光をしゃ断することにより,紫外光による光電子放出電流と速い二次電離作用により陰極から放出された電流の電離増倍電流Ipが急激に減衰する。それに続いてImを初期値とし,時定数τmをもつ減衰電流im(t)が観測される。この電流は,電極間で電離増倍した電子とN2ガスとの衝突により生成された準安定励起分子)A(Nu32が拡散により陰極に入射した際に,γm作用により放出された電子による電離電流成分である。PMSIACGVVGas INBellowsMUVWRHVAMPDOSPCIIW AMP: High-speed current amplifier, DOS: Digital oscilloscope, PC: Personal computer, GV: Gate valve, HV: High voltage, PMS: Gas pressure measurement system, UV: UV light, M: Micrometer, V: Valve, W: Qurtz window, A: Anode, C: Cathode, I: Insulator. 図1 実験装置図 Current I (arb. units)UV light offIIpImim(t)Time t (s)Time constantτ100.010.020.030.040.050.060.1110 図2 過渡電流波形 1412015 千葉工業大学附属研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2015    

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