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2020.9.15

令和2年度
コロナ禍で中止後、公式復活


秋季卒業・入学式を挙行
 令和2年度の秋季学位記授与式=写真上=と秋季入学式が9月16日、瀬戸熊修理事長、松井孝典学長らが出席して津田沼校舎1号館20階で行われた。コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、昨年度中止された学位記授与式以来、公式に対面で行われる式典となった。
「新しい知の流れを」
「今こそ試される力」
松井学長
 卒業したのは学部12人、大学院修士課程4人、博士の学位を授与されたのが2人で、会場には13人が出席。保護者や友人らに囲まれ、無事式典を迎えた。
 松井学長=写真上=は「卒業とは、過去の知の学びを終えることで、これからの新しい知の獲得をスタートするといってもいいでしょう。皆さんには、これまで学んだ工学を基盤に、幅広い分野を学び、社会の中で『知の流れ』を生み出し、人類の発展に、寄与していただきたいと願っています。今後の皆さんの、ご活躍を大いに期待して、私の式辞といたします。ご卒業おめでとうございます」と祝福の言葉を述べた。
 次いで午後3時から、同場所で秋季入学式が行われた。秋季新入学生は、大学院修士課程の工学研究科に2人、情報工学研究科に2人、社会システム工学研究科に2人。博士課程は工学研究科、情報工学研究科に各1人の計8人。マネジメント工学専攻博士後期課程にも1人が入学した。
 コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限もあり、留学生を含む今回の入学式への出席者はわずか2人。小さな入学式ではあったが、新入生は大きな一歩を踏み出した。
 松井学長は式辞で「こうした状況だからこそ、我々は、物事の本質を見極め、これまで身につけた知識や技能を駆使して、解決策を見いだす力が試されているのだと思います。難題を乗り越えて、新たな未来をいかにして切り開いていくか。
 それは皆さんのような若い世代に託されています。皆さんには、これからの大学生活の中で人類の発展に寄与していただきたいと願っています。皆さんの知へのチャレンジに大いに期待しています」と述べた。
博士課程修了を恩師と祝う
博士課程修了を恩師と祝う

連携協定 地域活性化へ


多古町、いすみ市とも
 本学は7月6日、千葉県北東部の香取郡多古町(所一重町長)と地域の活性化などで協力する連携協定を結んだ。
 本学学生・教員が町内の小中学校でロボットや人工知能(AI)などの授業をするほか、町職員とイベントで交流。学生の視点をまちづくりに生かして、との要請に応える。
 協定書を交わした瀬戸熊修理事長は「最先端の技術に子どものころから触れてもらい、科学立国に貢献できる人材育成のお役に立てれば……」と話した。また、瀬戸熊理事長は式後、町役場を訪れていた生徒たちに、本学OBが開発した「富士山消しゴム」とマスクを手渡した。
  ◇
 7月13日には県内南東部・いすみ市役所で、いすみ市(太田洋市長)と包括連携協定を締結。県内で同様協定を結んだ自治体は15となった。
 締結式後、本学から市にiPadが贈呈された。学生に貸与していた一部で、今回は150台を寄贈。協定に基づく最初の取り組みとして、児童福祉の現場で活用される。
 いすみ市とは、2017年から地域の課題解決に向け連携事業を展開。学生が地域に入り込み市民と協働することで新しいものを生み出そうと参画してきた。今回の包括的協定で、一層強固な関係の構築が期待される。
多古中の生徒と瀬戸熊理事長 いすみ市にiPadを贈呈
多古中の生徒と瀬戸熊理事長 いすみ市にiPadを贈呈

特別支援学校から


「お礼に」手製の品々
 いすみ市には6月初旬、本学から地域の子供たちへと、マスクと富士山消しゴムを寄贈。大学宛てにお礼の寄せ書きが送られている。中でも、夷隅特別支援学校から、ぜひ感謝を伝えたいと要望があり、締結式に先立ちサプライズで返礼の品々が贈呈された。
 「マスクと富士山消しゴム、ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです」。お礼の言葉とともに年光克水校長から手渡されたのは、すべて手作りの品々=写真
 中でも圧巻なのが大きなすだれ。材料の葦は、夷隅川河口ラグーン(潟湖・せきこ)に地元の小学校児童らと、本学大学院生が植えたもの。18年に本学がNPO草炭緑化協会の環境保全活動の一環で、イオン環境財団の第27回環境活動助成先に採択され実施した。2019年からプロジェクトにかかわった応用化学専攻修士1年(尾上研)の美濃耕介さんは、プロジェクトのリーダーとして困難な中2020年も作業に取り組み、「自然環境の再生は非常に重要なこと」と振り返った。瀬戸熊理事長は「学生たちの活動が、このような形で実を結ぶことは非常に感慨深い」と、お礼の言葉を述べた。

「富士山消しゴム」贈る


松井学長 古里の児童に
 松井孝典学長は7月14日、静岡県周智郡森町の小学生全員(5校約880人)に、本学OBの本木礼夫冴さんが開発した「富士山消しゴム」(本紙6・7合併号6面参照)を贈った。
 森町は静岡県西部の、山あいに清流が流れる町で、由緒ある神社仏閣や伝統行事があり「遠州の小京都」と親しまれる。松井学長は同町睦実出身で、町の観光大使を務める縁から、今回の寄贈となった。
 消しゴムは「文房具総選挙2020」で大賞をとったもの。前後左右バランスよく消していくと、自分だけの富士山の形が現れる。児童たちに楽しく勉強に励んでもらおうと贈られた。

世界の大学評価にランクイン


本学 5年連続で
医学部のない日本の私立大学のランキング

 英国の高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」は9月12日、「世界大学ランキング」2021年版を発表。世界の1527校がランクインしたが、日本は米国に次いで2番目に多い116校がランクイン。内訳は国立57校、公立12校、私立47校だった。
 このうち医学系の学部を持たない私立大は22校=別表。本学は昨年と同じ「1000+」で、2016年以来、5年連続でランクインした。
 海外20カ国・地域、41大学と交流協定を結んで留学生を互いに交換するなど、国際性と技術研究の先進性が高く評価されている。