NEWS CIT ニュースシーアイティ

2015.10.15

東京五輪に未来体験場


世界の目を先端ロボット技術へ
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に併せて、先端ロボット技術を使った夢の未来社会を誰もが体験できる“実験場”を作り、世界に発信しようという国家プロジェクトが文部科学省の主導でスタート。本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)が同省とともにプロジェクトを推進する「ユニバーサル未来社会推進協議会」の事務局を務めることになった。
fuRo推進のもと
国家プロジェクト 本学に事務局
ユニバーサル未来社会推進協議会の初会合。(左から)古田副会長、鈴木会長、毛利顧問、山中副会長、田中副会長(文部科学省で9月15日)
ユニバーサル未来社会推進協議会の初会合。
(左から)古田副会長、鈴木会長、毛利顧問、山中副会長、田中副会長(文部科学省で9月15日)
 9月15日に開かれた同協議会の初会合で、会長に元参院議員で文部科学大臣補佐官を務める鈴木寛・東大教授兼慶応大教授、顧問に日本科学未来館の毛利衛館長が就任し、副会長に古田貴之・fuRo所長、デジタルファブリケーションが専門の田中浩也・慶応大准教授、アスリートで元オリンピック選手の為末大氏、「HallucII」などのロボットの共同開発で本学と関係の深い山中俊治・東大教授が選ばれた。
■ショーケース化
 安倍内閣が今年6月に閣議決定した「日本再興戦略」(改定2015)では、世界の視線が日本に集まり、大勢の人が来日する2020年までに、将来日本の中核となり、後の世代に財産として継承できるプロジェクトを、政府を挙げて推進するとし、中でもわが国の強みを発揮できるものとして6つのプロジェクトを掲げている。
 その1つが「先端ロボット技術によるユニバーサル未来社会の実現」で、文部科学省と経済産業省が出した同種の提案を首相官邸で一本化した。文科省案は、同省からの依頼でfuRoが提出した原案がベースになった。
 このプロジェクトは人種や民族、宗教・文化・言語、老若男女などの違いを乗り越え、あらゆる生活空間で人が先端ロボット技術の恩恵をいかに受けられるか、その実際シーン(実証プロジェクト)を企業などに提案・構築してもらい、ショーケース化しようというもの。
 例としてパーソナルモビリティーや多言語翻訳、案内ロボット、さらに市街地での自律移動型ロボット、手荷物運搬サポートロボットなどが挙げられている。
 また、実施場所として文科省は日本科学未来館や東京国際交流館、産業技術総合研究所があり、オリンピックで体操、テニス、ビーチバレーなどの競技が開催される東京臨海副都心のお台場、青海地域を想定している。さらに幕張など、その他のオリンピック競技が行われる地域に実施場所が広がる可能性もある。
■1次募集を開始
 企業などから募る実証プロジェクトは単に夢があるというだけでなく、事業化され、後の世代に「財産」として残るものでなければならない。1次募集は10月に始まり、11月末に締め切られる予定。fuRoの石黒周副所長、清水正晴主席研究員らのスタッフが募集の実務と選考に当たる。
■古田所長の協議会でのあいさつ(9月15日)
 私のポリシーは「ものづくり」ではなく「ものごとづくり」。科学技術・ロボット技術はあくまで人を幸せにするためのツールです。2020年を控え、日本の科学技術をツールにして、日本人が描くユニバーサルな未来社会を世界に発信したいと思っています。

来春完成へ上棟式


新食堂棟・新体育館 新習志野
新体育館(左)。横には国際交流会館も 新食堂棟(右奥)
新体育館(左)。横には国際交流会館も 新食堂棟(右奥)
 新習志野キャンパス再開発に伴う新食堂棟と新体育館(ともに仮称)の基本構造が立ち上がり9月16日、上棟式(棟上げ)が行われた。
 式は建設地で午前11時に始まり、瀬戸熊修理事長=右の写真中央、小宮一仁学長をはじめ教職員が出席。設計・監理にあたる横河建築設計事務所や施工の三井住友・五洋建設共同企業体の関係者を含め90人余が工事の安全を祈願した。
 修祓式では瀬戸熊理事長が金鋲を、小宮学長が銀鋲を検鋲、昇神の儀を最後に神事を終了。正午から直会に移った。
 新食堂棟は鉄骨造4階建てで延べ床面積8401平方メートル、高さ23.4メートル。新体育館は鉄骨造2階建て、延べ床面積3675平方メートル、高さ16.7メートル。いずれも完成は来年3月の予定。