千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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は,“タブレットのサイズや重さ”以外は不満が減っている.また,“タブレットのサイズや重さ”は不満が増えているというものの満足度も増えている.これは端末やサービスに改良が加えられたり,利用に慣れたり,ユーザ数が増加することによる多様な利用方法が出現したりというのが原因と考えられる.そのため、単純に調査項目をもとに方針を決めるのは得策でなく,時系列の傾向を見る必要がある.図2に,2年間の満足度と不満の各々の差をとり,さらにその大小を計算した結果をcase1として示している.これによると,“アプリやコンテンツ”,“操作性”,“デザイン”が継続して利用されるためには重要なポイントであることがわかった. 表1.アンケート結果による満足・不満な点 (出典:タブレット利用動向調査報告書2013、インプレスR&D) 図2.新たな考え方により求めた満足度と期待の差 2)エリア選択 通信網の設備コストは非常に高価であるため,経済的かつ戦略的な敷設が必要となる.すなわち,潜在需要をどれだけ見込めるかを効率的に求める手法が望まれる.本研究では,エリア選択の意思決定を支援する仕組みとして,前年に検討したエリアの潜在需要を求める枠組みを検証し,改良した手法を検討した.図3に示す7つの現実のエリアを対象に,単に人口順にエリアを選択する従来手法と前年検討した手法を比較し,サービス提供の初期段階では,前年提案した手法が有効であるが,サービスが浸透した充実段階では,従来手法が有効となる結果を得た.それらの分析結果より,選択エリアがあるカバー率に到達するまでは前年提案した手法を,カバー率が十分になれば従来手法を用いる混合手法を提案した. 図3.比較エリアの特徴 3.今後の課題 今後は,提案した手法の妥当性を検証し,より的確な手法に改良していくことが必要である. 本研究に関する主な発表論文 1. M. Iwashita: A Framework for a Posteriori Method of Transitional Analysis to Diffuse ICT Services Based on Text Mining, Advanced Techniques for Knowledge Engineering and Innovative Applications, Communications in Computer and Information Science, Vol. 246, pp. 39-55, Springer, 2013 2. M. Iwashita, A. Inoue, T. Kurosawa, K. Nishimatsu: An Improvement of Micro Area Selection Technique for the Diffusion of ICT Infrastructure, SNPD2014.(掲載予定) 3. M. Iwashita: Transitional evaluation approach of customer satisfaction for ICT services, to be submitted to Review of Socionetwork Strategies. 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      30

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