NEWS CIT ニュースシーアイティ

2017.7.15

牧野さん 空手日本代表に


船越義珍杯 アイルランドで少年世界選手権
 体育会空手道部の牧野樹さん(金融・経営リスク科学科3年=写真)が8月18日、アイルランドのリムリック大学で開かれる「船越義珍杯第14回少年世界空手道選手権大会」の男子19〜21歳の部の日本代表選手に選ばれた。
 伝統派空手の一つ、松濤館流の開祖の船越義珍を記念して3年に一度開催されるこの大会は、少年選手権と一般選手権(8月19日)が合わせて開かれる日本空手協会主催の同協会最大の競技会。
 今年の大会には世界約130カ国の選手がアイルランド第3の都市、リムリックに集結。日本からは少年と一般合わせて男女約150選手が参加し、世界の強豪と鍛錬の成果を競い合う。
 19〜21歳の部は少年選手権の最年長クラス。牧野さんは「組手」に他大学の2選手とともに出場し、世界各国の46人の選手とトーナメント戦で優勝を争う。
 牧野さんは保育園の年長組のとき、母の美礼さんの勧めで空手道場に通い始め、「仮面ライダーのようなカッコよさ」に、すっかり空手好きに。家庭でも父の仁己さんを相手に練習に打ち込み、小学校6年で黒帯獲得。
 高校は空手部のある拓大紅陵高校。大学は同校の先輩で日本空手協会指導員として本学空手道部の監督を務めている根本敬介さん(PM学科卒)の勧めで、迷わず本学の金融・経営リスク科学科に進んだ。
 空手道部の練習は午前6時半〜8時と午後6〜8時の1日2回と厳しいが、体格・体力に勝る外国人選手との一本勝負に備えて今、追い込みの猛練習中。「初めての世界の舞台なので、一戦一戦全力を集中して、練習の成果を出したい」と抱負を語っている。
 なお、根本監督も一般の世界選手権に出場する。

富樫さん向山さん 優秀論文発表賞


電気学会研究会での論文 評価され
富樫さん(右)と向山さん
富樫さん(右)と向山さん
 電気電子情報工学専攻の大学院生・富樫優介さんと向山弘文さん(ともに修士2年=山崎克巳研究室)が昨年、電気学会の静止器・回転機合同研究会(9月7〜9日、沖縄県石垣市の商工会研修室ホールで開催)で研究論文を発表。年間を通した審査の結果、富樫さんは平成28年の電気学会優秀論文発表賞、向山さんは同学会産業応用部門の優秀論文発表賞に決まった。このほど3月末日付で表彰状が贈られた。
 富樫さんの論文は、日産自動車(株)と連名で発表した「IPMモータにおけるキャリア損低減のための形状最適化に関する検討」。
 電気自動車やハイブリッド自動車ではIPM(永久磁石埋込式)モーターが使われる。低速・低出力を繰り返す市街地走行では、回転数を制御するインバーターの高調波磁束がモーター各部に影響を及ぼすことで生じる「キャリア損」が効率を大きく下げる。このキャリア損を最小化するモーター形状を、コンピューターによる自動形状最適化によって決定した。
 一方、向山さんも(株)日立製作所と連名で「大形三相変圧器におけるステップラップ接合による鉄損変化に関する検討」を発表した。
 変電所で使用される大形の三相変圧器は、複数の鉄心を組み合わせて製造されている。組み合わせ部分で発生し変電効率を下げる渦電流の挙動を、三次元電磁界解析によって明らかにし、変電効率を高める組み合わせ方を検討した。

