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2022.12.15

岡本さんらグッドデザイン賞


外国人入居者 手助けアプリ
 世界4大デザイン賞の1つともいわれる「グッドデザイン賞」の2022年度受賞対象に、本学の岡本陸さん(工学専攻博士課程1年、長尾徹研究室=写真)がプロダクトデザイナーとしてインターン参加している(株)PIDのチャットアプリ「Dicon」が選ばれた。一般・公共用システム・サービスの部での受賞。
 Dicon(Diversity Concierge)は、日本で暮らす外国人と不動産管理会社を、自動翻訳機能を搭載したチャットツールでつなぐもの。入居者・管理会社双方にとって、言語の壁による意思疎通の心理的負担が大きいという問題を解決すべく開発に乗り出したという。アプリはQRコードを読み込むか、管理者からSMSで送られるURLをクリックするだけで、スマホのブラウザで利用開始可能。全入居者への一斉通知もできる。
 管理会社側は受け取ったチャットをカンバンビュー形式で整理し「未対応/対応中/対応済」と業務を効率化できる。
 国内外共通仕様として昨年3月から販売され、開発チーム5人のうちの1人に岡本さんが名を連ねた。
 岡本さんは院生進学とほぼ同時にインターンを開始。ユーザーが抱える問題からアプリに必要な機能を洗い出し、ユーザーとの接点をデザインする役割を担っている。
 岡本さんは「社会的意義を持ったコンセプトに対して賞をいただけたと思っています」。また「関わったものが世の中に実装されるという貴重な経験ができたので、さらに研究や将来世代に還元していきたい」と話している。
瀧澤春妃さんも ニューホープ賞
 瀧澤さん(デザイン科学専攻修士1年、赤澤智津子研究室=写真)は「luanne(ルアン)−思春期女子学生に向けた月経教育パッケージ−」と名付け、みんなと一緒に「悩み」を疑似体験しながら月経のことを学ぶボードゲームを作った。専用アプリで匿名相談所にもつながるようになっている。仕組みのデザインの部での入賞。
 審査で「ボードゲームとしたところに、複数で語り合いながら理解を深めることを大切にしている姿勢が表れている」と評価された。
 瀧澤さんは「受賞できて大変うれしく思います。デザインを通して、これからの時代を担う人になれるように励みたいと思います」と語った。
宇井さんの排泄 ケアシステムも
 本学卒業生・宇井吉美さん=写真=の(株)abaが開発した排泄ケアシステム「Helppad(ヘルプパッド)」も、家庭用福祉用品・介護用品の部でグッドデザイン賞を獲得した。センシング技術・AI技術を使い、便や尿の「におい」で排泄を検知する。おむつや衣服を着用したまま、専用の吸引シートをベッドに敷くだけ。おむつを開けずに排泄が分かるので介護職員の負担が減り、要介護者もより良い介護が受けられる。パラマウントベット(株)と組んで2019年に実用化した。

野村さん トレース技術駆使


自律ロボ競技で準優勝
 第39回マイクロマウス中部地区大会(10月30日、名古屋市熱田区の名古屋工学院専門学校で開催)は3種目が競われ、ロボトレース競技で野村駿斗さん(未来ロボティクス学科3年、林原靖男研究室=写真)が準優勝した。
 競技は、黒い走行面に白テープの直線、曲線が約45bにわたって複雑に引かれ、そのラインを自律ロボットにトレースさせる。巧みさ、速さ勝負で、走行中は人が操作してはいけない。
 野村さんは、設計からプログラムまで先輩にアドバイスしてもらい製作した「はやぶさ」号で出場。スピードを上げてもロボットが跳ねないよう、地面に押し付けるプロペラを搭載する工夫を施した。
 タイムを縮めるには設計、プログラムの両方を改善しないといけない。ネットで調べたり、経験者から情報を集めたりして、今回は1位と約3秒差で準優勝した。
 野村さんは1年次から競技を始めたといい、「初めての入賞なのでうれしい。今後も全日本学生大会や、社会人参加の全日本大会があるので、頑張りたい」と語った。

