千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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を問う問題が出題される.たとえば,分詞を扱う第6章には,次のような英文が収録されている. The boy playing the guitar on stage is my son.ii 上記の文は,定期試験では次のような文に変更した上で出題される. The girl standing on the corner is my friend. こうした変更は,解答の丸暗記ではなく,解答へと至る理屈そのものを理解させ,試験勉強を通じて知識の定着を促進することを目的としている. 4.「英文構造理解」e-ラーニング・システム 前項で述べた通り,定期試験において応用問題を出題する目的は,丸暗記では対応できない試験を課すことで,より根本的な理解を促すことにある.しかし,特に下位クラスの学生の中には,授業内容の復習だけではこうした変更に対応できない者も存在している. 2012年度より開発・運用を開始した「英文構造理解」eラーニング・システムは,教科書と同一の英文と,教科書の一部を改変した英文を取り混ぜた形で,定期試験の対策を行うものである.勉強の仕方が分からない下位学生であっても,実際の試験問題に近い問題を繰り返し解くことで,構造分析の過程に慣れ,理解を深めることが可能となる. 2012年度版では,PC版とスマホ版の二種類(出題内容は同一)を公開したが,気軽に何度も練習してもらうことを最大の目的とし,どちらもログインなしで利用できる形にした.また,親しみを感じてもらうために三種類のキャラクター(タロウ,ハナコ,ポチ)を用意すると同時に,連続正解数のランキングを設けることでゲーム性を高めた.その結果,本システムを一度以上利用した者は受講学生の半数近くにまでのぼったが,リピーター(本システムを二回以上使用した者)の数はそれほど増えなかった.また,正解数ランキングについては概ね好評だったが,項目ごとの確認セクションは人気が低かった. こうした問題点の改善に向けて,2013年度は,受講学生の一部を集めて聞き取り調査(システムを使用した感想および具体的な改善案)を行った.この調査を通じて,既存のキャラクターの魅力が乏しい,個人データが蓄積されないのでリピートする意欲が上がらない,などの問題点が指摘された. 上記の指摘を踏まえ,2013年度は,以下の三点について改良を行った. (1)キャラクターデザインコンテストを実施し,学生にとって魅力的なキャラクターを増やす (2)ログイン機能を追加し,個人データを蓄積することで,継続への意欲を高める (3)ログイン機能を利用し,ランキングの種類を増やすことで,ゲーム性をさらに高める 上記の内,(1)については,最大6件の採用件数に対して9件の応募があり,5件を採用した.(2)については,株式会社エレファンキューブの協力の下,学生番号を誕生日を利用したログイン機能を追加し,二度目以降のログイン時には誤答中心に学習できるようにした.(3)については,2012年度の総合ランキングの他,学科別ランキングとデイリー・ランキングを追加した. i 越智敏之,相原直美,三村尚央,浜野志保,ウィリアム・フィッシャー『英文構造理解』第二版(東京: 明月堂書店,2013)p. 33. ii Ibid., p.31. 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      63

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