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2018.6.15

60室 女子116人 入室可能に


椿寮に増築棟 完成
 新習志野キャンパスの女子寮「椿寮」の東側に接して新棟(60室)が増築され、5月28日、瀬戸熊修理事長ら学内関係者と設計・監理の(株)横河建築設計事務所、施工の鹿島建設(株)の約60人が出席して竣工式が行われた。式後に内覧会があり、出席者たちは寮内の居室など真新しい館内を見て回った。新棟は6月1日から供用を始めた。
 増築棟の完成を待ちながら、入寮後しばらくゲストルームで共同生活を送っていた新入生たちは、待望の新寮での生活をスタートさせた。
 工学志望の女子学生が年々増加する中、2020年の東京五輪後に増築する構想を前倒しして女子寮増築に踏み切った。これまで定員56人だった椿寮は、倍以上の116人が快適な学生生活を過ごせることになった。
 新棟には1階に、旧棟のようにランドリールームやシャワー室を新設。2〜6階は連絡通路で旧棟とつながれ、各階東端には明るいラウンジが設けられた。寮生同士が会話を楽しんだり、リフレッシュする場となる。
 これに伴い旧棟も改修工事が行われ、2階は広かったダイニングキッチン(DK)のスペースを生かし連絡通路を確保。DKを作り直す一方、多目的室を新設した。
 学生寮は、50年の歴史を刻んできた千種寮(千葉市花見川区千種町)から平成26年、新習志野キャンパス内に移転。桑蓬寮(男子寮)に、初めて女子寮を併設して、6号館南東側のグラウンド端に建てられた。
 男子寮、女子寮の各入り口には顔認証、学生証認証によるダブルチェック入館システムを採用。災害対策の渡り廊下などを施した。居室はすべて個室で、必要家具も備え付け。
 寮生のプライバシーに配慮しながらも、ダイニングやスタディスペース、談話スペースなどのパブリックスペースを配置し、共同生活で互いに切磋琢磨し個を高め合う「教育寮」としての新様式を整えた。
 28年4月には桑蓬寮が増築されており、寮室496室に、増築した女子寮を合わせると全612室となって、多くの地方出身者の利用が可能となった。
 男女共同参画社会とはいえ理系の大学には女子寮はまだ少ない。椿寮には新旧両棟に、細やかな配慮のもと、男子寮とは一味違う女子学生向けの設備が備えられている。

モンゴル音楽 響く


津田沼で講演・演奏会
 本学が主要3大学と交流協定を締結しているモンゴルの伝統音楽に耳を傾け、講演を聴いて同国の歴史や文化について、理解を深めようという催しが5月17日、津田沼キャンパス2号館3階の大教室で開かれた。本学の学生と教職員のほか、習志野市国際交流協会の関係者、提携関係にある神田外語大の教員と学生など約300人が参加した。
 まず、本学審議役で5年3カ月にわたって駐モンゴル大使を努めた清水武則氏が「モンゴルの魅力」と題して講演。
 かつて世界を征服した民族の末裔の国であるモンゴルは、手つかずの大自然に抱かれた世界有数の資源大国であり、東南アジアで唯一、全面的に日本を応援してくれている、「自由と民主主義」「平和を愛する」「相互援助」の3つの精神を日本と共有している国であると、その重要性を強調した。
 続いて、2015年から日本を拠点にモンゴル伝統音楽の演奏活動をしている民族楽器グループ「イフタタラガ」(「無限なる伝承曲」という意味)と、モンゴルの現代オペラ、民謡のそれぞれ女性歌手を合わせた7人が登場=写真
 「イフタタラガ」は、モンゴル音楽を代表する楽器「馬頭琴」の3人の男性奏者と「揚琴」、「モンゴル琴」の女性奏者各1人で構成。
 モンゴル民謡特有の男性の歌唱法である「ホーミー」=注参照=を交え、女性歌手2人とともに民族音楽などを演奏。日本人にも親しみやすい旋律とビブラートのかかった素晴らしい歌声に、会場全体が魅了されていた。
白鵬関もエール
 また、モンゴル出身の横綱・白鵬関が「千葉工大の皆さんがモンゴルの歴史や文化を知り、音楽を楽しみ、より一層モンゴルという国を知ってもらえればうれしい」とビデオメッセージを寄せるサプライズに、会場には大きな拍手が響き渡った。
 この催しは、昨年7月、モンゴルを訪問した瀬戸熊修理事長が、帰国後、都内でのモンゴル伝統音楽の演奏会を聴き、感銘を受けて、「ぜひ、本学の学生にも聴かせたい」と発案。清水審議役の尽力で実現した。
 現在、本学はモンゴル最古の名門、モンゴル国立大のほか国立モンゴル科学技術大、私立モンゴル工業技術大と交流協定を締結。惑星探査研究センター(PERC)が成層圏での宇宙塵採集のための放球実験を工業技術大と共同で2016年6月から行っている。
≪注≫ホーミー
1人で低い声と高い声を同時に出す歌唱法。喉(声帯)を締めながら一定した低音を出すのと同時に、舌を使って口腔内の形を変えて高い音を出す。