千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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次に,SD法質問紙による高齢者の主観疲労値とLF/HFの相関関係を検証した結果,図.3より相関係数は0.637であり,やや強い相関があるといえる.若年者については図4より0.435となり,高齢者に比べると約0.2低い値となった. 図3 主観疲労値とLF/HFの散布図および 相関係数(高齢者) 図4 主観疲労値とLF/HFの散布図および 相関係数(若年者) 他の項目については,検品作業と同様に若年者,高齢者共に,自覚症調べでは60分経過後のだるさ感が特に上昇した(図5,6).また,フリッカー値は減少する傾向が見られ,疲労を確認することができた.HF,血圧,エラー率に関してはさほど変化が見られなかった. また,仕分け作業についても検品作業と同様の結果が得られた. 05101520I 群(ねむけ感)II 群(不安定感)III 群(不快感)VI 群(だるさ感)V 群(ぼやけ感)実験前実験後 図5 自覚症しらべ(高齢者) 図6 自覚症しらべ(若年者) 5.まとめ 本研究では,ウェアラブルな装置を用いて軽作業に従事する高齢者の心拍変動を測定することにより、疲労の特徴を明らかにするとともに,疲労評価の可能性を見出すことができた. 参考文献 (1) 加藤象二郎,大久保堯夫:初学者のための生体機能の測り方第2版,日本出版サービス(2006) (2) 林佐千男,南谷晴之,申健洙:蓄積疲労による心拍変動の自律神経系の指標(第2報),第16回生体・生理工学シンポジウム,213/216(1997) (3) 高橋圭太,井上浩:心拍変動によるVDT作業者のストレス・疲労の定量的検討,秋田大学工学資源学部研究報告 第30号(2009) 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      32

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