千葉工業大学 プロジェクト研究年報 2014年版
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図2 A社製ウエハの測定結果 図3 B社製ウエハのラマンピーク分離 3.3 パワーデバイス用SiC結晶の評価 図4に,X線トポグラフィ,図5にフォトルミネッセンスによる同一領域の観察結果を示す.積層欠陥は,フォトルミネッセンスでは検出できているが,X線トポグラフィでは検出されていない.この領域をTEMで評価した結果を図6に示す.上下の4H-SiCの間に2層の6H-SiCが挿入されている.2層の6H-SiCが挿入された積層欠陥のため,上下の4H-SiCの周期性は崩れていない.従って,X線トポグラフィではコントラストが現れないことが判明した. 図4 X線トポグラフィによる観察結果 図5 フォトルミネッセンスによる観察結果 図6 TEM解析結果 3.4 SiC結晶欠陥のデバイスへの影響評価 図7にSiC-SBDの順方向電流-電圧特性を示す.図8(a)に電気特性と貫通転位の個数との相関を示す.貫通転位数の増加とともに,Vthが減少する傾向が見られた.この結果は,個々の転位が微少な電流リークを引き起こし,転位数の増加に対応してVthが減少することを示唆している.図8(b)はVthとVBの相関である.順方向特性と逆方向特性の微少リークには相関があり,転位数の増加は逆方向特性の劣化も引き起こす. 図7 順方向電流-電圧特性 (a) Vthとの相関 (b) VthとVBの相関 図8 転位密度と電気特性の相関 4.おわりに パワーデバイス用Si,GaNおよびSiC結晶を様々な手法を用いて評価した.その結果,Siエピタキシャルウエハにおけるミスフィット転位,GaN on Siウエハの緩和層,SiC結晶の積層欠陥,SiCショットキー障壁ダイオードと貫通転位に関する新たな知見が得られた. 本研究に関連した学会発表 1)山本秀和,第61回応用物理学会春季学術講演会,19p-F9-15,2014 2)川本光太他,第61回応用物理学会春季学術講演会,19a-PG5-4,2014 3)安藤将吾他,第61回応用物理学会春季学術講演会,19a-PG5-5,2014 4)白取美帆他,第61回応用物理学会春季学術講演会,19a-PG5-6,2014 5)冨永誠他,第61回応用物理学会春季学術講演会,19a-PG5-7,2014 2014 千葉工業大学附属総合研究所 プロジェクト研究年報          Project Report of Research Institute of C.I.T 2014      10

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