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2016.5.15

平成28年度予算案を承認


 3月29日、東京ガーデンパレスで開かれた本学理事会・評議員会で、平成28年度予算案が承認された。
高等教育を取り巻く環境
 国内では、現政権による積極的な経済政策、日本銀行の金融政策によって、株価、為替、雇用などに明るい兆しが見え始めたかに見えたが、既に景気の減速感も現れており、引き続き難しい経済運営となっている。政策面では安全保障政策の転換に対して、国民的議論が起こるなど、さまざまな場面で大きな転換点に差し掛かっている。
 これらを踏まえ文部科学省は、グローバル化、産業界と大学の連携、地域・社会貢献、教育の質的転換など、大学に求める社会的役割を明確に示している。また、大学入試センター試験に代わる新たな試験制度の導入を表明するなど、さらなる改革を促している。
 創立74年目を迎える今年度は、工学部の改組を始めとして、創立100周年に向けての取り組みをさらに積極的に実行していく。
 未来ロボット技術研究センターでは、ロボット技術応用の知能化安全技術を搭載した未来のモビリティー「ILY-A」を開発した。惑星探査研究センターでは、宇宙からの流星観測を行うために超小型衛星プロジェクト及び国際宇宙ステーションに設置する超高感度カメラ「メテオ」プロジェクトを実施しており、今後の運用が期待される。
 さらに既存の3研究センターに加え、4月には国際金融研究センター、次世代海洋資源研究センター設立準備室を開設するなど、先端研究を今後も積極的に進めていく。
 本学の一般入試志願者動向は、工学部改組、教育研究体制の充実、入試制度の改革、積極的な広報展開、キャンパス再開発などの取り組みによって引き続き回復基調にある。平成28年度入学試験では過去最高となった昨年度をさらに大幅に上回り、志願者増加数で全国1位、志願者総数では全国9位となった。しかし、この結果に満足することなく、教育課程改革、修学支援体制の更なる充実やキャリア教育の拡充など、総合的な学生支援体制の強化を引き続き進めていく。
千葉工業大学 平成28年度予算
事業計画

1 教育・研究

 大学が人材育成の拠点としてその教育・研究機能を最大限に発揮していくためには、学長のリーダーシップのもとで大学を戦略的に運営できるガバナンス体制が求められている。本学はこの趣旨に沿って、学則をはじめとした学内諸規程を整備し、学長を中心とした機動的な運営体制を構築した。平成28年度も建学の精神に基づき、 教育目標を達成すべく教育改革及び研究の活性化を推進する。
 平成28年度より工学部を3学部に改編し、5学部17学科体制での運営を開始するにあたり、「学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」及び「入学者受入れの方針」を一体的に定め、点検・評価を通じて大学教育の改革・改善に不断に取り組むためのシステムを構築する。
 工学部の改編に伴い、特に教養教育については、中央教育審議会答申等で示された学士力の養成、すなわち知識・理解、汎用的技能、態度・志向性、総合力・創造力を養うことを念頭に、主体的な学びも多く取り入れ、専門科目とともに教育課程の体系化、単位の実質化に向けて大きく転換を図った。更に、大学院及び工学部以外の学部の改編・教育課程の見直しについて、新設の研究所等とも連携して引き続き検討する。
 教育方法の改善については、学外講師を含め教員相互で教育活動に関する自由闊達な意見交換を行う「FDフォーラム」や、「FD講演会」を開催するなど、FD(ファカルティー・ディベロップメント)の継続的な推進を図る。
 また、グッドレクチャー賞やベストティーチャー賞を創設し、教育改善に対する教員の工夫・努力を適切に評価する体制を整備するとともに、全教員を対象とした教育方法の講習会等も引き続き実施する。
 大学院においては、本学附属の各研究所等と連携した教育・研究体制を充実させるとともに、留学生も含めた学生数の確保を図る。また、大学院生のプレゼンテーション能力、語学能力の向上のため全専攻共通科目を開講している。
 留年者や退学者の抑制策については、追加的な補習授業の実施や再試験制度及び仮進級制度の導入により、授業の到達目標や評価基準を維持しつつ、留年者及び退学者の減少に効果をあげている。
 国際化については、海外大学との交流協定を引き続き積極的に拡大し、留学生の受入れ及び本学学生の海外留学ともに増加させる。さらに、新たに創設された「小川勉国際交流支援基金」により、広くアジアや中南米等の新興国から経済的な支援を必要とする留学生を受け入れ、出身国のリーダーとなり得る人材の育成に寄与する。
 研究及び産官学連携については、「学校法人千葉工業大学産官学連携協議会」を通じた活動のほか、研究の活性化と産学連携の強化を推進する。加えて、安全保障貿易管理等についても管理体制の整備を進め、更に充実したコンプライアンス遵守体制の構築を進める。

2 管理運営

 昨年度から始まった新習志野校舎の再開発計画の一環として、今年度も引き続き、新食堂棟前の広場となる旧体育館跡地の整備工事、7号館(旧食堂棟)の解体工事及び新講義棟の新築工事を実施。既存建物の維持・管理、キャンパス全体の中長期的な改修の準備。
平成28年度予算の概要
I【教育活動収入】
 157億円(昨年度158・2億円 昨年度比1・2億円減)
 学生納付金は前年度比微減の135億円とし、全体では1・2億円程度の減少を見込んでいる。
II【教育活動支出】

 157億円(昨年度159億円 昨年度比2億円減)

1人件費は、退職金の減少があるものの、人員増による増加によって1・5億円増加する。

2教育研究経費は、キャリア教育や教養教育の充実に予算を計上し、またキャンパス整備に伴う経費が発生するものの、消耗品費、修繕費、委託費、減価償却額等が減少する見込み。教育研究経費比率は44・6%(昨年度40・7%)である。

3管理経費は、新習志野校舎の食堂や学生寮に関連する経費が増加するものの、他の経費の圧縮に努める。管理経費比率は10・9%(昨年度9・3%)である。

III【教育活動外収支】
 教育活動外収入は受取利息・配当金で1・2億円(昨年度比2・6億円減)、教育活動外支出の予定はない。
IV【特別収支】
 特別収入は施設設備補助金で5千万円、特別支出は資産処分差額として1千万円を計上した。
V【基本金組入額】
 5億円(昨年度64億円 昨年度比59億円減)
(1) 第1号基本金
組入額 △4・7億円
1 建物 組入額 0億円
  除却額 △9・5億円
2 構築物 組入額 6・0億円
  除却額 △0億円
3 教育研究用機器備品 組入額 6・0億円
  除却額 △7・4億円
4 管理用機器備品 組入額 0億円
  除却額 △0・2億円
5 図書・車両他 組入額 0・4億円
  除却額 △0億円
(2) 第2号基本金
校舎改修準備資金 組入額 10・0億円
VI【収支差額】
 以上の結果、当年度収支差額は4億円の支出超過、前年度繰越収支差額は77億円のマイナスであるので、翌年度繰越収支差額は81億円の支出超過となる予算である。

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