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2019.4.15

進む「地域と共生」 締結9市町に


酒々井町と本学、連携協定
協定書を手に小坂町長(右)と瀬戸熊理事長
協定書を手に小坂町長(右)と瀬戸熊理事長
 本学は3月6日、県北中央部の酒々井町(印旛郡)と、教育や地域の発展について包括的連携協定を締結した。
 締結式で酒々井町の小坂泰久町長は、協定に基づく最初の取り組みとして、本学が寄贈したタブレット端末125台を教育現場で活用する予定を語り、瀬戸熊修理事長に感謝の言葉を述べた。
 千葉県内で同様の協定を締結した自治体は習志野市、浦安市、御宿町(以上2014年)、千葉市、香取市(同16年)、船橋市、市川市(同18年)、勝浦市(同19年)に続き9番目。本学が進める「地域社会との共生」はさらに前進した。
 酒々井町は古くは北総地域の政治的中心地。印旛沼水運や農業・酒造で栄えた。近代に首都圏通勤者の住宅団地が広がり、人口はピークを迎えたが、その後、漸減傾向が続いている。
 本学はロボット、宇宙科学などの最先端技術を紹介したり、地場産業との連携、酒々井町が進める「コンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりの推進」への学生の力の活用などを探る。

枠を飛び出す研究者たち


ステアラボAIシンポ開催
 人工知能・ソフトウェア技術研究センター(STAIR Lab)は2月23日、東京都千代田区で「Acadexit:大学・研究機関から飛び出す研究者たち」と題したシンポジウムを開催した=写真
 2017年から毎年1回開いている「ステアラボ人工知能シンポジウム」の一環で今回は3回目。
 最近、大学や研究機関の研究職の地位をなげうってベンチャー企業を起こしたり、ベンチャー企業に参画して研究の場を移す研究者が現れている。ステアラボはこの現象を「Brexit」(ブレグジット)になぞらえて「Acadexit」(アカデグジット)と呼ぶことにした。
 今回のシンポジウムでは、最近アカデグジットして話題を集めた人工知能・機械学習の3人の若手研究者を招いて、その最新の研究内容・動向とアカデグジットした背景などを聴いた。さらにパネルディスカッションでアカデミアに何が起きているかを参加者と議論した。
 3人は、山口光太氏=(株)サイバーエージェントAI Lab研究員▽牛久祥孝氏=オムロンサイニックエックス(株)プリンシパルインベスティゲーター▽瀬々潤氏=(株)ヒューマノーム研究所代表取締役。
 山口氏は東北大大学院情報科学研究科助教から17年に現職。現在はオンライン広告クリエイティブについて研究している。
 牛久氏は東京大大学院情報理工学系研究科講師から18年に現職。現在の研究は画像キャプション生成や画像認識、クロスメディア理解。
 瀬々氏はお茶の水女子大、東京工大准教授を務めた後、産総研で人工知能研究センターチーム長などを務め、18年に現職に就いた。機械学習・数理統計の手法開発と生命科学の大規模データ解析が専門。
 講演とパネルディスカッションを通して、国立大学法人や公的研究機関の運営の問題点、競争的研究資金に関する日本と欧米の格差、企業が学術研究を行うことの意義など、さまざまな議論が展開された。
 グローバル化・巨大化したIT企業が大学や公的研究機関などの研究費を大きく上回る研究資金を投じるようになった今、パワーバランス回復のために、“大学の企業化・企業の公益化”が社会から要請されているのではないかといった意見も出されていた。
前田俊行主席研究員の話
参加者は約180人。多種多様な企業の研究・開発職をメーンに大学、官庁などあらゆるセクターから参加者が集まり、「千葉工大ステアラボ」への期待が高まっていることを実感しました。

世界最大 動作をAIが日本語で説明


ステアラボが動画セット公開
 人の日常シーンを撮影した約8万本の動画の内容を、約40万個の日本語のキャプションで説明したデータセットを、3月12日からステアラボがインターネットで公開している。
 この「STAIR Actionsキャプションデータセット」は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/産総研の次世代人工知能プロジェクトの一環として、ステアラボの重藤優太郎主任研究員=写真=が中心となって構築した。人の動作動画キャプションデータセットとしてはマイクロソフト社の26万件を超えて世界最大規模。また、日本語では初の大規模データセット。
 ディープラーニングの長足の発展によって、さまざまな産業分野で人工知能(AI)の応用が行われるようになってきた。とりわけ少子高齢化社会では、育児や介護分野でのAI活用が期待されている。そのためには人の動作の認識と、認識した内容の言語化などの能力が必要になる。
 「STAIR Actionsキャプションデータセット」はステアラボが昨年7月に公開した、ディープラーニングによる動作認識モデル構築のための日常シーンを収めた動作動画10万本からなるデータセット「STAIR Actions」から約8万本を抜き出し、「誰が」「どこで」「何をしている」の3つの要素で構成されるキャプションを付与した。
 これをディープラーニングの訓練用データとして使えば、動画を日本語に変換するモデルを構築することができる。
 さらにこれまで欠落していた日本語キャプションの穴を埋めることにより、日本語に基づく動画と言語をつなぐマルチモーダル研究が一気に加速することが期待される。

台湾・成功大と交流協定


まず計画・設計学部と
小宮学長(左)と鄭泰昇学部長
小宮学長(左)と鄭泰昇学部長
 小宮一仁学長は3月11日、台湾・台南市に本部を置く国立成功大 (蘇慧貞学長)を訪問し、計画・設計学部と教育研究に関する包括的な交流協定を締結した。
 成功大は文系から理系まで9学部で70を超す学科を展開し、本学と協定済みの国立台湾大と並ぶ総合大学。小宮学長と蘇学長は、交流協定を今後、他学部にも広めていくことを確認した。
台北科技大とは更新
 翌12日には台北市の国立台北科技大で、小宮学長と王錫福学長が学生交換協定の更新書に署名した。
 千葉工大とは平成25年7月に包括的大学間交流協定と学生交換協定を締結。この5年間に科技大から協定校では最多の47人の学生が本学を訪れ、本学からも20人が台北科技大を訪問している。交流学生数をさらに増やしたいとの要請で、交流を強化する内容に改訂した。

米田教授と鴻巣教授


30年度ベスト・ティーチャー賞
後期グッド・レクチャー賞は8人
 平成30年度後期のグッド・レクチャー賞に教員8人が選ばれ、4月3日の受賞式で小宮一仁学長から表彰された=写真。前後期のグッド・レクチャー賞からさらにベスト・ティーチャー賞として米田完教授と鴻巣努教授を選出。同日開かれた教授総会で小宮学長から2教授に表彰盾が贈られた。受賞者は次の通り(順不同)。
 ▽ベスト・ティーチャー賞=米田完教授、鴻巣努教授
 ▽グッド・レクチャー賞=内海秀幸教授「応用力学」、大川茂樹教授「数値解析学1」、鴻巣努教授「コミュニケーションマネジメント」、小山和也教授「材料化学プロセス工学2」、米田完教授「ロボット構造力学」、石原沙織准教授「建築構造材料」、木島愛准教授「言語と文化2」「国際社会論」、C・イコノミデス非常勤講師「微分積分」