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2017.1.15

英財務相が視察


fuRo最先端ロボット タウンキャンパスで
ハモンド財務相(中央)に櫻壱號を説明する吉田主席研究員(左隣)と小宮学長
ハモンド財務相(中央)に櫻壱號を説明する吉田主席研究員(左隣)と小宮学長
 欧州連合(EU)からの離脱交渉開始を今春に控えている英国のハモンド財務相が12月15日、東京スカイツリータウンキャンパスを訪れ、未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発した世界最先端のロボットを視察した。英国はEU離脱による経済の不透明化を回避し活性化するために、ロボットや人工知能などの技術開発に注目しており、fuRoのロボットから今後の技術開発の方向性を探るヒントを得たいとの思いがあったようだ。
EU離脱交渉控え
技術の方向性探る
 この日のハモンド財務相の東京スカイツリータウンキャンパス来訪は、菅義偉官房長官や麻生太郎副総理・財務相との会談など分刻みのスケジュールの中で、英国側の強い要望で実現した。
 ヒッチンズ駐日大使を伴ってスカイツリータウン8階までエスカレーターで上がった同相は、小宮一仁学長に出迎えられてAreaIロボット技術ゾーンへ。
 ここで同相がまず強い関心を示したのが災害対応ロボットの「櫻壱號」だ。西村健志研究員の操縦で階段をスムーズに昇降する動きを見て、小宮学長と開発に当たった吉田智章主席研究員に「倒壊したビルの中など過酷な現場でも動けますね」「カメラの映像を見て遠隔操縦するのですね」などと的確な質問。
 小宮学長が、熊本地震で崩壊した宇土市役所庁舎の内部調査のために使われたことを紹介した。
 また、「HallucIIx(ハルクツー・カイ)」は小太刀崇研究員、「ILY-A(アイリーエー)」は荻原一輝研究員が操縦。同相は「HallucIIx」のユーモラスな動きに目を細めながら、説明役の大和秀彰主席研究員に「このロボットのキーテクノロジーは? どんな応用が考えられますか」などと質問。人を感知すると自動的に走行停止する「ILY-A」の人工知能技術にも興味を示していた。
 30分の視察を終えた同相は「これまでも英国と日本は緊密に協力して関係を深めてきました。今後もこの協力関係がより深まることを楽しみにしています」。これに対して小宮学長は「本学には人工知能・ソフトウエア技術研究センターもありますから、手を取り合って人のためになる技術の開発を進めていければと考えています」とエールを交換し合っていた。
 この視察の模様は12月16日夜、安倍首相とロシアのプーチン大統領の会談を特集したNHK-BS1「国際報道2016」で放映された。
「魔法のカード」で投影を試す 火星探査船シミュレーターを操縦体験
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英の鉄道施設を調査
学長・fuRoと縁
 ハモンド財務相の今回の東京スカイツリータウンキャンパス訪問要請は駐日英国大使館から未来ロボット技術研究センターの古田貴之所長に寄せられたが、本学と英国はこれまでにも深い関係を築いてきた。
 一昨年7月にはfuRoのチームが英国で「櫻壱號」を使って鉄道施設の健全性の調査実験を行った。
 この実験はイングランドの鉄道施設の大半を所有・管理する「ネットワーク・レール」がかつてケンブリッジ大に勤務していた小宮学長に依頼、古田所長をはじめfuRoの全面協力を得て実現した。
 小宮学長や古田所長が見守る中、カンタベリー近郊にある、築後200年以上が経過した線路下のレンガ造りの水路トンネルの劣化の状態を、fuRoの研究員が操縦する櫻壱號が調査。現場では、立ち会ったネットワーク・レールの技術者達は本学のロボットの性能や画像処理技術力の高さを絶賛。ロボットによる健全性の評価が可能であることが示され、ミッションは成功した。
 また、一昨年11月には古田所長がイングランド東部のノリッチとロンドンで「ILY-A」と「HallucIIx」を持参してロボット技術と文化に関する講演会を開催し、大好評を博した。
フィリップ・ハモンド財務相
 オックスフォード大卒。企業経営者を経て1997年に庶民院議員に当選。2010年以降、キャメロン首相の下で運輸相、国防相、外務相を務め、EU離脱決定後の16年7月、メイ首相によって財務相に任命された。父親は土木技師。61歳。

石川高専と連携協定


 本学は、地域で有能な工科系人材を育てようと12月22日、独立行政法人国立高等専門学校機構石川工業高等専門学校(石川県河北郡津幡町=須田義昭校長・生徒約1100人)と、教育・研究活動全般に係る「包括的な連携に関する協定」を締結した。
 締結式は石川高専で行われ、小宮一仁学長=写真右=と須田校長=同左=が締結書を交わした。両校は今後、協力して、次代を担い国際社会で活躍できる人材の育成を進めていく。
2016年度 卒業研究展 デザインの根
 デザイン科学科の学生たちが4年間の集大成を発表します。
 「デザインの根」は、さまざまなデザインの“根”を学んだ学生たちが大きな木へと成長することを期して名付けました。
 期間と場所はポスターの通りです。ぜひご来場ください。