菊池さん 奨励賞


ドリルの耐摩耗性向上を研究
 日本材料科学会の学会誌に掲載された菊池佑介さん(工学専攻博士後期課程1年、坂本幸弘研究室=写真)の論文「高速度工具鋼に被膜したDLC膜の密着性に及ぼす軟窒化処理の影響」が29年度の奨励賞(末澤賞)に決まり、6月26日、横浜市の関東学院大KGU関内メディアセンターで開かれた同学会学術講演大会で表彰された。
 摺動部材(滑って動く部分の部材)では、耐摩耗性を向上させるためDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を成膜するが、密着性に問題がある。菊池さんはDLC成膜前に、軟窒化処理が膜の密着性にどう影響を及ぼすかを調べた。
 軟窒化処理は鋼の耐疲労性を高めるため比較的低温で処理する方法。硬度を高めるラジカル窒化の後に軟窒化処理を施すことで、DLCと鋼の密着性が向上し、コーティングする際の工程数の削減が可能となった。
 研究現場では、ガス流量比やプラズマの状態を常に確認しながら最適な条件を見出すのに多くの時間を割いたという。
 27年度の学術講演大会ポスター発表部門で発表して若手奨励賞に選ばれ、学会誌「材料の科学と工学」に掲載。今回の授賞は最近数年間に学会誌に掲載された研究論文が審査対象となった。
 菊池さんは「とても光栄です。坂本教授をはじめ研究室の皆さん、お世話になった方々に感謝します」と語った。

石井さん 女子個人V


全関東学生ダートトライアル 男子は団体6位
ダートコースを駆ける石井車
ダートコースを駆ける石井車
 自動車で未舗装の指定ルートを走り、タイムを競う全関東学生ダートトライアル選手権大会(6月25日、栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須で開催)で、本学体育会自動車部の石井与詩乃さん(デザイン科学科4年)が女子個人の部で優勝した。男子は団体で6位。ともに全日本大会への出場が決まった。
 女子のダートトライアル競技人口は少なく、今回も男子15校45人参加に対し、女子は6校9人。順位のタイム差も大きく出ることが多い。
 石井さんは曇り空の下、凹凸やカーブの激しいルートを、ドリフトの土煙を上げて果敢に攻め続け、優勝をさらった。2位・法政大選手にわずか0.92秒差だった。
 大会1週間前の練習中、本番で乗る車を横転させてしまった。どうしようと思う中、部員みんなが一体となって新しい車両を作り上げてくれたという。僅差の優勝に「全員走り終わるまでヒヤヒヤしました」と石井さん。
 「部員みんなには本当に感謝しています。また、練習から大会までサポートしてくださった斉藤亮一さん(2009年、機械サイエンス学科卒)ら本学OB、OG、オートランド千葉の方々、大学関係者など、本当に多くの方々に支えられ、結果を残せたのだと感じます。全日本学生ダートトライアル選手権(8月6日、丸和オートランド那須)も控えているので、さらに頑張ります」と語った。
表彰台の石井さん(中央)
表彰台の石井さん(中央)

「先進的IoT」に採択
abaの排泄検知シート


宇井代表のベンチャーに資金支援
 本学大学院工学研究科の宇井吉美さん(博士後期課程2年、長尾徹研究室)が代表を務める介護機器ベンチャー、(株)abaが開発した排泄検知シートが情報処理推進機構の「先進的IoTプロジェクト支援事業」に採択された。
 この検知シートは、高齢者や身体障害者など要介護者の体に直接装着せず、ベッドに敷いて使用し排泄を自動で検知して通報する。おむつを開けずに排泄が分かるため、介護する人の負担を軽減し、要介護者のQOL(生活の質)向上にもつながると期待されている。
 abaは、この検知機能を使って要介護者個々の体臭・排泄臭を自動学習し、排泄を自動記録することによって、おむつの交換スケジュールを自動的に作成する機械学習機能を備えたシステムの開発を進めている。
 今回の採択ではこの点が「おむつ交換業務の負担軽減を目指した業務スケジューリング技術の開発」として評価された。
 abaには2000万円を上限とする資金支援と、専門家をメンターとする技術開発の伴走支援が提供される。
 一方、abaとパラマウントベッド(株)が共同で進めてきた排泄検知シートの製品化も大詰めにさしかかっている。9月に開催される国際福祉機器展で、製品名「Helppad」としてお披露目の予定だ。