千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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1.はじめに プロジェクトマネジメント学科において実施しているプロジェクトマネジメント演習は,実社会におけるプロジェクトマネジメントに,より近い形で実施しており,社会に出ても実践として役立つ方向を目指している. その一つとして,科学的な管理技法の取得だけではなく,ドキュメント管理の重要性を身につけさせることも必要である. そこで,本研究では,プロジェクト遂行過程においてユーザとなる教員とシステムを開発する側の学生グループとの間で交わされる各種ドキュメントの履歴を管理するためのシステムを構築することを目的とした. プロジェクトの遂行過程で発生するドキュメントは,ユーザの承認が得られるまでユーザと開発者側とで何度となくやり取りがなされる.これらの変更されていくドキュメントは,変更管理として重要な要素となり,実社会においても重要視されている.また,学生にとっては,変更されたドキュメントを時系列で参照できることは,学習という面からも有意義であり,次年度以降の学生にとっても大いに参考となる.また,次年度以降の学生のOJT(On the Job Training:職場内トレーニング)としても役に立つと思われる. 2.システムの基本設計概念 本システムの基本設計概念を次の様に設定した. ①利用する教員や学生が特別な知識を習得しなくても簡単に利用できること. ②提出物の履歴管理ができること. ③提出物の返却が簡単になおかつ確実に提出者宛に返却できること. 以下の基本設計概念に基づいて,次のような機能とした. ①電子メールの操作でドキュメント提出や返却ができる. ②教員が,提出用のメールアドレスを自由に設定できる. ③提出先のホルダは,自動的に作成される機能. ④提出ドキュメントに,提出時のタイムスタンプをドキュメント名の前に付加する機能を設けた. 同じタイトル名のドキュメントは,同一ホルダに提出されるため,ドキュメント名の前に提出時のタイムスタンプを付加することとした.この機能があることにより上書き保存されないために,ドキュメント管理が簡単にできる. ⑤ドキュメントの返却は,ホルダごとに返却ボックスを設けることにより,校正したドキュメントを,そのホルダにドラッグドロップするだけで,提出者にメール添付で自動送信(返却)される. なお,サーバは,クラウドサーバを用いている. 図1 全体のシステムイメージ 3.教員側操作 3.1 提出用メールアドレス設定 グループごとにドキュメントの提出用のメールアドレスを設定.ドメイン名(@マーク以降)は固定. 図2 メールアドレス(メインホルダ)作成 研究項目: 教育研究助成金 研究期間: 2013/4/1 ~ 2014/3/31 研究課題名(和文): PM演習におけるeポートフォリオシステム構築に関する研究 研究課題名(英文): A study on the Construction of e-Portfolio System of the Project Management Exercises 研究者:(○;研究代表者) ○竹本 篤郎 千葉工業大学 社会システム科学部 矢吹 太朗 千葉工業大学 社会システム科学部 TAKEMOTO Atsurou プロジェクトマネジメント学科 准教授 YABUKI Tarou プロジェクトマネジメント学科 准教授 堀内 俊幸 千葉工業大学 社会システム科学部 田隈 広紀 千葉工業大学 社会システム科学部 HORIUCHI Toshiyuki プロジェクトマネジメント学科 教授 TAKUMA Hironori プロジェクトマネジメント学科 助教 下田 篤 千葉工業大学 社会システム科学部 SHIMODA Atsusi プロジェクトマネジメント学科 准教授 a_grroup@teamfile.me 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      58

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