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2022.6.15

圧送時の品質分析で優秀賞


高流動コンクリート
■ 橋本研・池田さん
 土木学会の第49回関東支部技術研究発表会(3月8〜10日、Zoomによるオンライン開催)で、池田信義さん(都市環境工学専攻修士2年、橋本紳一郎研究室=写真)が「締固めを必要とする高流動コンクリートの圧送前後における品質評価に関する分析」を発表し、優秀発表者賞を受賞した。
 硬めの通常コンクリートをポンプで型枠に圧送する時の品質変化については現在、施工条件に応じたスランプ(流動性)低下の目安が土木学会で規定されている。しかし、特に流動性の高いコンクリートの流動性を表す指標「スランプフロー」については、品質変化を考慮する報告はなされていない。
 そのため、池田さんは文献調査を基に、スランプフローで管理するコンクリートの圧送前後の品質変化について調査し、取りまとめた。
 オンライン発表なので、話す速度に注意を払った。発表前には緊張をほぐそうと努めたという。
 池田さんは「多数の参加者の中で、自分の発表が認められたのは素直にうれしいです。今後も精進を重ね、全国大会やその他の学会発表でも認められるようにしたいと思います」と語った。

大多喜町で まちづくり授業


■ 磯野助教が高校生に
 都市環境工学科の磯野綾助教は、房総半島南部の大多喜町が抱える課題に理解を深め、地域貢献への意識を高めるため、大多喜高校(中間芳秀校長)で「地域をよくするってどうすればいいんだろう?」と題して模擬授業を行った=写真
 同高には「総合的な探求の時間」の授業がありその5、6時限を利用。1年生を2組に分け、計127人に授業を行った。
 磯野助教の専門は「景観工学、まちづくり」で、「地域に誇りと愛着を持って暮らすにはどうすればよいのか」「地域固有の魅力とは何か」の問いに、景観やまちづくりを通して応えようとしている。自身が大多喜町出身でもあり、地域を良くしていくために必要なハード(施設や設備)やソフト(人材や技術、情報、制度など)の具体例を挙げて、分かりやすく説明。
 また、地域にかかわる人たちについても、定住者のような定住人口▽観光目的や通学通勤者のような交流人口▽地域のファンとなりうる関係人口――に分け、各々の地域へのかかわり方の例を挙げ、動画などを用いて説明した。
 説明後、生徒たちから「森林を活用した事例などはありますか?」「先生の取り組みで、大きな結果が出たものはありますか?」「地域内・外の両方の人たちに情報を伝えるにはどうしたらいいですか」などと積極的な質問が出て、やりとりが展開された。
 磯野助教は「今日の授業が、皆さんの探求学修活動につながるよう、今後のテーマ設定に少しでもヒントとなればうれしいです」と話を締めくくった。

藤本研2人 ポスター賞


■ ファイバレーザー開発で
 高度なレーザーと光子源に関する第11回国際学会(ALPS2022=レーザー学会主催、4月18〜21日、横浜市のパシフィコ横浜で開催)のポスターセッションで、橋健太さん(電気電子工学専攻修士2年、藤本靖研究室=写真左)と黄金井彩花さん(同1年=同右)が「Dy3+ドープ耐候性フッ化物ファイバを用いた黄色(波長575ナノメートル)レーザーの開発」を英文発表し、ポスター賞を受賞した。
 2人は藤本教授の研究室で、光材料の物性やレーザー制御を研究している。コロナ禍でオンライン開催が続いたが今回、対面発表が復活した。
 細いファイバー内にレーザー光を閉じ込め使うファイバーレーザーは、微細加工や溶接、切断、計測などでの利用が急速に進んでいる。黄色レーザーは医療分野や、金属加工などに活用されてきたが、既存レーザーは装置が大型でエネルギー効率が悪いといった欠点が指摘されてきた。
 2人は希土類イオンのDy3+がドープ(添加)されたファイバを用いて、小型で高出力・高効率の黄色ファイバレーザーを開発した成果を報告した。
 英文のポスター制作は初めてといい、図や写真の配置を特に工夫した。
 高橋さんは「緊張しましたが、たくさんの方々が来場され、学会幹事からは『2人で一生懸命発表されている姿に心を打たれた』といっていただけた」。後日、表彰状と立派な盾が届き、うれしかったという。
 黄金井さんも「最初は緊張しましたが、今後が楽しみといった声をいただけた。今後も頑張っていきたい」と語った。

安藤教授に標準化貢献賞


■ 人間工学会
 日本人間工学会(吉武良治理事長)は、知能メディア工学科の安藤昌也教授=写真=に対し「人間工学の普及と発展に多大な貢献があった」として、6月18日付で標準化貢献賞を贈った。
 日本人間工学会は、国際標準化機構で制定される国際規格(ISO規格)のうち人間工学に関わる規格について日本を代表して審議を行うほか、日本にとって有益なものを日本産業規格(JIS規格)として発行するなどの活動を進めている。
 安藤教授は、人間工学に基づいた製品コンセプトの開発やユーザエクスペリエンスデザインの研究を行う一方、人間工学に関するISO規格の国内対策委員会の委員のほか、JIS規格の委員として、ソフトウェアにおける高齢者・障害者への配慮設計指針やユーザビリティ(使いやすさ)の定義に関する規格の策定に携わった。また、人間中心設計に関するJIS規格の委員長を務めるなど、人間工学関連規格の策定・普及に貢献した。

ベスト・ティーチャー賞に熱海教授


3年度後期GL賞に9教員
 令和3年度後期のグッド・レクチャー(GL)賞に教員9人が選ばれ、6月9日、受賞式が行われて、松井孝典学長から表彰された=写真。前後期のグッド・レクチャー賞からさらにベスト・ティーチャー賞として熱海武憲教授=左から4人目=が選ばれ、表彰状と盾が贈られた。
令和3年度後期グッド・レクチャー賞

ベスト・ティーチャー賞

 熱海武憲教授(機械工学科)「計測工学」

グッド・レクチャー賞

 小山和也教授(先端材料工学科)「材料電気化学」▽山崎克巳教授(電気電子工学科)「電気回路解析学」▽内海秀幸教授(都市環境工学科)「構造力学1、応用力学」▽大川茂樹教授(未来ロボティクス学科)「信号処理論、数値解析学1」▽横山利章教授(教育センター)「線形代数応用」▽金田晃一教授(教育センター)「スポーツ科学」▽軍司圭一准教授(教育センター)「微分積分」▽木島愛教授(教育センター)「言語と文化2」