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2022.4.15

令和4年度 入学式
文明のデザイン力 高めよう


松井孝典学長 式辞
 新入生の皆さん、コロナ禍という困難を乗り越えてのご入学、おめでとうございます。また、ご家族の皆さま、心からお祝いを申し上げます。
 これからの新しい生活に心をときめかせて、今、この場におられることと思います。大学と高校までの教育には、大きな違いがあります。大学には「校」という言葉がついていません。単に学ぶのではなく、大学という場を通じて、自ら未来を考え、そのスキルを磨くことが必要だからです。
 それは、現在、社会が求めている工学分野の人材の育成にも、つながります。その人材とは、アーキテクトと呼ばれる人材です。アーキテクトというと、建築をイメージするかもしれませんが、従来の言葉でいえば、総合工学、あるいはシステムエンジニアに近い概念です。未開拓の分野に、新しいプロジェクトを考案し、それを設計し、作り上げることができる人材です。
 千葉工業大学は、これまで、こうしたアーキテクトを必要とする分野において、社会に貢献してきました。
 一例を挙げれば、昨年秋に開かれたワールド・ロボット・サミット(WRS)での優勝です。災害時に使うロボットの性能を定量的に評価する「災害対応標準性能評価」、略して(STM)部門で優勝しました。
 千葉工業大学は2011年の福島第一原発事故後の情報収集をはじめ、常に災害現場で必要とされる実践的なロボットを開発してきました。優勝は、本学発の技術やシステムが「世界標準」、いわゆるグローバル・スタンダードとして認められたことを意味します。つまり、本学が、世界中どこでも適用される基準や規格、ルールを作ったということです。
 このほかにも、世界トップクラスの研究が生まれています。千葉工業大学が昨年10月に打ち上げた宇宙塵探査実証衛星「ASTERISC(アスタリスク)」に搭載された「膜型ダストセンサー」と、衛星を制御する「バスシステム」は、スペースデブリの観測に寄与するほか、宇宙から地球に入ってくる有機物を検知することや、火星などの遠い星を目指す宇宙探査の際に広く使われることが期待されています。
 千葉工業大学がなぜ、こうしたアーキテクトの役割を担えるのでしょうか?それは「世界文化に技術で貢献する」という建学の精神を羅針盤として歩んでいるからです。世界文化とはアーキテクトにつながる概念です。
 本学は昭和17年に創立され、今年5月に80周年を迎えます。建学の精神は、当時の設立趣意書に記載されている言葉なのです。
地球規模の難題に
 21世紀も四半世紀近くを経た今、時代は大きく変化し、人類は、文明の岐路に立っています。ロシアによるウクライナ侵攻は、世界の秩序を変えました。人類は、また、新型コロナウイルスという感染症をはじめ、地球温暖化、エネルギーといった、地球規模の難題を抱えています。
 これらを科学技術で克服し、持続的に文明を進化させていかねばなりません。そのカギを握るのは、技術革新です。技術革新という新しい「知の流れ」を生み出して、社会に還元していくことが我々の使命なのです。
 知の流れとはわかりやすく言えば、「文明のデザイン」です。21世紀の大学は、文明をどのようにデザインしていくかが問われています。まさにアーキテクトが必要なのです。
 文明が発展するためには、知の拠点である大学の絶え間ない発展が必要です。これから千葉工業大学に必要なことは長期的視点に立って文明のデザイン力を高めていくことです。
 具体的には、工学に加えて理学的なセンスを磨くことです。本学にも、そのような場がいくつかあります。
 例えば、惑星探査研究センターでしょう。このセンターの究極のテーマは、アストロバイオロジー、すなわち宇宙における生物学です。宇宙における生命の起源や進化、地球外生命体の存在の有無などを、俯瞰的に研究し、「私たちはなにものか、どこから来て、どこへ行くのか?」という、私たちがもつ究極的な問いに対する、答えを探すことが目的です。それは文明のデザインに深くかかわります。
 また、昨年11月に設立した「変革センター」は既存の学問の枠を超えて社会の役に立つ新しい研究を進めていく「脱専門性」の研究機関です。これからの日本社会を変える試みといえるでしょう。
若い世代が切り開く
 コロナ禍という困難な状況ですが、私たちには今、物事の本質を見極め、これまで身につけた知識や技能を駆使して、解決策を見いだす力が試されているのだと思います。難題を乗り越えて、新たな未来をいかにして切り開いていくか?
 それは皆さんのような、若い世代に託されています。千葉工業大学は、そのために必要な、学力と創造性を身につける場を、十二分に提供できると自負しております。
 皆さんには、これからの大学生活の中で、積極的に新たな「知の流れ」を生み出す過程に参画し、人類の発展に、寄与していただきたいと願っています。
 今後の皆さんの、知へのチャレンジに大いに期待して、私の式辞といたします。あらためて、ご入学おめでとうございます。
真剣な表情で式辞を聴く新入生たち
真剣な表情で式辞を聴く新入生たち
入学式会場に向かう新入生たち
入学式会場に向かう新入生たち

