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2019.4.15

「令和」へ2605人


平成最後 31年度入学式
緊張した表情で小宮学長の式辞を聴く新入生たち=幕張メッセの会場で
緊張した表情で小宮学長の式辞を聴く新入生たち=幕張メッセの会場で
 平成31年度の千葉工業大学入学式が4月1日、幕張メッセ(千葉市美浜区)イベントホールで行われた。入学志願者が過去最高を大きく更新して9万人を超える狭き門を突破した学部生と、さらなる専門分野の研究に挑戦する大学院生合わせて2605人が、新元号「令和」の決定とともに新たな一歩を踏み出した。(6、7面に学長式辞、理事長祝辞、新入生インタビュー
「精いっぱい努力」新入生宣誓
 今年度の新入生は工学部6学科823人、創造工学部3学科420人、先進工学部3学科393人、情報科学部2学科327人、社会システム科学部3学科321人と、大学院321人(修士課程3研究科314人、博士後期課程3研究科7人)。
 入学式は新元号発表に先立つ午前10時半に開会。小宮一仁学長は式辞で「皆さんは高校までは正解のある問題を解くための努力をしてきたが、これからは答えのない問題に、自ら主体的に解を出していく力を身に着けていただきたい」と、大学生活での自覚を促した。
 そして、学部新入生が100歳になる年に22世紀が始まるとした上で、「単純計算上は皆さんの中の440人以上が22世紀をその目で見ることができる。自分たちは、地球上の全ての人々が幸福を感じられる、持続可能な開発のための役割を担っているのだという気概をこれからの学びの目標に置いて、勉学に励んでほしい」と呼びかけた。
 瀬戸熊修理事長は祝辞で、本学の入学志願者数が全国の国公私立782大学中、4年連続でベスト10入りし、入学倍率は志願者数トップの大学の2倍強になっているとして「記念すべき改元の年に千葉工大生となった皆さんは、大いなる誇りと自信をもって、これから始まる授業や研究、サークル活動に自ら限界をつくらずに邁進してください」とエールを送った。
 在学生を代表して、松岡春奈さん(経営情報科学科4年=写真右)が「人の価値観はさまざまだが、お互いの意見や理想を理解することが、新たな自分の発見につながる。学部・学科の枠を越えて仲間を広げていこう」と歓迎の言葉を贈った。
 これに応え、新入生を代表して小村岳都さん(未来ロボティクス学科=同左、茨城県・私立水戸葵陵高出身)が宣誓。「私たちは1人の人間として、優れた人格を確立し、自身の知識や技術を深めるべく勉学に励み、仲間とともに切磋琢磨しながら、目標に向かって精いっぱい努力することを誓います」と決意を述べた。

「技術で世界変えよう」


古田fuRo所長が講演
 入学式に続いて、本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長が「ロボット技術と未来社会」と題して講演した=写真
 古田所長はまず、いま世界中でさまざまなロボットが作られているが、fuRoのロボット技術の根本は「未来を創る」ことだと、その理念を述べた。そしてfuRoの数多い自信作の中から、乗り物・昆虫・動物の3形態に変形する「HallucⅡx」、利用シーンに応じて4種類に変形する未来のモビリティー「ILY−A」、バイクに変形する知能ロボット「CanguRo」を動画で見せながら、最先端のロボット技術とAI(人工知能)技術を紹介。
 これらの技術が東京五輪などさまざまな場で用いられ、実用化されることで、我々の未来が大きく変わっていく可能性を強調し、新入生に「皆さんも自分で勉強した技術を使って、世の中を変え、自分の人生を豊かにしてください」と奮起を促した。
 また、家電最大手のパナソニックとfuRoが共同設立した「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」が、AIを使った最先端のロボット掃除機のコンセプトモデルを発表したことを紹介。2021年までに、今後開発する全ての家電を知能化するというパナソニックの計画に、fuRoが全面協力していくとし、新入生にこう訴えかけた。
 「パナソニックは千葉工大を最適なパートナーとして認めてくれました。そこにこれから千葉工大で学ぶ皆さんのチャンスもあります。これだけは誰にも負けないというものを見つけて、常にナンバーワンを目指してください」
 講演が始まって間もなく新元号が発表され、メモを手渡された古田所長が「皆さん、新元号は『令和』です」と披露すると、会場全体万雷の拍手に包まれた。

16年連続AA−


本学格付け「安定的」
 格付投資情報センター(R&I)は3月22日、本学の長期債務の信用格付けを「AA−(ダブルエーマイナス)」、格付けの方向性は「安定的」と公表した。本学は2003年にR&Iから発行体格付「AA−」を取得して以来、16年連続となる。
 評価理由には、未来ロボット技術研究センター、惑星探査研究センターや研究成果を広く公開する東京スカイツリータウンキャンパスを持ち、全国的に大学の知名度、ブランド力を高めている▽教学改革に積極的で、さまざまな制度が留年者や退学者の抑制に効果を上げている▽2019年度入試も地方の受験生を取り込む効果を主因に9万人を超える過去最高の志願者数を確保、強い学生募集力を維持している――などを挙げている。