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2019.1.15

「夢かけて走れ」


自身の経験交え熱く講演
安藤氏を迎えて――(中央から右へ)瀬戸熊修理事長、小宮一仁学長、安藤氏に友人として同行した自然エネルギー推進会議の川瀬修平監事
安藤氏を迎えて――(中央から右へ)瀬戸熊修理事長、小宮一仁学長、安藤氏に友人として同行した自然エネルギー推進会議の川瀬修平監事
 建築家の安藤忠雄氏が昨年12月10日、本学で「夢かけて走れ」と題して講演。会場の津田沼キャンパス2号館3階大教室は、詰めかけた約700人の学生や教職員で超満員となった。安藤氏は学生諸君を「青いりんご」に例えて、「熟れたらおしまい。今こそ勉強する時です。独立自尊の精神で一心不乱に走り続けて」と熱く語りかけた。
 安藤氏の建築作品は、国内はもとよりアメリカやヨーロッパ各国、中国、韓国から中近東まで世界中で高い評価を得ている。
 安藤作品の特徴は「コンクリート、光と影、そして自然との共生」と言われている。無機物と有機物との対話を試みる氏独特の手法が、海外では日本の伝統や禅などの文化と結びつけられ、奥深い思想を暗示させて高い評価に結びついている。
 獲得した内外からの栄誉は数知れない。日本建築学会賞を皮切りに、日本芸術院賞、高松宮殿下記念世界文化賞、文化勲章、海外からはプリツカー賞、UIA(国際建築家連合)ゴールドメダル、フランス芸術文化勲章コマンドゥール……。
 1997年から2003年まで東京大工学部建築学科教授を務め、03年より名誉教授。アメリカではイエール大、コロンビア大、ハーバード大で客員教授を務めた。
 しかし、安藤氏自身は、大学の教育も建築の専門教育も受けたことがない。建築士試験には独学で挑み、それぞれ1回でパスした。
 講演で安藤氏は大阪の下町に生まれ、経済的な事情で大学に進学できなかった少年時代のさまざまなエピソードや、20歳代での2度の世界放浪、建築士試験のための猛勉強、そして60歳代後半と70歳代になってからの2度の大病で5つの臓器を摘出した経験などを、ときにユーモアを交えながら話し、会場が笑いに包まれる場面も。
 講演の後半は、佐治敬三、樋口廣太郎、稲盛和夫、福武總一郎氏ら国内外の各界のリーダーたちとの交流が、自分の作品と深く関わっているとして、作品を紹介しながら、「自分が強い思いを発すれば、全く縁がなくても必ず反応してくれる人がいる」と訴えた。
 そして「人生に決まった道はない。これからは“人生100年”の時代。学部や大学院を出たから勉強は終わりではない。“千葉工大の学生はいいぞ。生涯勉強する基礎を身に着けている”と言われるようになってほしい」とエールを送った。
学生たちに語りかける安藤氏と、講演会場 学生たちに語りかける安藤氏と、講演会場
学生たちに語りかける安藤氏と、講演会場

来場80万人 達成


スカイツリータウンキャンパス
 東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上・東京スカイツリータウン8階)は1月10日、2012年5月に開設以来約6年7カ月で、総来場者数80万人を達成した。
 80万人目に訪れたのは小原佑輔さん、佑広さん(小学5年)親子=写真右の2人。佑広さんは単身で静岡に暮らす父・祐輔さんの元に、札幌市から冬休みを利用し1人で上京。帰郷前の観光でスカイツリーを訪れ、本学ブースを見て入場したという。
 佑広さんは瀬戸熊修理事長=同左=から記念品を手渡され、係員に導かれてエリアⅠのアトラクションから見て回った。
 災害対応ロボットが階段を上ったり、階段上で小回りする様子にびっくり! 係員の操縦する姿をジッと見つめていた。人工知能が花の種類を判別するハナノナでは、仕組みの説明に「すごい!」と耳を傾けていた。その後もエリアⅡのアトラクションの説明を受け、映画鑑賞で締めくくった。
 「これから勉強してみたいことが増えたかも……」と佑広さん。帰郷前の寄り道で「北海道に、いい土産話ができました」と、大きなスーツケースを引いてキャンパスを後にした。