新入生インタビュー


浅野 優輝さん

医療に役立つ機器作る

浅野 優輝さん
(機械工学科)

 
佐古 涼介さん

機械の魅力にはまって

佐古 涼介さん
(未来ロボティクス学科)

 就職に強い大学ということで志望。小さい頃からプラモデルに始まり、物作りが大好き。得意な理系科目をのばし、将来は医療に役立つ機器を作りたい。大学生活では、新しいことにたくさん挑戦したい!    壊れたゲーム機などををバラして直すことが楽しく、機械の魅力にはまりました。構造を知ることがとても興味深い。祖父からもらった大切な道具で、役に立つ、ちょっとだけ笑えるようなロボット作りをしたい。
 
庄  妙華さん

やりたいこと極めたい

庄  妙華さん
(情報ネットワーク学科)

 
及川 真咲さん

資格もサークル活動も

及川 真咲さん
(経営情報科学科)

 宇宙兄弟のパンフが千葉工大との出会い。コンピューターやPCがもともと大好きなので、これからいろいろなプログラミングを習得したい。友達と遊んだり、勉強したり、資格取得にと、自分のやりたいことを見つけて極めたいです。    経営工学にプログラミングなど、興味あることが満載。資格も取りたいのでさっそく購買で気になる資料を発見!サークル活動も楽しみです。内面から磨いて自立した人になりたい。学べることは全部吸収できるようにがんばるぞ!
 
佐久間 未帆さん

苦手克服、高みを目指し

佐久間 未帆さん
(応用化学科)

 
浜田 鈴夏さん

海外の建築物を、現地で

浜田 鈴夏さん
(建築学科)

 初めての電車通学にまだドキドキです。高校のうちから課題研究で化学に触れていたけれど、大学では本格的に学んで就職に役立てたい。苦手な部分を克服し、疑問を解決しながら、高みを目指せるよう勉強に励んでいきたいです。    普通科高出身なので、大学で専門知識を勉強し、将来作りたいものを考えたい。インテリアに興味があり、建築士の資格取得も目指します。苦手な英語もマスターしたいので海外研修にも興味。海外の建築物を現地で学んでみたいです。
 
柴田 匡翼さん

防災を重点に学びたい

柴田 匡翼さん
(都市環境工学科)

 
岩澤  陸さん

将来、コンサルの仕事を

岩澤  陸さん
(経営情報科学科)

 高校1年時、地元で台風被害に遭ったが復旧の早さに驚き、防災に興味を持ちました。防災を重点的に学びたい。履修登録やサークル活動など、心配とワクワクでしたが、ガイダンスで友達もでき、安心して大学生活がスタートしました。    受験時、WEBオーキャンや動画で千葉工大対策はばっちり!今は、たくさん友人を作って楽しい大学生活を送りたい。コミュニケーション能力を付け、将来はコンサルの仕事につければ……。サークルではフットサルに挑戦したい。