鳥羽さん、根立さんゴールド賞


発電菌やナノニードルで
 次世代の科学者育成のため材料技術研究協会が主催するInternational Student Symposium 2022(ISS=8月27日、オンライン開催)の口頭発表で、本学の根立拓郎さん(先端材料工学科4年、高橋伊久磨研究室)と鳥羽悟史さん(生命科学科4年、黒ア直子研究室)がそろってゴールド賞を受賞した。2人の発表テーマと受賞の感想は次の通り。
●根立 拓郎さん 「谷津干潟の泥土を利用した微生物燃料電池に関する研究」
 谷津干潟の泥土中に存在する発電菌を電極に用いた微生物燃料電池の研究。発電菌が谷津干潟の環境汚染要因である泥土中の有機物を分解して発電するのでクリーンな発電だ。同時に谷津干潟の浄化もでき、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)への貢献が期待できる。
 根立さんらは、発電菌が活発に活動できる電極を開発し性能の向上を目指す。発電特性の測定は約1カ月と長期にわたり、データ処理と資料作成が大変だったという。
 「初めての学会で受賞でき、光栄です。緊張しましたが、自信を持って発表できました。サポートしていただいた先生方、先輩にはとても感謝しています」
●鳥羽 悟史さん 「TiO2ナノニードルによる殺菌作用」
 昆虫の翅表面のナノニードル構造が殺菌作用を示す「メカノ殺菌効果」が発見され、これを模倣した構造でも同様の殺菌作用を示すことが明らかになった。鳥羽さんらは産業技術総合研究所 との共同研究として、TiO2ナノニードル構造によるメカノ殺菌効果を検証した。
 発表では図やイラストを多く用い、分かりやすいスライドを心掛けた。
 「研究計画や実験方法を含めて、初めての学会発表はよい経験になりました。先生や先輩方のご指導に感謝しています」

東京理工科大学柔道


本学、男子団体で優勝
優勝した柔道部。前列左から2人目が佐々木主将
優勝した柔道部。前列左から2人目が佐々木主将
 令和4年度東京理工科大学柔道優勝大会が10月2日、講道館(都内文京区)で開催され、本学体育会柔道部(佐々木練主将=電気電子工学科4年=部員27人)は男子団体試合で優勝した。
 大会は本学と工学院大、芝浦工業大、東京電機大、東京都市大、東京理科大、法政大の7校で構成。部員不足の不参加校があり、4校でのリーグ戦となった。
 1試合目、東京理科大と対戦。次鋒戦・木内選手、フェイントから左の袖釣込腰を放ち一本勝ち。5対0で圧勝。
 2試合目、対法政大。先鋒戦・高橋選手、大内刈りから右の一本背負いと流れるような連続技で一本勝ち。2対1で勝利。
 3試合目、芝浦工大と2勝同士で対戦。先鋒戦・福田選手、足車で「技あり」を先取。続いて背負い投げを放ち、合わせ技一本勝ち。次鋒戦・佐野選手、出て来る相手の圧力に耐え、組み手を捌き封じ込め引き分け。中堅戦・福士選手、得意の寝技に持ち込み、抑え込み一本勝ち。副将戦、香取選手の161センチに対し、相手は185センチ。香取選手は素早い動きから背負い投げを連発。中盤、左の一本背負いを放ち一本勝ち。大将戦・平川選手、体重を生かし相手を捕まえ払腰で一本勝ち。優勝決定戦を4対0で圧勝し、3試合全勝で優勝を果たした。
佐々木主将の話
 ご指導いただいている坂本幸弘部長(先端材料工学科教授)、今井学監督(監査室)ら関係する方々に結果で恩返しでき、ホッとしています。試合前に坂本部長・金子満男先生 (元同窓会事務局)・須長悌治先生から激励の言葉を頂いたお陰で優勝できました。活気ある稽古を継続させ学業との両立を図りたいと思います。